第3159回で太陽電池のコストダウンが意外と早そうだがそれまでに日本の太陽光発電の業界が持つだろうかと心配しました。
というのもメーカーの増産にもかかわらず日本の市場の冷え込みが酷く、殆どが海外向けになっているように思えるからです。
そんな輸出の比率がどのくらいあるのかの数字はあまり表にはでてきませんでしたが、思ってた以上にその比率は高いようです。
日経エコロミーより
(5/12)新エネルギー、海外に照準・太陽電池など、優遇制度追い風
…略
二酸化炭素(CO2)の排出量がゼロの新エネルギー、太陽光発電と風力発電に取り組む企業が海外に事業の主軸を移している。国内の太陽電池メーカーは輸出の拡大を進め、2007年には輸出量が国内出荷の3倍に達した。風力に関しては発電事業者が欧米を中心に新規の発電所立地を進めている。欧米は新エネルギー導入の優遇策を強化しており、市場の伸びは国内を大きく上回る。今後も新エネ関連装置メーカーや発電事業者の海外展開が加速しそうだ。
太陽電池で国内最大手のシャープは07年の製品の輸出量が全生産量の8割程度に達した。現在、堺市で原料のシリコン使用量が少なくコストが低減できる「薄膜型」の新工場を建設しているほか、10年中にも海外に工場を建設する。両工場が稼働すれば、生産能力は出力換算で100万キロワットと07年の生産量の3倍に拡大。欧州市場は10年には06年の3倍の300万キロワットに需要が拡大すると予測されており、同地域を中心に拡販する。
何と輸出が8割とは驚きです。日本市場はここまで冷え込んでいたのですね。私の営業力なんか歯が立たないはずです。これじゃ、本当に業界が持ち堪えられないかもしれませんね。
そして、日本市場を見限った商社が世界で事業展開をしているようです。
2008年5月9日
住友商事、スペイン・カナリー諸島で大型太陽光発電事業を開始
住友商事は08年5月9日、スペイン・カナリー自治州テネリフェ島において日本企業が事業主体のプロジェクトとしては過去最大級となる出力9000kWの太陽光発電事業を実施する、と発表した。3月中旬に住友商事が出資する事業会社とみずほコーポレート銀行との間に融資契約を締結した。プロジェクト総額は約85億円で、そのうち約70億円をプロジェクト・ファイナンス方式により調達する。住友商事はテネリフェ島政府子会社のITER(再生エネルギ技術研究所)ほか地元資本と共同設立した事業会社EVM2 Energias Renovables社の株式を43%保有しており、筆頭株主として事業を主体的に運営する。事業に用いる太陽光発電パネルはすべてシャープより調達する。事業会社は08年後半より操業を開始し、以後25年間にわたりスペイン政府の再生エネルギ電力買取制度に基づき、スペイン最大手電力会社Endesa社の100%子会社であるUnelco Endesa社に電力を販売する。
住友商事は太陽光発電パネルをドイツを中心とする欧州市場に累計で1200億円以上販売してきた。関連新規事業分野として太陽光発電事業に着目し開発を続けてきた結果、今回、急成長市場となっているスペインにおいての太陽光発電事業を実現できた。欧州において避寒地として名高いカナリー諸島は、観光産業を主要な収入源とするため環境資源保護の観点から大規模な化石燃料による発電設備建設を抑制し、風力および太陽光エネルギによる発電設備の導入を積極的に図っている。運営する9000KWの太陽光発電所は石炭火力発電所と比較すると1年あたり約7200トン、事業期間25年間で約18万トンのCO2排出削減効果がある。
住友商事は太陽光発電事業を環境ビジネスにおける主要分野の一つと位置付け、カナリー自治州を含むスペインでの事業拡大のほか、スペイン同様に再生エネルギ発電への助成制度が整備されているイタリア、ギリシャなどでも新規案件を開発している。同件を皮切りとして、今後開発、投資、運営主体として太陽光発電事業の積極的な展開を加速していく。2008年05月09日
参照:住友商事がスペインカナリー諸島にて大型太陽光発電事業を開始
地球規模で考えればどこで増えようと良い様なものですが、日本のエネルギーで作ったものを輸出するのはエネルギー小国の日本としては余りにも勿体無いと考えるのは私だけでしょうか。
それにしても、日本政府は本当に何を考えているのでしょうか。未だに道路を造る方が大事だと思っているようですね。
救いようが無い!