明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



松涛美術館でのピクトリアリズム関連の講演で、細江栄公氏が、それはブロムオイルについてであったが、印刷物として再現性がなく、伝播力に乏しいというようなことを話されていたが、それはまったくその通りで、油性インクによる質感は、複写、スキャニングによっても再現は困難である。本日のお尻のアップは実際は粒子といえるような粒子はなくヌルリとした質感で、プリントしたてでよけいにヌラリとしているのだが、デジカメで撮ると、その潤い感は出ずパサパサして見える。こればかりは実物を、その場の光で見ていただくしかない。 最も、私が野島康三のピクトリアリズム写真にノックアウトされたのは、会期直後に古書店で見た松涛美術館の図録であったから、力の有る作品は印刷だろうとなんだろうとお構いなしということであろう。 オイルプリントの場合、より諧調を出そうとすると黒インクを使う方が有利な訳だが、せっかく色の選択が自由なプリントなのだから来月の個展では、黒インクだけ、というのは極力避けようと考えている。絵の具の状態、ブラシの使い方により粗い粒子から、粒子のまったくない、トロリとした調子までが可能である。その辺りも見ていただけたら、と考えている。

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