明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



以前、昔の日本の芸術写真家のブロムオイルを見た。同じネガで、モノクロプリントとブロムオイルが残されていた。作品によっては、ブロムオイルは現在のモノクロプリント、いわゆるゼラチンシルバープリントと見分けがつかなかった。今でこそ淘汰され、特殊印画法扱いの絵の具を使うピグメント法も、この作家にとって、このネガをどちらで仕上げようか、と考える程度には、特殊でもなんでもなかったのであろう。様々な印画法が乱立した時代が感じられて面白い。 しかし廃れた技法を発掘し、今披露しよう、ということになれば、できるだけモノクロ写真と遠い物にすべきであろう。そこで黒インクだけ、というのは1枚も作らず、セピア他違いが判りやすい色にした。さらに粗粒子の写真はあるのだから、写真に付き物の粒子がない作品も作った。

本日の1カット。刺青師の仕事場の待合室である。撮影した日、撮影中の写真をブログにアップしたが、何かをどかしたり整頓したりはせず、現場そのままである。今時の机もなんだか趣があるように見える。上にある雑物も同様である。左側床には携帯電話も写っているが、このあたりの粒子がなく溶け込んだようになるのが私の好物である。無性に静物を撮りたくなった。

オイルプリント制作法

インキング映像

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )