明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



掛け軸のような縦横比の画面に座布団に座る泉鏡花。上空には満月。手には陶製兎。そんな絵をはるか昔考えたが、当時はアナログの時代。2度焼きしたり、プリントの田村政実氏には迷惑をかけた。 時代が変わり、20数年ぶりにリベンジしよう、と昨晩から最初期に制作した泉鏡花を撮影。おおよそ完成。次は夏目漱石か永井荷風のどちらかにしたい。 書店に『別冊太陽 夏目漱石の世界』。私はことあるごとに漱石は“ワシ鼻”である、といってきた。あの有名なポートレイトを撮った写真師は判明している。写真師がクライアントにかってに修正をほどこすとは考えられない。そもそも漱石はあばた顔であったから、そのくらいはいわれなくても修正したかもしれないが、さすがにワシ鼻は本人に黙って修正はしないであろう。つまり漱石が指示したことになる。そんなこと気にするくらいだから胃ぐらい悪くなる。 マツコデラックスが“額から鼻が生えてる”と整形疑惑の芸能人を評していたが、漱石がまさにそれで、トレードマークといってよいだろう。この件に関しては何度も描いているので漱石のデスマスクはワシ鼻であった、とだけいっておく。日本国が発行した紙幣に使われた写真自体が修正施されており、今更私がいったところで焼け石に水である。別冊太陽の横尾忠則さんの絵もちゃんと額から生えているし。私はワシ鼻を生かすべく、ちょっと斜めから撮りたい。


※8月31日まで谷中『全生庵』円朝旧蔵の幽霊画を公開中。それに伴い三遊亭円朝像を出品。
みそろぎ人形展9月13日(水)〜19日(火)丸善丸の内本店4Fギャラリー
『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館11月まで九代目市川團十郎像を展示。



















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