明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



フェイスブックは何年前の今日、こんなことありましたと知らせが来るが、10年前の今日、面と向かって殺す、といわれた。 私は人間の男ばかり作ってきたが、写生嫌いで、男のデッサンなど一度もしたことがない。しかしフォルムとしては、力道山時代から様々な人種の様々な男の裸を観てきた。更にボクシング、相撲等。私の特徴は学ぼうと企んだことがすべからく役に立たず、無意識に蓄積されたものだけが役に立つ。その男達のイメージに陰影、立体感をもたらせたのは、酒場であろう。家に何が居るのかは知らないが、なんとか帰宅を遅らせよう、ともがく男達のブルース。娘を嫁にやる父親のわずかなため息は耳に残るし、かと思えば家に複数台洗濯機がある、という娘がいる父親もいる。しまいには面と向かって殺すといわれる始末である。しかし取材はもう充分。最近はもっぱらテーブルに味の素が置いてある定食屋で一人静かに飲み、挨拶と注文以外話すこともなく店を出る。もっぱら藤竜也、高倉健スタイルである。



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