達磨大師の坐禅図を随分見たが、ほとんどの達磨大師は面壁しておらず、していても、せいぜい雪舟同様真横を向いている。今のところ面壁坐禅を、壁側から描いた坐禅図は見つからない。ない訳はない。誰が考えたって面壁する坐禅姿を真正面から描くにはこれしかない。何時代の誰が描いた物かは知らないけれど、探し出して「あんたの気持ちは判る、それしかやりようないよな。」と、肩を叩きたいだけだが。 英一蝶が『朝暾曳馬図(ちょうとんえいばず)」』で川面に映る影を描いたのが、日本人が始めて描いた陰影という説がある。小学校低学年の私も川面に映るボートの影を描いたくらいだから、記録に残る中で、という意味だろうが。私は以来〝子供の絵じゃない“といわれ続けロクな目に合わなかった。あんたも、遊びが過ぎたか島流しにあったり大変だったな。
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