『東アジアのなかの建長寺』村井章介編(勉誠出版)の中に各地に残る蘭渓道隆像、絵画が11点立体像が18点が掲載されている。初めて宗より本格的禅を日本にもたらせた人物だけある。 そのうち絵画は、おおよそ私も参考にした、生前に描かれた頂相を元にしていると思われ、地方から建長寺を訪れ写している。しかし立体像となるとそうはならず、参考に制作されたのは一点もないように見える。これはいったい何故なのだろう。建長寺で木を刻んだり、模刻が許されなかったとしても、絵画を写すことが出来たのなら、それを元に制作すれば良かったと思うのだが。 私が松尾芭蕉を作った時、門弟が描いた肖像画が無視されて来たので、門弟の作品のみを元に制作したが、建長寺の木像さえも、生前描かれた肖像画を元に制作していないように見えたので、斜め45度向いた肖像画の立体化を試みた。一番見たかった正面の顔だが、どうせなら面壁坐禅図にするつもりでいる。
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