数日前の事、このブログのメッセージ欄からメールが寄せられました。
なんでも、自分でベバストヒーターを取り付けたらしいのですが、 高地スイッチを”どこ(配線)に取り付けたらいいのか?”がよく判らないとのこと。
一応、某所含めて数カ所に問い合わせをしたらしいのですが、 帰ってくる返答は「業者に相談しろ!(金払え)」的で無愛想な内容だったらしく、たいそう憤慨していて・・・・
ただ、向こうも商売ですから、儲からなければならないし、まがいなりにも技術?を売っているわけですけど、他にも下手にDIYされた事で壊れたりすると、「弁償しろ!」だ等と言い出す”おかしな輩”もいるので、解らなくもない。
メールを読みながら、黄金期に”殿様商売”しまくりだったヤナセと、その反動で今は”すっかり衰退”しまくったヤナセが頭に浮かんだりする僕ですが、
こうするんですよ~! と来たメールに返信した。
ついでに、このブログでも高地スイッチに関して書いてみようと思い立ったので、アップしました。
現在のベバストヒーターは STから STCに変わり、 高地スイッチ対応となりましたけど、 スタンダードという非対応のもの有り、その分価格が安く提供されています。
最新型のEVO40と50だったかな?は 気圧センサーが本体内部に設けられていて、スイッチ不要で自動的に高地対応しますが、AT2000STCは まだ手動切り替え
高地スイッチ対応品かどうか?の見分け方は至極簡単でして、 レオスタットをつなげるコネクターのところから、白い配線がループ状に伸びているのかどうか?で判断できます。
スイッチの取り付けは、このループ状の配線を切って、間にスイッチを取り付ければよいだけの話でして、難しくもなんともない。
別に技術もへったくれも無い、たった1行で説明が完了する程度の作業なんですね。

一応、 ヨーロッパに問い合わせて、 RV仕様のヒーターに関する 高地スイッチ関連のPDFファイルを送ってもらったので、それを下に紹介します。
まず表紙

表紙の次は、 新型STCの特徴が書かれています。
・吸気サイレンサーが付属
・ディジタル式のインターフェイス(マルチコントローラ2種類)が採用されて、
取り付けが至極簡単
・新型燃料ポンプ DP42
・完全休止機能(リモート温度センサーを使う場合)
・高地スイッチ対応(別売り)
・ヒーター動作表示機能(もし必要なら)
・マルチコントロラーによる換気機能コントロール

その次は 3種類のコントローラーと、テレスタート関連。
テレスタートに対応しているコントロラーですが、日本では残念なことにこうしたスマホ機器からのコントロールに対しては消極的で、使用が出来ません。
どなたか使える方法をご存じでしたら教えて頂きたいと思います。
最新のディジタルコントローラーですが、これは7DAYタイマーを機能等を省いた倹価版スマートコントローラーと、フル機能のマルチコントローラーがあります。
もし2000STでこのディジタルコントローラーを使いたい場合、ベバストから ユニボックスという製品が出ていて、それ使えば新型コントロラーSTでも使用できます。
問い合わせいただければ 僕が向こうに注文して検品後にご自宅まで送付します。
価格は、現地からの送料と品代(ユニボックス+配線ハーネス)で確か1万5千円くらい + 日本国内の定形外郵便もしくは宅配便代。
です。

で、下が肝心の配線図となります。
冒頭に書いた接続方法は(写真も)、図の中の二重線になっている部分でして、高地スイッチの写真の右隣がそうです。
ループ配線はスイッチを取り付けやすいように長く出されているので、そのループの先端を切って、 A(高地スイッチ)を取り付ける事になります。
ちなみに二つある抵抗は ハーネスをまとめるテープで隠されており、外からは全く見えなくなっている。
そして、スイッチ付ける部分の配線だけが外に引き出されている。
スイッチを取りつけない状態では、 抵抗が0Ω (バイパスされていること)になり、 回路的にR3の抵抗値だけが生きている感じ。
R3の抵抗値は、以前の旧式EVO2000(日本だけのモデル)から100Ω、もう一つ直上に書いたバイパスされる抵抗値は900Ωと判断できるのですが、
ヨーロッパは基本的にコンパチブルを大切にするので、ほぼこの抵抗値で間違い無いと思います。
Bは赤い配線の通りに、 12VのLED(電球は駄目)をここに取り付ければ、運転中に点灯します。

外のページは参考事項なので、サムネイルにします。
テレスタート機能はTC4というボックスを使いますが、日本では対応しないので、
これもサムネイルです

この高地スイッチですけど、正直言ってスイッチならなんでもよく、ホームセンターに売っている1000円程度のロッカースイッチとかでも、何ら問題は有りません。
ON(接続)とOFF(カット)さえできれば良いだけですから。
ヨーロッパには、サードパーティー製で 高地スイッチ・オンの時にLEDが点灯して表示出来るスイッチも売られていて、高地運転状態であるのが解りやすくて便利です。
難しいのは、日本でオンオフ連動でLEDが点灯するスイッチを下手に使うと、構造的に抵抗値が変な風に変化して、 高地機能がまともに働かない可能性も消し去れないので、正規に対応品と歌っているもの以外は、注意が必要です。
ちなみに、ヨーロッパでAirTop2000シリーズの高地仕様がマイナーな理由は
本来2kw出力されるパワーを、1.6kwにまで落とされての運転となること。
新型のEVO40 や 55は こうしたスイッチが無く、気圧を自動感知して、オートで切り替える様になっています。
4kもパワーがあれば頼もしいですけど、 なんせ価格が・・・・・ ね

以上高地スイッチでした。
追記
参考までに、高地スイッチキットの写真です。
ST(ヨーロッパで販売されていた、一部高地対応品(日本のEVO2000))向けの為か?はよく分りませんが 配線色が 白と 白赤になっています。
このスイッチは STとSTCの共通部品番号ですから、どちらでも問題なく使えます。 STは添付の配線図通り、STCも
3端子の一番上は使わず、 下の二つの端子間に カットした配線を接続すればOKという事です。
