僕のブログによく出てくるフォイルという言葉ですが、 ウインドサーフィン・フォイルです。
昨今は、ウィング・フォイルとか、カイト・フォイル、サーフ・フォイル等々の似たような感じの名前が沢山あるのでややこしい。
自分はウインドサーフィンなので、 その範囲の事を書いてみたいと思いますけど、 まずこのフォイルに関して一番思う事は、とにかく価格が高い。
初心者向けの15万前後する基本セットから始まって、プロのレースで使える物になると50万オーバーは普通
自分が使っているフランス製の AFS R105 というレーシングタイプは、購入当時は新品売値が約40万。
当然、買えるはず等ありませんから、アメリカから中古品を半額で輸入しました。
昔は、フィンでも良い物になると10万とかしていましたので、それより遙かに長くて翼も有り、
フライトすることから生じる加重に材質的にも強度的にも耐える、いわゆるはるかに高度な技術が要求されるものですから、高価なのは仕方ないけど、
それにしてもな~。
自分の使っているAFS R105は高速レース用で、低速では浮力をほとんど生まないから、緩い風の時にフワフワという事には決してならない。
よくフォイルの紹介記事で、 セイルは6点台くらいで、 風の弱いときはフォイルでフワフワ浮いて走り、風が吹きあがってきたらフィンに切り替えてスラローム。
一つで2倍楽しめる的に、いかにも”これさえ有ればセイルを張り替えずに”どんな風域(しかも3mからとか大嘘)とかでも楽しめます”、なんて感じで都合良く紹介されているけれど、現実的にそんなうまい話はない。
僕が”12.0+フォイル”でプレーニングかかっている状況で、そうしたサイズのセット出ている方達は、全くと言ってよいほど走っていない。
書かれているほど都合良く出来て等いない訳だ。
12.0がオーバー気味になり始めたころに、比較的大きなセイル9.0とかを載せたのが飛び始める感じで、しかも突っ立って乗っている。
これが悪いとは思わないが、僕自身はこの乗り方が大嫌いだ。
フォイルの特性上、風が弱くなるほど全体のウエイトをボードの一点に載せる必要があり、どうしても突っ立ちして、前ストラップだけに足を突っ込み、後はボードのできる限り真ん中へ重心を集中させるために、 セイルは立てて、ハーネスも短く、 なんてなるけど、 それって楽しいん?
確かにボードは離水して走るけど、くそ熱い真夏の太陽にじりじり照らされているだけで、 ボードが海面をたたく際にはじけ飛ぶ、”気持ちいいスプレー”をあたかも避ける為に乗っているようにしか思えてならない。
*あくまでそう思えるだけで、 悪気はありませんので注意
また書くが、ボードとセイルはそのままで、 風速に応じてフォイルとフィンを切り替えて行ける! とかは確かにいい響きに聞こえるけど、 実に調子のいい話で、 ウイングのでかいフォイルであるからこそ微風で飛べるという事でしかなくて、
少しでも風が上がってくると浮力オーバーとなり、ウイングを小さなものに取り換えるか、あえて危険を承知でそのまま乗るか、 素直にフィンへ交換するしかない。
でないと、まともに乗る事すら不可能。
ネットのショップ等の紹介記事を見て、そのままそれを信じ込んでいると「おかし~な~」なんて思ってしまうから、気が付いた時には何枚ものウイングを買わされるハメになる。
フォイルはワンセットで全風域をこなせるものじゃなく、必要に応じてウイングのサイズを変えるもので、それにより3m辺りから 14~15mの風域まで乗れる。
ただし、セイルサイズもどんどん変える必要は生じる。
自分のはフロントが800と 760で、 正直言って風速10mが多分ジャスト、頑張って12mくらいまでが安全に乗れる限界。
セイルを4点台にすれば多分15mくらいまで行けると思うけど、適したボードとセイルをまずは持っていない。
650とかなら多分、15mオーバーのドン吹きも大丈夫だと思うんだけど、AFSでそのサイズのウイングをそもそも造ってないのだからどうにもならない。
後は、湯水のごとくお金使い果たして、他のメーカーのセット一式全部を買いそろえるか、買い替えるか
もしくは最低限のウイングだけで、後はセイルのサイズと技量でどこまでのれるかに挑むか?だけど、
お金のない僕は後者を当然に選択。 レースやるわけじゃないので、乗るのも、お金の使い道もファンライドの範囲を超えることはまず無いわけで、
故に微風でも高速用のウイングを使い、 パワーの出るデカいセイルを使っているわけです。
スプレー浴びるのが大好きな僕ですから、12.0で無理に飛ぼうという気がさらさら無いし、高く飛ぶメリットも感じないので、
水面ギリギリから僅かだけフライトする、プレーニング補助器具?という感じ。
とにかく水の抵抗が少なくなるので、 あっという間にプレーニングするし(笑)
ちなみに、ブーム長2.8mのデカいセイルをぶん回すと、 自分中心に錘を回転させているのと全く同じなため、
ホイルジャイブのホの字も存在しない(爆笑)、というか出来る要素0%。
ちなみにスターボードなどのレース用になるとフロントもリアも、マストもフューサレージも半端ない数で、しかもウイングの角度を変えられるシムセットやらなにやらオンパレード。
だからこそ、プロは微風からドン吹きまでフライト出来るのは”至極当然”の事で、まあ、腕の差は僕みたいな”ど下手”とは全く違う、プロ故の凄さという決定的な物がそこのは有るのだけど、
なんだろうな~ 湯水のごとくお金を注ぎ込んで生まれる差に関しては、違和感が有りすぎてどうにも馴染めない。
多分、フルで備えたら100万近いんじゃ無いの?
おかしいでしょ? そんなのって? 僕だけ?そう思うのは?
オリンピック様のIQフォイルというのも有るけど、 それでも半端ない価格で、基本セットで40万オーバー。
なんか、どっか間違えてるんじゃないかな~?
ウインドサーフィンの世界って、流れが有る方向に傾くと、とたんに全体がそっちにねじ曲がっていく傾向が有って。
何か一つ流行ると、”それやらないと、あたかもウィンドフォサーファーに有らず!!”みたいな感じで、昨今のフォイルもそう。
全員が全員、フォイル付けて”飛ばねばならない”みたいな? またどのショップもネットも、雑誌の紹介も、こんだけ微風から強風まで楽しめましたとか、 ひたすらフォイルの楽しさを喧伝しているけど、 果たしてそうであろうか?
単に儲けたい(売りたい)だけなんだよね、きっと。
”ひねくれ切っている”僕の感覚では、 なにも右から左までフォイルで無くても良いはずで、 以前のフォーミュラーボードに11~12の大きなセイル+フィンのセットが今でも有っても良いはずだし、
すっかり廃れた感のあるフリースタイルなんかも進化していいはずだし・・・
そもそもが、 ウインドってのはフルハイクアウトして全身にスプレーを浴び、水の上を滑走する感覚がウインドなんじゃ無いかな!?と思うのだが、間違ってるであろうか?
すなわち、ボードの裏を叩く水の音や、ウネリや各種の波を乗りこなす楽しさ、海面を切るジャイブに 風と速度に載ってジャンプしたりと、 接水しているからこそ得られる多くの楽しさが、=ウインドサーフィンの楽しさだったはずでは無いのか?
なんて甚だ思ってしまうわけです。
フォイルは、そこに違う方向の楽しさを”単にプラス”するだけの物で、 メーカー全体が半強制的に全体をそっちにもっていくのもどうかと思う。
ウインドはレースが全体を牽引しているようなところが有って、 レースがある方向に流れると、無関係なセイラーまでの全員が、”強制的”にその方向に廻り右させられている感じが否めない。
スキーやスノーボードに比べて人口が少ないというのもあるけど、 もっと大きくて広い範囲で沢山の人が楽しめるウインドサーフィンを目指した方が良いんじゃ無いかと思う。
フォイルでなければウインドサーフィンじゃ無いみたいな、なんつ~か バカっぽいと言うか、勝手な思い上がりというか。
これじゃ~それでさえ少ない競技人口が、さらに減っていくし、 初心者にとってウインドはさらにハードルの高い物でしか無くなるし、結果としてやたらめたらと出てくる高価なフォイルとその為の偉い数のフォイルボードを買わされて、
ふと気がついたら、馬鹿馬鹿しいほどお金を使わされて、 でもって本来有ったはずの楽しさが失われて・・・
なんつ~か、ひねくれ者故に、僕だけがそう思うのかな?なんて考えてしまうわけです。
翔