バイクで快適に通勤できるこの季節、 今日も気持ちいいぜ!(^^)V と走っていて、 ところが最近エンジンの安定感が失われ、 信号でストンとエンジンが止まる時がある。
症状からして キャブレターだろうな~・・・・・と思いながら走っていたら、 やはり信号で不安定になった。
で、アイドルアジャスターを回してアイドリング回転を上げようとしたら、変化しないので、あれれ・・・とさらに回したら とれた・・・・・ (T T) おおおおおおおお
仕方が無いのでそのまま通勤、 訳を話して急遽午前中だけ時間給をもらって・・・・・というのは、 キャブ全体が汚いし、 たった一本のアイドルアジャスターを取り付けるのにバイク丸裸状態にするので、 「ええいっ!」と ついでに??(^^;)キャブレターの O/Hもやることにしました。
キャブのO/Hは やると確実に結果が出ます やれば間違いなくエンジンの調子が良くなること以外はないということですね。
ただし、 知識無く下手にバラせば、逆に”間違いなく調子が悪くなる”のも、この手の作業。 (--;)
昨今はフューエルインジェクション、による電子制御がメインで、 このバイクみたいに複雑なキャブをもつエンジンは車もバイクも無くなってしまいました。 デロルト、ソレックス なつかし~な~ (^~^)
インジェクションの良さは パーフェクトなメータリング制御だけど、 職人的気質が強烈に個性的なキャブレターが今でも嫌いになれない僕。 エンジンも空冷が好きだし(^^)えへへ
でもって、 O/Hですが、 詳しく方法を書きたいのは山々なんですが、 凄い分量の説明が必要なのと、感と経験が物をいう作業故に、正直お勧めは出来ませんから、今回はざっと紹介します。
もっともある程度の整備士知識ある人は たぶんこの記事見なくても出来ると思いますので、 こんなんだ~!? という参考程度ということで。 よろしく。
さて、丸裸の ZZR 外装を強引に剥いで 「いゃ~~~ん!」 とばかりにこの状態。
たった一本のアイドルアジャスター が抜けたのを直すだけの事で、この状態までする必要があるんです (汗)
アイドルアジャスターはこんな部品で。 青色のノブを回すと ピンク色のネジ部分がスロットルのステーを出たり入ったりして、 キャブレターを強制的に開けたり閉めたりするようになっているんです。
黄色丸の部分にネジ部分が入るわけで、 黄色矢印ラインの様にケーブが取り回され、調整しやすい車体サイドに出ている。 何でこんなの付いているのか?というと 気温やエンジンの温度など外的要因に
アイドリングが左右されるからです。
今回は、キャブもO/Hをするので、 取り付けは後でやるとして、 まずは外装と燃料タンクを外してエアクリーナーボックスの取り外し。
記事はエアクリーナーボックスの取り外しから書きます。 フロントカウルから来ているラムエア導通ダクトと、エアフィルターをまず取り外します。
ピンク色の部分にある ゴムの封印を外して 8mmのソケットにロングのエクステンションをとりつけて、内部のネジを緩めます。
ネジは上の四つから外した方が良くて、 オチョコにボルトを通した構造のネジを、前側の開いたところからボックス内部にいれた手の指でサポートしながら取る感じ。
下の穴は適度に緩めるだけでOK 赤矢印の処にも外に1カ所ネジがあるのでそれも取るとボックス全体が外れます。
ボックスが外れた状態はこんな感じ。
キャブの口を見ると「ゲゲッ!」砂が入り込んでいぞい・・・・ (--”)うぬぬぬぬ
たぶん前オーナーが一度取り外したのだと思いますが、ボックスの取り付けがいい加減だったのだと思います。
スロットトルワイヤー(赤矢印)のアジャスター(3カ所)ありますを緩め、 取り付けステイのネジを(横向きです)バイスグリップで緩めて
ステーごとケーブルを外します。 次にチョークワイヤー(水色←)のガイドステーも外して、ワイヤーを外します。
ステーはなくさないようにしますが、 この取り外しが結構面倒です。
キャブ内部へラムエアの圧を導入するホース(黄色←)のクランプを緩めて抜く。
白矢印のホースをクランプ緩めて抜きますが、 これが燃料配管。 ちなみに黄色丸は燃料ポンプです。
見て分ると思いますが、 エンジンのインテーク口にある、4つのクランプを緩めればキャブレター全体が外れます。
こんな感じ。
でかいバケツにガソリンを入れると 後はブラシで外側全体を綺麗に洗浄。 次に
フロート部をばらして行きます。
それ終わると、 一度ガソリンを入れ替えて(新しくて綺麗なのにして)、今度は各ジェット類をばらす。
ちなみにこれがメインジェット 二つが組になり一つになる。
これがパイロット(スロー)ジェット類。
パイロットジェットは ガイドホールに シールラバー ワッシャー スプリング、 ニードルという順番で入ってます。
このパイロットジェットを取り外すときに あれれ?と 気がついた、基本のセッティングはたいてい 1-1/2回転前後なのですが、
なんと2回転から4回転と各キャブレターがバラバラで、 これって明らかに素人技 (ーー;) 前のオーナーがやったんか????
*セカンダリージェットは 写真取り忘れ(笑) 上の写真のど真ん中のやつと同じ形をしています。
下の写真(クリックすると大きくなります)セカンダリー(ミドル)ジェットは 赤矢印のところ、 黄色矢印はメインジェットが取りつく場所。
ピンク矢印は パイロットジェットの入る穴。
水色矢印がスロットルケーブル受け。
青矢印は各キャブレターのバタフライジョイナーでこれは調整に負圧計がいるので、普通はいじりません。 今回は全体を丸ごと洗って微細な調整を必要とするこの部分はパスします。
実は無くても調整する方法が有るのですが、この辺が昔ながらの整備士の流れをくんでいる世代の僕ですけど、これこれ無くて出来ないとすぐにあきらめるのでは無くて、必ず何とかするんです。
でも面倒なのでやらない(爆笑!) 、 ヒントとしては ビニールチューブです(^0^) だはははは!
茶色の処から入った燃料は 緑色の部分から出て、 フロートバルブにより適量の液面レベルが維持される様になってます。
各ジェット類はすべて外し、 つまりが無いかを確かめますが もし 詰まっていれば清掃(これも技術が要ります)。 キャブレター本体の各エア及び燃料通路内部を清掃及びエアコンプレッサーにて
清掃及び流れ確保確認。
最後にエアコンプレッサーにて全体を綺麗にして乾燥させます。
組み立てに入りますが、フロート部分はこれ。 オレンジ色のがフロートで、本来は調整が有りますがスペックを知らないので、 指で一つずつ確かめて感覚的に液面を調べます。
結果、全体のバランス特に問題有るほどズレテはいませんでしたので、特に調整はしませんでした、 ちなみに先ほどの写真の緑矢印の穴の部分に金属製のバルブが入ってフロートと連動しています。
分りますかね・・・・
*ちなみに左から2番目のキャブのセカンダリーポートの一部分が欠けているのがおわかりでしょうか? これも 前オーナー もしくはバイク屋の仕業です(怒) もちろん影響有ります。
さて、フロート部を組み上げると、今度はバキュームバルブ部です。
通常、上のカップを取るとダイヤフラム スプリングが見えます。 このダイヤフラムに負圧を働かせることで、エンジンの回転が上がるとダイヤフラムが作用し、バルブ全体を持ち上げることでキャブ内のエアの流入量を大きくします。
理想的な空燃費制御を保ちながら エンジンへの混合気流量を自動的に調整する機構です。
バルブを取り外した写真です。 ピンク矢印がニードルで、黒がエアバルブ。
メインジェットで流量をメータリングされた燃料は、このニードルがメインジェット口を、出たり入ったりして燃料量を調整する。
赤い線が組み上げ、黄色い線はニードルとバルブの行き先です。
緑矢印の内部に全体と連動したチョークバルブ。 水色矢印上は ラムエアの加圧をキャブ内部に加えるもので、高速走行の最高出力近くになりエンジンにブーストがかかると、加圧された(ターボ効果)インダクションエアがキャブ内の圧より遙かに高くなるので そのバランスを取るために 同じインダクション圧を キャブレター内部に導いているんです。
ちなみに下の水色矢印ですが、バルブが入っていて 緑のチョークバルブと連動して動くことで負圧をダイヤフラムに作用させている。
さて、能書きはいいとして。
全体を組み上げると、バルブの動きや バタフライバルブの動き 各リンケージ点検、 最後にパイロットジェットの 設定を1-1/2回転緩めるセッティングにします。
規定は多分1-1/4 ~ 1-3/4 回転くらいだと思います。 微調整は 後にプラグの焼け方などをみて行いますので、今日は標準設定。
さて後はキャブを取り付け、タンクや外装を戻し ケーブル類の調整をすべて終えれば完了。 すっかり綺麗になっています。
ちなみにキャブのO/H後は 最初の起爆まで、かなりエンジンをクランキングをします。
弱っているバッテリーだと 一発で上がるのでその辺は気をつけないといけません。
帰宅の際に感じた走行フィーリングですが、当たり前ながら最高。 (^~^)V ピース アクセル開度が以前の半分で十分に走る。
これまで不安定だったアイドリングもばっちり安定し、 加速もスムーズで、アクセル開けると馬鹿みたいにパワーが沸き上がり恐ろしい・・・・・
まあ、普段の通勤で全開なんぞしたら、即あの世行きですからやりませんが (^0^)ぎゃはははは!