友人から、「車の塗装をしたいので・・・・」 という話が以前から有り、ただ、今年の長雨と台風のせいもあってね、実行が伸びまくりの状態でした。
ここに来て、やっとやっかいな秋雨前線が消えて、乾いた北の風が入ってくれるようになって来た。
なので~!”日曜日に塗装を実行!!”ということで約束。
足付けは前日まで友人が頑張ってやり(以降K氏と呼びます)、 塗装は”今日”丸一日をかけて行うわけですが、
一人でやろうとは意欲が凄くて(さすが~!)、ただ、僕の経験では手伝わないと夕方までに終わらせるのは多分難しいかも・・・・・と。 すこし心配
何故なら、保安部品の取り外しから始まって、そもそもキャンピングカーですから車体がデカいし、補機類が沢山ボディに付いていますから、それらの取り外し等もある。
それらを丹念に外し、 開いた穴をカバーしたり、モールを含めてあらゆるところに完全なマスキングをして行くのは、かなりの労力と時間を消費するんです。
しかし・・・・・・・
車の塗装にチャレンジするなんて、友人はファイターだよな・・・・・と何度も思ってしまうのですけど、K氏に敬服する僕。
マスキング
朝の6時すこし過ぎに現場へ到着。
先に来ていたKさんは、すでにラジエーターグリルやらワイパーやら、ライト類等を取り外し中、早速僕もお手伝いします。
一通り外装部品を外すと、シリコンオフで丹念に脱脂を行い、マスキング作業の開始。
実は、これの良し悪しが、仕上げにとって絶大な影響を与えるので、とにかく丁寧に丁寧に。
”自分の車ならこんなに丁寧にはまずやらないだろう!”という感じですけど、最後に二人掛かりでガラス関係をマスクして下準備が全て完了。
この時点でもうお昼。
約6時間の作業でした~! てへへ
後は塗装工程ですが、その前にランチ-!! お弁当を買ってきてくれていたK氏、気を遣ってくれているんですね、感謝です。
下塗り
食後、少しだけ休んで続きを開始。
使うのはデカいサイズのスプレーガンですけど、塗装は沢山の調整項目が有り、まずは塗料の混合比率とシンナーによる希釈。
更に、”スプレーガン”のエア調整、流量(塗料の)調整、噴射パターン調整選択と、たくさん有ります。
さらに、の更に??? その日の気温や風の流れ(風量)、湿度等が複雑に絡んできて、塗装ブースではない外作業ですから、短時間にそれを全部調整するのは難しいんです。
*普通はカップタイプのノズル径 0.75~1.5mm辺りが塗装に使われますが、僕はもっぱらこれを使います。
とにかくパワー重視人間なので ←
二人でシンナー量を調節し、希釈度を変え、ダンボールに繰り返し吹き付けては、ガンの微調整をする。
もう一つね、コンプレッサーのエア(排出)圧力も、当然?に可変します。
と、ここで事故発生。
なんと~ コンプレッサーのレギュレーターアジャスターが壊れた・・・・・
マジ???ここまで来て・・・・、やばいよ!!それ。
思わず半泣き?になりますが、これだからアメリカブランド(正確には中国製)は油断できない。
た~だ、壊れたからと、すぐに断念したりとかしない、泣き言も言わない。
そんな暇あるなら、出来る限りの工夫をして問題を乗り越える、というのが絶対ポリシーの僕は、試行錯誤。 うむむむ
なんせ、今日の作業は友人のK氏が心待ち&楽しみにしていた事でして、それを簡単な理由でむげには出来ないし、しかも6時間かけて二人で下準備までしたのに、
又次の日に!と中断させる訳には~いかんのです。
しばらく考え、荷締めベルトで割れた調整ノブを巻いて、その締め付けで圧力調整することを思いついたんですけど、これが案外うまくいって(あくまでも応急処置)。
えへへ
めでたく?エア圧を約4kg程度に設定して作業に取りかかれた。
塗装開始
初めは僕、次はK氏、そしてまた僕、みたいな感じで、まず下塗りをしていきます。
色は現行と同じ白、
今車に塗られている塗膜は、僕が見た(K氏も)感じでは多少の劣化は有れども、剥がさねばならないほどは劣化しておらず、一番やばいクラックや割れも有りませんから、そのまま色を被せて塗ります。
ところが、ここでまたトラブル。
なんと・・・・・・雨が降り出した・・・・・・・ まじで~!!
こればかりはどうすることも出来ず、大雨にならないことをひたすら祈りつつ、しばし二人で雨宿り。
運の良いことに? 路面が少し濡れる程度で降り止んでくれた。
一回目の塗装後の、水滴の付いたところを柔らかいタオルで拭き取ると、エアガンで乾かし、毛ボコリを飛ばします。
雨が当たって、ポツポツになったところは、耐水サンドペーパーに水付けて静かに研ぎ出し。
2回目
雨のおかげかな~? 朝方から吹いていた風が完全無風となり、 こりゃ~運が悪いのか良いのかわからないな~と思う僕。
塗装に入る前、ナイロンスポンジ等で塗装面を軽く撫で、 初めに塗った際に飛沫化したゴミ塗料が載っているのをできる限り落とします。
そして2回めの塗装。
基本的に僕はオブザーバーでして、あくまでもメインは友人のK氏。
僕は補助的になので色々と補佐。
例えると、彼の塗っている塗装面をあちこちから観て歩き、もしムラがある部分が有れば彼に教えたりという感じで作業進行。
3回目
2回目が終わると、 15分ほど乾きを待ち、液垂れをした処があれば耐水ペーパーをかけて、凹凸がないように研ぎ落とします。
今回は、下塗装の仕上げでも有りますから、友人のKも慎重に塗装していきます。
これでベース塗装は完了で、この時点で15時位かな。
*ウレタンの2液性塗料は、スプレー塗装などと違って、化学変化で固まるので15分程度待っていると表面がだいぶ硬化してくる。
プロ向けの扱いやすい塗装で、乾くと強度が半端ない物で、言うなれば板金屋さんの使っているのと同じものです。
なので、クリア塗装の前に、塗装面に対して軽いサンディングを施して、 盛り上がりや液だれ、虫が付いた等の事があれば、サンドぺ―パーにて研ぎ上げ、平面にするんですね。
二人で、仕上げの前の、仕上げ?を行い、 いよいよラストのクリア吹きつけ。
トップコートクリア塗装
雨に濡れていた路面もすっかり乾ききり、湿度もほぼ無くなりましたので、クリアーを吹くには絶好のコンディションとなりました。
ウンが良いな~K氏。
硬化剤1 塗料3の割合で計量して混合させると混ぜ上げ、今回は希釈せずにやります。
塗りの間隔を余り開けず、垂れないギリギリで塗り重ねながら、 ほぼ連続で一気に仕上げていく感じになるんですね。
全体的に塗膜を厚く、均一に塗って、塗装面も出来る限り艶が出るようにするのが難しいのですが、多少の斑やゆず肌になってしまっても、しっかりとした厚みがあれば後できちんと仕上げられます。 うんうん
*仕上げは完全に塗装が硬化する数週間後に、まず2000番の耐水ペーパーから始まって3000番で基本的な塗面の凹凸を排除。
次にコンパウンド磨きですけど、バッファーマシンにスポンジ付けて、それから、羊毛、さらに柔らかい物へと変えていき、最後は20000番~出来れば30000番くらいの仕上げにする。
そこまでやると新車並みにキラキラと輝きます。
一気塗りなので、友人と交代による連続作業。
車の周りをぐるぐる回る感じで、交代で塗っていきます。
マスキングの取り外し
塗装が完了したのは16時45分ころ。
少し待って、指で触れた位では指紋が付かない位まで硬化したら、マスキングの取り外し作業を開始。
友人は保安部品の取り付けを、僕はマスキング関係の剥がしと、分担作業。
流石に空は真っ暗になってきて、でも建物のライトが自動で点灯してくれるので、作業そのものは問題なく出来ます。
ちなみにキャンピングカー設備関係の外したものは、後日の研ぎこみとコンパウンドによるバフ仕上げの際にもろ邪魔となるので、今日は取り付けません。
しかし・・・・・
真新しい塗装の色はとにかく綺麗だな~!
細かい事を気にしなければ、そのまま乗っても良いんじゃないか?と思うくらいですけど、 友人は、磨き上げ作業を楽しみながらやるみたいです。
実は、車一台塗るというのは、かなり大変なんですね、 セダンや軽自動車ならチョロいですけど、でっかいキャンピングカーは塗る面積も大きくて平面が多い。
当然、技術的にも難しいわけでして、
本来なら専用ブースを使い、塗装だけで数日間かけて行うものなんです。
保安部品の脱着、足付け、マスキング、塗装、そして最後の研ぎこみとバフ仕上げ。
一人だと、全行程を1週間位かけて・・・・
今回は駆け足の塗装でしたが、予め友人が車体全体をサンディング(足付け)してくれていたので、塗りメインの二人による分担作業だけなので、ほぼ一日で終わらせました
けど、本当に やっちゃったからスゲーぜ! K氏は
*パーツ塗装するK氏
出来上がった車をみて、自分の車もやろうかな~・・・・・とは思うのですけど、
さすがに彼みたいな情熱も意欲も沸かないので、まずはこの先無いだろうなと・・・・・ (笑)
片づけ含めて、すべての作業が完了したのは18時。
お疲れさまでした~!
今日は、美味しいお酒を飲んでくださいね!そう友人に願いつつ帰宅する僕でした。