土曜日の、ウインドの時の事。
ゲレンデでは、キッズ達の全日本ウインドサーフィンレース大会が行われていた。
広い砂浜の中央辺りで行われいていて(僕は出来るかぎり邪魔にならないように右端)。
子供たちの頑張る姿は、懐かしい思い出を沸き立たせてくれる訳でして、「いいな~!」なんて思いながら心の中で応援していた。
で、レースクラスもさすがに多く、ビーチスタートする時もあるので、風向きによってはボードとセイルを持った子供たちが僕の居る辺りまで移動して来ることが多い。
それは、極自然な事なので、もし自分がウインドで出る時は、さらに右の方へ行けばいいだけのこと。
レースやっているど真ん中にでかいセイルの大人がぶっ飛んで沖に行くわけにはいきませんから。
天気もいいし、でも風は吹かないな~と思うんだけど、 キッズたちには程よいくらいの風という見方もある。
右斜め前から流れてきているので、南の風ということですね。
これがさらに横に触れると南西の風になって爆風になる。
しばらくしたら、右の奥から女の子二人がSUP(スタンドアップ・パドルボード)で出てきた。
見るからに初心者なのが判り、 ボードの上に立ったと思ったら落ちたり、 座ってパドリングしたりなんかしている。
ぎゃははは!
質のよいライフジャケットに、パドルとボードがきちんとした物なので、ショップから借りたものだとすぐに判る。
浜で簡単なレクチャーを受け、注意事項を聞かされ、 「あまり遠くに行かない範囲で楽しむように!」なんて言われて出てきたんでしょうね~、きっと。
レクチャーを受けたであろう事は、ライフジャケットの着方を見ればすぐにわかるんです。
きゃ~きゃ~楽しそうでして、 まあ、雨ばかりの夏だし、「楽しむときは、目一杯楽しくね~!」なんて思いつつ、 同時に目を離さない僕でも、あったりする。
いやね、嫌らしい意味ではなく、海では強い者、上手な者、良く解っている者は、こうした初心者含めた弱者に、事故が起こらない様、比較的目をかけるものなんです。
学校の部活よろしく玉遊びなら、初心者が死ぬ事はほとんど考えられないわけですが、海では初心者、怖さを知らない者ほど簡単に命を落とす。
故にライフジャケットは必衰で これを着て浜から2~30メーター辺りで、しかもボード遊びで事故を起こすなんてのは、ほぼ皆無。
小学生以下のガキんちょならいざ知らず、成人している大人なら、普通に道を歩いているのと同じくらい安全なわけです。
更に、友達二人で付かず離れずなら、事故起こす可能性すらないけど(笑)
その二人のさらに右奥には、家族連れが海水浴・・・・・・ この場所が遊泳禁止だと知っているのか、知らないのか、立て看板があるのにですね。 ウニョニョ
でも、せっかく楽しんでいる家族連れに、「ここは遊泳禁止!」+”云々”言うのは野暮で、台風かなんかで波打ち際が荒れていれば言わねばならないのかもしれませんが、
風無し、波無しなら、単なる余計なお世話以外の何物でも無い。
後はクラゲ君とご対面しないようにと祈るだけ。
で、風が吹き上がらずにウインドに乗れず、ひたすら暇している翔は折りたたみ椅子に座って沖を見たり、 空を見たり、 キッズレースにSUPの二人組、家族連れまで目を配りながらの日向ぼっこ???
炎天下の人体焼き肉だべ!? 爆笑
SUPの二人組だけど、初めはひっくり返るだけだったのが、少しずつ慣れてきたらしくて当然行動範囲も広がり、
でも、時々ひっくり返っては楽しそうに笑っている。
午後になり、少しだけ風が上がってきて、右の方に居たはずの二人が時々目の前まで流されて来るようになって、その都度浜に戻って来てはボード押し歩きしながら右に戻る事の繰り返し。 うんうん!
そのころかな、キッズレースの方は、お昼休みを終えて再開となった。
午後のレース展開の説明を受けて集合している姿を見て、再び僕が沖に視線を戻すと、なにやらSUP二人の様子が変???
「なんかあったな!」 と直感的に解るわけで、そのまま目を離さずみていたら、
一人の子がパドリングしつつ、もう一人の子がその子のボードにつかまる感じで浜に戻ってきた。
浜から腰上げた僕ですけど、すぐに近くによって「何かあった?」と 聞くと、一人のパドルが見えなくなってしまったらしい。
SUPのパドルは流れても、手でつかむ部分の15㎝位を海面から出して浮かぶように設計されており、普通は完全水没することはあり得ない。
かといって、そのままにしておくと潮の流れはあるので、どんどん遠くに行ってしまう。
そこで、「僕も探すの手伝うから!」といってウインドのボードでハンドパドリング。
見失ったと二人が言う辺りまで行くと、ボードの上に立ち上がり、周辺をくまなく見渡してみたけど、見つからない。
しばらく探して、時間的に流される距離とかを考えても、沈んだとしか思えず、とりあえず浜に戻った。
その時の事だ、 突然ババアが登場。 ????
なんか波打ち際で言っているんだけど、よく聞こえないので、ボードを上げて近くに行く僕。
パドルでも見つけてくれたんか? まさか? なんて思っていた。
以下その後に交わされた会話。
ババア : 「あのね! お願いなんだけど、今ここで子供たちの全日本レースをやっているのよね」
自分 :「ハイ、知っています。」
年齢と風体から、おそらく、いや孫かなんかがレースに出ているだろうことが、すぐに判る。
ババア : あの二人の娘をずっとみていたけど、危ないわよね~本当に!
と、そう言っていても、孫がレースしているのに「邪魔なのよ!」的オーラを放っていて、
それ言えないから、危ないとかなんとか危険が生じるとかいう言い分け的な言い方で、ごによごにょ
自分 : 「はあ・・・・」
しばらく、どう返答したらいいかと悩む僕。
つづけて
時分: それがどうかしたんですか~???
どう考えても、邪魔だ的言い方だし・・・・・・
でもね、レースをやっているから偉いわけではなく、公共物である海面を、自分たちだけが最優先して使える理由というのも、無い。
それ専用に設けられた運動グランドじゃ~無いし、私有地でも無い場所だから、
こうした海でレースをやるという事は、 こう考えると分かりやすい。
誰の持ち物でも無い、完全公共地である広場に、突然野球をする集団が現れて、勝手に試合を始め、
でも、誰の物でも無い場所だから、バトミントンやろうとして来る人も居るし、自転車で敷地を通ろうとする人もいる。
更には芝生部分でバーベキューやピクニックを始める人達も中には居るだろう。
当たり前の事だ、誰のものでもない、全ての人達の場所だから。
ところが、野球の試合が始まった途端、その関係者が突然現れて、お願いですから配慮を!(邪魔んだよ!)と言い始めて、その言葉を向けられて楽しい人間など居るはずも無い。
同じように、海面でレースをしていれば、その近くでこうしたSUPや、他のウインドサーファー、家族連れやら、よちよちの浮き輪っ子も、同じ海面に居たりする。
ババア : 「あなた何していたの?」
自分 : 「あの二人なんですけど、遊んでいるうちにパドルを流されて、失くしてしまったみたいなんです。」
「なので一緒に探していました」
ババア : 「さっきからずっと見ていたけど、あんなんじゃ~スクールに入らないとダメよ!」
レースやっているところまで流れてきて迷惑千万なので、少しは考えてもらわないと! とババアは言いたいらしい。
自分 : 「でもね、初心者はそんなもんですよ。」
ババア : 「何言ってんの? あなたどこの店のひと?」
自分 : 「この子たちがボードを借りた店は********らしいですけど・・・・、」
ババア :「あらそう! きちっと言いに行かなきやならないわね!」
はあ????何言ってんだこのババア???? でもって、正直言って、少しだけ切れ始めた翔
というのは、お願い!という物言いでありながら、そのババアは初めからサングラスを外さないでこちらに話しているという、ていたらく。
全く面識の無い人間に自分から話しかけておいて、しかもお願いだか何だかは知らんが、赤の他人に何かを要求するのなら、
サングラスを一度でも外すのは人として当たり前じゃ~ないのか?
自分 : 「悪いけど、 僕はどの店の所属でも、固定客でもないし、クラブに入っているわけでもなく、あくまで一人のセイラーとして今日はこの浜にいるだけですけど。」
「なので、どの店にせよ、なにがしか文句を言いに行く様なことはよしてもらえませんか?」
ババア : 「でもね あの子たち見て危ないと思わない?」
自分 : 「初心者ですから当然です。」
ババア : 「何かあったら誰が責任取るの!?」
????????????意味不明の事言い始めたぞい
自分 : 「自分でレンタルして、自分で海に出て、 何かあればそれは自分のせいなんじゃいですか?」
ババア : 「だから~! 何か有ったら、責任とれるの? やっぱりスクールで習わないと」
自分 : 「スクールで習う習わないは、 あくまで本人が決める事、 僕がなにがしか言えるわけでもないし、ただね、何かあればすぐに助られるようにと、目を離さず見ているようにはしていますけど。」
ババア : 「だれが責任取るの?って、私は聞いているの?」
この時点でほぼ切れた翔。
「でた!」 なにかあると、何でもかんでも誰の責任だと言い出すバカ女の典型例。
こういった類いは、自分に非があればひたすら良い訳し、何か自分に降りかかれば、「誰々が悪い!」「これこれのせい!」と人のせいにする典型的なタイプ。
勉強が出来なければ学校の先生や塾の先生のせい、 公園で遊んでいて怪我すれば役所のせい、遊具が悪いだ、管理が悪いだ、どうのこうのと・・・
友達が出来なければ、周りの子達が悪いといい、イジメられれば、イジメた子だけが悪いとのたまわる。
そして今、自分の孫(多分)がウインドのレースやっているから、それがとても偉くておりこうさんなのに、SUP初心者は邪魔だから、向こうに行けという本音を、
初心者はスクールに行かないと危ない!という方向へすり替えている。
海は上にも書いたように、すべての人の物なのにだ。
そんなんでイライラし始めた僕
自分 : なんかね、レースの邪魔だと本当は言いたいらしいですけど、最優先されるべきは、レースと無関係の人で、そしてそれが弱者であるほど保護されるのが海の者たちのルールなんです。
実は、レース会場に、例えばウインド初心者の人が入ってしまったら、レースをやっている物達は、レースをやっているのが子供であれ、大人であれ、
レースできる腕を持っている物が強者になる。
故に、 コースの目の前に流れてくれば、それを避けねばならないし、邪魔だと思うことすら許されず、ましてや言うことも出来ない。
誰の支配下でもない、公共地で勝手にレースを運営している側の理屈に、それ以外の人達が強制されたり付き合わされたりする必要などまったくないし、
無関係なわけだ。
レースをさせてもらっている以上は、運営者及び関係者は感謝の心を持ち、 なおかつ皆で事故がないように気を配り、 弱者に対しては守る心構えがを忘れてはならない。
続けて
自分 : 「あのね! 誰だって初心者の時は有るんです。」
「まず体験的にSUPに乗ってみて、それでスクールに行って上手になりたいと思うなら自分で生きますよ、
ガキじゃ~ないですからあの二人は(実際に、SUPの二人は20台の半ばくらい)。
人に言われることじゃないです。」
ババア :「そうじゃなくて~! もし何かあったらどうするの?言っているの。」
自分 : 「だから、僕みたいな人間やほかのウインドサーファーの人たちも、浜で過ごしている子供や女性、いわゆる弱者に事故が無いようにみているんです。」
「というか?あんた何? なにしているのここで?」
完全ぶち切れ状態の翔!
ババア : 「レースの関係者です!!」
自分 : 「はあ~~~~! あんた運営サイドの人間なの?」
ババア : ・・・・・・・
黙っているぞい????
自分: 「あのね 責任!責任! というけど、自分のやったことに対する責任は自分でとるもんで、他人がとやかく言うものじゃ~ないでしょ? 違う?。」
あのSUPの二人はいわゆる弱者、 もしレースの邪魔とお考えなら、それをレース運営者が言ってるの? 誰?
「その主催者に直接話をつけるから、一緒に行って話しましょう!」
と怒鳴ってしまった。
いい大人である僕がこんな言葉吐くとは、正直正直恥ずかしい・・・
ババア : ・・・・・・・・・・・・・ (無言 と言うかクチビル震えているし)
これ以上言い合いするのは愚の骨頂と判断。
なので
自分 : 「一緒にパドル探してくれるというのならともかく、意味不明の上から目線で小言いうなら聞きたくないんで、向こうにいけ! 」
それで、終了でした。
その後ですけど、
SUPのパドルは一本新品で2万はするので、さっきまで、あれほど楽しそうだった二人の顔がすっかり暗くなって。
それを見た僕も、このままだと海嫌いになったりしてしまうかも・・・・と思ったぼく。
ボードを浜に上げさせると、レンタルした店に一緒に行ってあげて、 見ていた状況の一部始終をくまなく店長に説明。
意図的ではありませんから、店も二人に悪くすることは無いと思いますが、あとは店長さんの判断を仰ぐしかない。
再び浜にもどった僕。
少ししてから新しいパドルを持って現れた二人組。
大丈夫だった?と声をかけたら、 「取りあえず出来る限り探して下さい」と言われたそうだ。
そのあと、 二人で朝と同じように行ったり来たり。
そのうちボードを返却して、 二人で海水浴?なんかしていた。
明るい顔をしていたので、どうやら弁償というのはなかったと思うけど、
パドルが沈むなんて言うのは、運が悪いというか・・・・
まあ、これに懲りずに、 また海遊びしてくれればいいなと思っています。