「首相官邸」(2019年4月13日)から
日本共産党議員田村智子が2019年11月8日の参議院予算委員会で安倍晋三の「桜を見る会」の招待客に関わる不明朗(隠し事や誤魔化しがあり、はっきりとしないこと。また、そのさま「goo国語辞書」)な選別の様子を追及した。
先ず田村智子が質疑でパネルにして用いた「『桜を見る会』開催要領」を「内閣府」のページから画像にして取り出し、左に掲げておく。その中にどのような地位・職業の人物を招待客とするのかを規定した「招待範囲」が記されている。
「皇族、元皇族」、「各国大公使等」、「国務大臣」、「国会議員」等々の順位付けの最下位に「その他各界の代表者等」が鎮座していて、田村智子が最も問題視したのはこの「その他各界の代表者等」がどのような理由で白羽の矢を立てられ、安倍晋三の「桜を見る会」に招待されるに至ったか、その経緯であった。質疑の中から、この箇所に関連する質問と質問に対する答弁を抽出して、その過程で大したこともない解説を加えてみて、最後に質疑全文を土曜日(2019年11月9日)のブログに載せたが、改めて掲載することにする。
問題の質問と答弁に入る前に田村智子が質問冒頭、安倍晋三下の新宿御苑で開催の「桜を見る会」の参加者数と支出額が年々増加している様子を数字で示して、増加の理由を尋ねたのに対して答弁に立った政府参考人内閣府大臣官房長大塚幸寛がその理由を述べている件(くだり)を最初に取り上げてみる。
2014年参加者1万3700人、支出額3千5万円(予算の1.7倍)
2019年参加者1万8200人、支出額5千520万円(予算の3倍超)
2020年度概算要求額 5千730万円
田村智子は2020年度要求額が5千730万円にもなったのは2019年の支出額が予算の3倍を超え、国会で追及を受けたことを避ける意味からの前以っての増額ではないかといった質問をぶっつけている。
大塚幸寛「あの、お答えを致します。先ず要求額でございますが、この『桜を見る会』の概算要求に当たりましては、例えばテロ対策の強化や混雑緩和のための措置など、近年に講じた改善点を反映させるなど致しましては、実態に合わせた積算をさせて頂きましたが、その結果として、今ただ今ご紹介がございました来年度要求は、5千728万8千円を要求をさせて頂いてるとこでございます。
それから招待客が増えている理由でございますが、ま、こちらにつきましては『桜を見る会』には例えば外交団、国会議員、都道府県知事、議長初め、各界に於いて功績・功労のあった方々を、これは各省庁等からの意見を踏まえ、幅広く招待をしております。
そしてその上で内閣官房や内閣府に於いて最終的に取り纏めているところでございますが、そうした結果と致しまして、こうした招待者、参加者が増えているということがございます」
大塚幸寛は来年度概算要求額の増加は「近年に講じた改善点を反映」させた「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」を理由として挙げているが、2020年度概算要求額5千730万円は2019年支出額5千520万円(予算の3倍超)に対して210万円の増加となっていて、この210万円が「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」にかかる経費だとすると、「近年に講じた改善点」としている「近年」としている年数幅に矛盾することになる。
つまり2019年の予算に関しても、その中に「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」費用は計上されていたはずであり、このことはテロ対策の強化が「近年」という言葉通りに今に始まったことではないことも証明することになる。2014年にイスラム国に2人の日本人が拘束されて安倍政権は2億ドル(約230億円)の身代金の要求を受け、「日本政府はおろかな同盟国や、邪悪な有志連合と同じように『イスラム国』の力と権威を理解できなかった。我々の軍はお前たちの血に飢えている。安倍総理大臣よ、勝てない戦争に参加した向こう見ずな決断によってこのナイフは後藤健二を殺すだけでなく今後もあなたの国民はどこにいても殺されることになる。日本の悪夢が始まる」と日本人に対するテロの脅しを受けたが、それでも身代金を支払わず、結果的に2人共殺害されたのは「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと戦う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と演説した安倍晋三の2015年1月17日の中東スピーチに端を発した一つの結末であって、それ以来の外国に暮らす日本人に限らない、国内を含めたテロ対策強化となっている。
要するに「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」費用は2019年度の概算要求のときも必要経費の一つとして計上していたはずだから、2019年の支出額が予算の3倍を超える5千520万円となったということの理由とすることはできないし、2020年度の概算要求額増加の主たる理由とすることもできないだけではなく、満足に予算の計算ができなかったという点で概算要求自体が意味を失う。
この意味喪失は招待客数が予定よりオーバーしているところにも現れている。招待客の増加に関しては「各省庁等からの意見を踏まえ、幅広く招待をして」いて、「内閣官房や内閣府に於いて最終的に取り纏めている」、要するに各省庁等が「各界に於いて功績・功労」のあった、招待するにふさわしい人物をピックアップして、その人物を内閣官房と内閣府に提示、両機関がその中から最終的に招待を決定するという手続きを取っていて、その「結果と致しまして、こうした招待者、参加者が増えているということがございます」と説明しているが、この発言だけでは2019年の招待客数を約1万人と予定していながら、実際の招待客が予定の8200人もオーバーの1万8200人、約2倍近くにまでなぜ膨らんだのかの説明を満たしているとは決して言えないし、何のための概算要求だったのかということになる。
100人前後増えてしまったということならどうにか理解できるが、予定を8200人も増えたのである。支出額も予算の3倍を超える5千520万円にもなっている。こうなったたことの明快に納得させることのできる具体的な説明は一切省いている。要するに政府参考人内閣府大臣官房長大塚幸寛は初っ端から誤魔化し答弁で質疑に臨んでいる。
では、田村智子が一番に問題視した「その他各界の代表者等」に関わる質問を順次取り上げてみる。
田村智子「『桜を見る会の開催要領』。これ毎年閣議に配布がされているということなんですけれども、この中の『招待範囲』、今色々言いましたね、確かに皇族とか、各国大使、また議会関係や地方議会関係、行政関係、この辺りはですね、年々増えるってあり得ないんですよ。
内閣府に聞きましたら、推定だが、まあ2千人くらいで、ほぼ固定的だって言うんですね。そうすると、一番下ですね。『その他各界の代表者等』、これが増えたっていうことだと思うんですが、じゃあ、これ内閣府でいいですよ。『等』も含めて、これはどういう方々で、一体どうやって招待する人を決めるんですか」
大塚幸寛「今のその、『開催要領』にあります『その他各界の代表者等』の『等』でございますが、これはまさしく各界に於いて功績のある方々を幅広く招待できるよう、『等』をつけているというものでございまして、何か特定の分野ですとか、カテゴリーを想定しているものではございません。
まさしくこういったことを踏みまして、各省庁から幅広くご推薦を頂き、最終的に私ども内閣府、内閣官房に於いて取り纏めているとこでございます」
要するに「招待範囲」のうちの「その他各界の代表者等」を除いた皇族以下の招待客は「2千人くらいで、ほぼ固定的」で、1万人を守るとしたら、約8千人前後が「その他各界の代表者等」の中から招待を受けるということになるが、安倍晋三のもとでの2019年の招待客が予定の1万人を8200人もオーバーして1万8200人にもなったということは「その他各界の代表者等」の中から例年の約8千人の2倍の1万6千人前後が招待を受けたという計算になる。
安倍晋三の側から言うと、「その他各界の代表者等」の中から例年の約8千人の2倍の1万6千人前後も招待したことになる。招待人数もオーバーし、支出額も予算を大幅にオーバーしているのだから、「その他各界の代表者等」の中からどのような基準に則ってどのような人物を招待客としたのか、政府側は国民に対する説明責任を負うことになる。
だが、その説明責任を負っている側に所属の政府参考人内閣府大臣官房長大塚幸寛は「各界に於いて功績のある方々を幅広く招待できるよう、『等』をつけている」だとか、「各省庁から幅広くご推薦を頂き、最終的に私ども内閣府、内閣官房に於いて取り纏めている」と、招待に関わる手続きを説明するのみで、「功績」の性格や程度といった肝心の点については触れていない。
功績の性格と程度を明らかにすることによって招待の基準が自ずと決まってくる。つまり前者と後者は相対応していなければならない。
功績の性格と程度を明らかにできるなら、進んで明らかにするだろうから、明らかにできない事情を嗅ぎつけないわけにはいかない。田村智子の次の質問が明らかにできない事情を浮かび上がらせる。
田村智子「各省庁から推薦を頂いて、功労・功績が認められる方ってことなんですね。『等』を含めて。あの『開催要領』にはね、計約1万人なんですよ、招待範囲。当然、各府省はこれを念頭に入れて、功労・功績のある方を推薦しているはずで、事実、安倍総理より前は大体1万人前後なんですよ。
なぜ一転、1万8千人になるのかっていうことですよ。『桜を見る会』に参加した皆さんがインターネットでその模様をたくさん発信して頂いているので、見てみました。
『稲田朋美の日々の活動報告』、平成26年4月12日、『桜を見る会』、地元福井の後援会の『地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、大変思い出深い会になりました』。これ当時規制改革担当大臣。
『世耕弘成後援会ニュース』、2016年新年度。『桜を見る会』にて地元女性支援グループの皆さんと、これ写真が載っています。当時官房副長官。
2016年に初入閣された松本潤衆院議員の『国会奮戦記』、なかなか興味深いものがありました。2013年4月20日、内閣総理大臣主催『桜を見る会』、『役職ごとに案内が割り当てられます。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、止む無く我が陣営は不参加』
その後、2015年4月18日、『選挙のウグイス嬢の皆様を始め、後援会の皆様と参加致しました』
もう一人ご紹介します。『萩生田光一の永田町見聞録』、2014年4月18日、総理主催の『桜を見る会』が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様を
(ご夫婦で)お招きしました』
萩生田大臣、当時は自民党総裁特別補佐ですけれども、常任幹事会の皆様というのはどういう方で、どの部署が推薦してくださったんですよね(くださったんですか)」
萩生田光一「『桜を見る会』については各界に於いて功績・功労のある方々を各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待しているものと承知をしており、最終的な取り纏めは内閣官房及び内閣府に於いて行われていると承知しております。実際に参加された方は手続きに則り、招待さた方であると承知をしております」
答弁不服で、中断。
萩生田光一「自分の知り合いの方をのべつまくなしに入れるという仕組みにはなっておりません。その方たちが例えば各種業界団体の東京都単位の役員になってる、そういう方について、(田村智子が自席から何か言ったのか)それ何年のでしょうか。(ふっと一笑いしながら)常任幹事会の中にそういう各種団体の長の方がいらっしゃって、その方達がお招きをされたと承知をしております。まあ、あの、私が主催者じゃないのに何かお招きしたというのはちょっと僭越な言い回しだなと思います」
萩生田光一のこの「私が主催者じゃないのに何かお招きしたというのはちょっと僭越な言い回しだなと思います」は図々しいまでに開き直りが甚だしい。
萩生田光一にしても、「各界に於いて功績・功労のある方々」と言うのみで、「功績・功労」の性格と程度には一言も触れていない。何を以って功績とするのか、何を以って功労とするのか、その基準を不明のままにして、招待客は「各界に於いて功績・功労のある方々」とのみ言い募って、招待の正当性を打ち立てている。
但し実際に招待されている面々を見ると、稲田朋美の地元福井の後援会関係者、世耕弘成の地元女性支援グループの会員、衆院議員松本潤の選挙のウグイス嬢の皆様、萩生田光一の夫婦同伴の常任幹事会メンバーなどの政権及び自民党組織を末端から支える面々が「招待範囲」の一つである「その他各界の代表者等」に入る「功績・功労のある方々」と言うことになる。
安倍晋三も萩生田光一同様に「各界に於いて功績・功労のあった方々」を招待の基準にしているが、「功績・功労」の性格と程度についてはやはり何も触れていない。
田村智子「総理ね、つまり自民党の閣僚や議員のみなさんが後援会支援者の招待客、これ自民党中で割り振ってるということじゃないですか。これ総理じゃなければ、答えられない。総理お答えください。総理ではければ、答えられない。総理じゃなきゃ、答えられないですよ」
安倍晋三「今、説明しますから。『桜を見る会』についてはですね、各界に於いて功績・功労のあった方々をですね、各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については内閣官房及び内閣府に於いて最終的に取り纏めをしているものと承知をしております。
私は主催者としての挨拶や招待者の接遇は行うのでありますが、招待者の取り纏め等には関与していないわけであります。その上で個々の招待者については招待されたかどうかを含めて個人に関する情報であるため、従来から回答を差し控えさせて頂いているものと承知をしておりますが、その詳細についてはですね、詳細については政府参考人に答弁させます」
「功績・功労」の性格と程度について触れていないだけではなく、「個々の招待者については招待されたかどうかを含めて個人に関する情報であるため、従来から回答を差し控えさせて頂いている」との物言いで、「個人に関する情報」であることを理由に誰が招待されたのか明らかにできないとすることを以て「功績・功労」の性格と程度を明らかにすることに代えている。
問題はどこの誰が招待されたかではない。どこの誰であろうと、どのような性格と程度の「功績・功労」によって招待されたのかの基準である。その基準がないと、招待は天井知らずになる。
事実、稲田朋美の地元福井の後援会関係者、世耕弘成の地元女性支援グループの会員、衆院議員松本潤の選挙のウグイス嬢の皆様、萩生田光一の常任幹事会メンバー等々、既に天井知らずの状況を呈している。だから、1万人の予定のところ、約2倍に近い1万8千人に膨らんだのだろう。国民の税金を使って、基準を設けずに天井知らずに招待客を増やす。その結果、予算の3倍も大きくオーバーする。
「各界に於いて功績・功労のあった方々」の「功績・功労」とは天下の総理大臣が「桜を見る会」に招待するのだから、「各界」という地位や職業、あるいは専門分野によって分けた、それぞれの集団、あるいはそれぞれの世界を超えて、広く社会に影響を与える性格と程度の「功績・功労」を基準としなければならないはずである。このことは一般的にも言えることである。
一政治家の一後援会で多くの後援会員を獲得した、あるいは支持者を増やしたといった、狭いエリアに限った性格と程度の「功績・功労」を基準としていたなら、その招待は、既にそうなっているように際限もないことになる。いわば天井知らずの状況に否応もなしに到達することになる。
それとも、一政治家の一後援会で多くの後援会員を獲得した、あるいは支持者を増やしたといったことが広く社会に影響を与える性格と程度を備えた「功績・功労」だとでも考えているのだろうか。
広く社会に影響を与える性格と程度を備えて初めて、その「功績・功労」は社会的・一般的な認知を受ける。そのような認知を受けたとき、その「功績・功労」は招待の資格に入ることになるはずである。一政治家の一後援会で多くの後援会員を獲得した、あるいは支持者を増やしたといったことが果たして社会的・一般的な認知を受けることができる「功績・功労」のうちに入るとでも思っているのだろうか。
田村智子はなおもネットから安倍晋三関連の招待客を探し出して、その人物が招待にふさわしいのかを問い質しているが、どのような性格と程度の「功績・功労」が招待の基準になっているのかについては問い質していない。
田村智子「安倍総理のことでお聞きしますよ。友田たもつ下関市選出の山口県議会議員のブログ、2014年5月1日号、『4月12日、安倍首相が主催する「桜を見る会」に行ってまいりました。今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました。早朝7時30分にホテルを出発し、貸切バスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会。安倍首相には長く政権を続けて貰い、今後もずっと「桜を見る会」に下関の皆さんを招いて頂きたい』とあるんですね。『ホテルから貸切バスで移動する』と。総理ね、そういうご自身も、地元後援会の皆様さんを多数招待されてるんじゃないですか」
安倍晋三「今申し上げましたように『桜を見る会』についてはですね、これは昭和27年以来、内閣総理大臣が各界に於いて功績・功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦を慰労するため、などのため開催しているものと承知をしておりますが、萩生田大臣からも答弁させて頂いたとおりですね、えー、様々な、例えば地元に於いて自治会等々ですね、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから、当然、そういう方々とですね、これはあの後援会に入ってる方々が、これは重複することも、当然、あるわけでございます。
そういう中で招待されてるものと承知をしておりますよ」
安倍晋三が言っているその「労苦」にしても、当然、広く社会に影響を与えて、社会的・一般的な認知を受ける性格と程度を備えていなければならない。個々の限られた集団や世界で完結させている性格や程度の「労苦」を首相主催の「桜を見る会」に招待して「慰労する」など、結論に於いて滑稽な逆説を描くことにしかならない。
下関市選出の山口県議会議員の友田たもつの後援会女性部の7名が招待された。その女性メンバーのいずれかが自治会の役員を兼ねていようと、PTAの役員を兼ねていようと、その「功績・功労」が後援会や自治会やPTAという集団、あるいは世界を超えて広く社会に影響を与える性格と程度を備えていて、社会的・一般的な認知を受けているなら、招待客としての資格を持つが、単に「各界に於いて功績・功労のあった方々をお招きをしている」と言うだけでは、友田たもつとその後援会女性部の7名が招待を受ける資格が実際にあるのかどうかの判断は誰もできない。
大体が誰もが判断できる答弁を心がけるべきところを何ら心がけもせずに判断できない文言で判断させようとしているのだから、やはり招待のいきさつに不明朗な手続きや如何わしい遣り取りを否応もなしに嗅がないわけにはいかない。
田村智子が「友田県議員の後援会の女性部はどういう功労・功績が認められたのか調べてほしい」と求めると、大塚幸寛は「推薦にかかる書類はこれは毎回の『桜の会』の終了を以って使用目的を終えることから、保存期間1年未満の文書として終了後、遅滞なく廃棄する取扱いとなっている」と答弁、田村智子をして「ほんとにね、検証ができない状態なんですよね」と言わさせているが、広く社会に影響を与える性格と程度を備えて、かつ社会的・一般的な認知を受けた「功績・功労」を招待の基準としているのか、そういったことはお構いなしに推薦がありさえすれば、適宜ピックアップして招待する基準としているのか、そういった基準自体は存在するはずである。
でなければ、誰を招待するのかを決めることはできない。但し田村智子が招待を受けた人物のブログやインタビューから描き出している招待の状況から自ずと見えてくる基準はなあなあの馴れ合いで選別している様子のみである。そのような基準は文書に記しておいたのでは問題が生じるから、暗黙の基準(暗黙のルール)としているのだろう。
なあなあの馴れ合いだからこそ、ウグイス嬢とか後援会メンバーと言うだけで招待されることになる。
なあなあの馴れ合いが基準となっていることは田村智子の以下の質問からも窺うことができる。
田村智子「下関市の後援会員の男性は今年の『桜を見る会』についてこう話ししてるんです。『2月頃、下関市の安倍事務所から「桜を見る会」に行きませんかと案内が来た。名前や住所などの必要事項を紙に書いて、安倍事務所に送り返すと、内閣府から「桜を見る会」の招待状が届いた。安倍政権になってから毎年参加している。下関からは毎年数百人が上京する』」
田村智子「もうちょっとブログ見てみたいんですよ。藤井律子山口県周南市長のブログ、2018年5月4日、当時山口の県議なんですけどね。『「桜を見る会」に行ってきました。片山さつき先生と久しぶりの再会を果たしました。今日は山口県からたくさんの人が来て下さっているわねえ。10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよといつものように元気よくお声をかけて頂きました』
こういうのはね、もう、いっぱーいあるんです。インターネットで検索すると。結局ね、私はね、税金を使った公的行事っていう自覚もなく、安倍総理が地元からの招待者をどんどん増やしたんじゃないかと。
さらにはね、地元後援会の恒例行事にしてきたんじゃないかっていうことも指摘したいんです」
「下関からは毎年数百人が上京する」光景と片山さつきが「桜を見る会」で出会った山口県周南市長の藤井律子に皮肉交じりにだろう、話した「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ」の光景は相対応している。それ程にも大勢の山口県人、あるいは下関市の人間が招待されている。このことは安倍晋三が下関市と長門市を構成地域とした山口四区を選挙区としていることと無関係ではないはずである。
長門市の人口が3万2千人ちょっと。下関市が長門市の約8倍の25万7千人前後。当然、下関市が主たる選挙区ということになる。勢い下関の人間が大勢招待を受けたとしても無理はない状況、「桜を見る会」に「下関からは毎年数百人が上京する」状況が生じることになる。あるいは「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ」の状況となる。
逆に「下関からは毎年数百人が上京する」ことと「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ」の状況を遡っていくと、否応もなしに安倍晋三の選挙区山口4区、特に下関市に辿りつくことになるとしたとしても、勘繰りとして排除することはできない。
もしこれを勘繰りで片付けるなら、招待の基準を単に「各界に於いて功績・功労のあった方々」とするのではなく、その「功績・功労」が広く社会に影響を与えうる性格と程度を備えていて、その上、社会的・一般的な認知を受けていなければならないという具体的な姿を取らせなければならない。
後者を明確な招待の基準とした場合、「功績・功労」が広く社会に影響を与える性格と程度を備えているということと社会的・一般的な認知を受けていることという制限を受けることになって、「下関からは毎年数百人が上京する」状況も、「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ」の状況も安倍晋三の「桜を見る会」の現場に出現することはない。既に触れたようになあなあの馴れ合いで決めている招待基準だからこそ、二つの状況が簡単に出現することになる。
田村智子「これね、『開催要領」の逸脱が疑われているんですよ。各界を代表する功労・功績のあった方を府省が取り纏めて、招待するんですよ。これ以外ないんですよ。じゃあ、萩生田さんの後援会の常任幹事、これなんの功労・功績があったと思います?」
大塚幸寛「先程総理からもご説明しましたが、その個々の方についてその功労・功績は何か。その以前にその招待されたかどうかということは、これは個人に関する情報でございまして、お答えを従来から差し控えさせて頂いているところでございます」
招待の基準とする「功労・功績」がどのような性格と程度を備えたものであることが必要であるといったことは「個人に関する情報」を口実にして、決して説明しようとしない。招待の基準は「個人に関する情報」のうちには入らない。
田村智子「もう一つ吉田真次下関市市議会議員。今年の桜を見る会についてブログで発信しています。やはり、『前日12日に飛行機で東京へ。夜は『桜を見る会』の前夜祭。安倍総理夫妻と写真を撮って頂きました』。で、前夜祭の宴会会場の写真・続けて翌日の新宿御苑の写真なんですね。
総理ね、これね、総理しか答えられないんです。『桜を見る会』、安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭とセットで総理が後援会や支援者、山口県の関係者のご苦労を慰労し、親睦を深める、そういう行事になっているんじゃないですか」
安倍晋三「『桜を見る会』については政府委員から答弁しているとおりでございまして、個々の個人名等々についてはお答えを差し控えさせて頂きたいということでございます」
以下、最後の最後まで招待の基準を「各界に於いて功績・功労のあった方々」だとし、誰が招待を受けるかは「個人情報であるため、回答を控えさせて頂いてる」の回答拒否で最後まで押し通しているが、なあなあの馴れ合いを招待の基準としていなければ、後援会メンバーだとかウグイス嬢だとか、安倍政権及び自民党組織を末端から支える面々の多くを招待客の中に紛れ込まることに成功することはないし、こういうことでなければ、予定1万人が1万8200人となることもないだろう。
ただ単に後援会活動に熱心であるといった理由で毎年恒例の新宿御苑で開催される安倍首相主催の「桜を見る会」に招待したなら、招待を受けた側は晴れの舞台に立つことができたことを誉れとし、生涯に於ける望外の勲章とするだろから、虚栄心を擽って、政権や党への忠誠心をより強くすることになる。一人ひとりの心境に対してはそれぞれが小さな影響に見えても、全体という形を取ると、安倍政権と自民党の基盤固めに自ずと作用する。
招待基準の恣意的運用がなければ、「桜を見る会」を使った基盤固めなどはできないだろう。招待基準の恣意的運用を可能とする要件は「桜を見る会」の私物化以外にない。
最初に首相官邸サイトからコピーした今年の「桜を見る会」の写真を載せたが、そのページには、〈安倍総理は、文化・芸能、スポーツなど各界からの招待客を前に、次のように挨拶しました。〉の説明文のあとに、「本日、桜を見る会、開催させていただきましたところ、友党公明党の山口代表を始め御来賓の皆様、そしてお忙しい中こんなにたくさんの皆様、足を運んでいただきました。お陰様で、本年も賑やかに盛大に開催することができました。皆さん本当にありがとうございます」云々の挨拶が続いているが、写真自体は彩り華やかな「文化・芸能、スポーツ」の関係者が安倍晋三を間に挟んで前面に陣取っていて、マスコミも絵になることから同じような写真や映像を流すことになって、国民の目には彼らが主たる招待客に映り、安倍政権及び自民党組織を末端で支えている面々の誇らかな様子はどこからも見えてこない。「下関からは毎年数百人が上京する」状況も、「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ」の状況も窺うことはできない。
要するに少なくとも結果としては安倍晋三の「桜を見る会」への有名芸能人やスポーツ選手の招待は政権と自民党の基盤固めの私物化をカモフラージュする道具立てに利用されている側面を抱えていることになる。
そろそろこのカモフラージュは破られなければならない。
2019年11月8日参議院予算委員会:共産党田村智子「安倍晋三『桜を見る会』私物化問題視質問全文 田村智子「共産党の田村智子です。安倍内閣のモラルハザードが問われていますが、私は総理自身の問題を質問致します。毎年4月、総理大臣主催の『桜を見る会』が新宿御苑で行われていますが、安倍総理のもとで参加者数、支出額が年々増えています。これ2013年以前の資料がないということなのですで、2014年を見ると、参加者1万3700人、支出額3千5万円。予算の1.7倍です。 ここから伸び続けて、今年は参加者1万8200人、支出額5千520万円、予算の3倍は超えました。驚くのは来年度の要求額ですね。先の国会で予算とかけ離れていると批判されたからなのか、今年度の支出額を超えて、5千730万円を要求しているわけなんです。 総理、なぜこんなに参加者と支出額を増やしてきたんですか」 委員長「内閣府大臣官房長大塚幸寛くん」 大塚幸寛「あの、お答えを致します。先ず要求額でございますが、この『桜を見る会』の概算要求に当たりましては、例えばテロ対策の強化や混雑緩和のための措置など、近年に講じた改善点を反映させるなど致しましては、実態に合わせた積算をさせて頂きましたが、その結果として、今ただ今ご紹介ございました来年度要求は、5千728万8千円を要求をさせて頂いてるとこでございます。 それから招待客が増えている理由でございますが、ま、こちらにつきましては『桜を見る会』には例えば外交団、国会議員、都道府県知事、議長初め、各界に於いて功績・功労のあった方々を、これは各省庁等からの意見を踏まえ、幅広く招待をしております。 そしてその上で内閣官房や内閣府に於いて最終的に取り纏めているところでございますが、そうした結果と致しまして、こうした招待者、参加者が増えているということがございます」 田村智子「総理主催ですから、総理に答えて頂きたいんですがね。次の資料で、今、テロ対策等々と言いましたが、支出数値だけを見てくださいよ。一番経費がかかっているのは飲食物提供ですね(パネルから22,615千円)。 案内状も実は2.5倍に増えてるんですよ。案内状というのは封筒の裏面が総理のお名前です。表面に招待者の名前を記して、必ず一人ひとりに送付を致します。招待者が本当に増えたってことが分かるわけですよ。 招待者が増えれば、参加者も増える。混雑緩和のための会場設営費もどんどん増えると。そういうことですね。もう一つ見たいんです。『桜を見る会の開催要領』。これ毎年閣議に配布がされているということなんですけれども、この中の招待範囲、今色々言いましたね、確かに皇族とか、各国大使、また議会関係や地方議会関係、行政関係、この辺りはですね、年々増えるってあり得ないんですよ。 内閣府に聞きましたら、推定だが、まあ2千人くらいで、ほぼ固定的だって言うんですね。そうすると、一番下ですね。『その他各界の代表者等』、これが増えたっていうことだと思うんですが、じゃあ、これ内閣府でいいですよ。『等』も含めて、これはどういう方々で、一体どうやって招待する人を決めるんですか」 大塚幸寛「今のその、『開催要領』にあります『その他各界の代表者等』の『等』でございますが、これはまさしく各界に於いて功績のある方々を幅広く招待できるよう、『等』をつけているというものでございまして、何か特定の分野ですとか、カテゴリーを想定しているものではございません。 まさしくこういったことを踏みまして、各省庁から幅広くご推薦を頂き、最終的に私ども内閣府、内閣官房に於いて取り纏めているとこでございます」 田村智子「各省庁から推薦を頂いて、功労・功績が認められる方ってことなんですね。『等』を含めて。あの『開催要領』にはね、計約一万人なんですよ、招待範囲。当然、各府省はこれを念頭に入れて、功労・功績のある方を推薦しているはずで、事実、安倍総理より前は大体1万人前後なんですよ。 なぜ一転、1万8千人になるのかっていうことですよ。『桜を見る会』に参加した皆さんがインターネットでその模様をたくさん発信して頂いているので、見てみました。 『稲田朋美の日々の活動報告』、平成26年4月12日、『桜を見る会』、地元福井の後援会の『地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、大変思い出深い会になりました』 これ当時規制改革担当大臣。『世耕弘成後援会ニュース』、2016年新年度。『桜を見る会』にて地元女性支援グループの皆さんと、これ写真が載っています。当時官房副長官。 2016年に初入閣された松本潤衆院議員の『国会奮戦記』、なかなか興味深いものがありました。2013年4月20日、内閣総理大臣主催『桜を見る会』、『役職ごとに案内が割り当てられます。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、止む無く我が陣営は不参加』 その後、2015年4月18日、『選挙のウグイス嬢の皆様を始め、後援会の皆様と参加致しました』 もう一人ご紹介します。『萩生田光一の永田町見聞録』、2014年4月18日、総理主催の『桜を見る会』が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様を (ご夫婦で)お招きしました」 萩生田大臣、当時は自民党総裁特別補佐ですけれども、常任幹事会の皆様というのはどういう方で、どの部署が推薦してくださったんですよね(くださったんですか)」 萩生田光一「『桜を見る会』については各界に於いて功績・功労のある方々を各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待しているものと承知をしており、最終的な取り纏めは内閣官房及び内閣府に於いて行われていると承知しております。実際に参加された方は手続きに則り、招待さた方であると承知をしております」 中断。 萩生田光一「自分の知り合いの方をのべつまくなしに入れるという仕組みにはなっておりません。その方たちが例えば各種業界団体の東京都単位の役員になってる、そういう方について、(田村智子が自席から何か言ったのか)それ何年のでしょうか。(ふっと一笑いしながら)常任幹事会の中にそういう各種団体の長の方がいらっしゃって、その方達がお招きをされたと承知をしております。まあ、あの、私が主催者じゃないのに何かお招きしたというのはちょっと僭越な言い回しだなと思います」 田村智子「常任幹事会って何ですか。常任幹事会って、何の団体の常任幹事なんですか」 萩生田光一「2014年の常任幹事会って言うのは後援会の中の常任幹事の方だということだと思います」 田村智子「後援会なんですよ。総理ね、つまり自民党の閣僚や議員のみなさんが後援会支援者の招待客、これ自民党中で割り振ってるということじゃないですか。これ総理じゃなければ、答えられない。総理お答えください。総理ではければ、答えられない。総理じゃなきゃ、答えられないですよ」 安倍晋三「今、説明しますから。『桜を見る会』についてはですね、各界に於いて功績・功労のあった方々をですね、各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については内閣官房及び内閣府に於いて最終的に取り纏めをしているものと承知をしております。 私は主催者としての挨拶や招待者の接遇は行うのでありますが、招待者の取り纏め等には関与していないわけであります。その上で個々の招待者については招待されたかどうかを含めて個人に関する情報であるため、従来から回答を差し控えさせて頂いているものと承知をしておりますが、その詳細についてはですね、詳細については政府参考人に答弁させます」 田村智子「安倍総理のことでお聞きしますよ。友田たもつ下関市選出の山口県議会議員のブログ、2014年5月1日号、『4月12日、安倍首相が主催する「桜を見る会」に行ってまいりました。今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました。早朝7時30分にホテルを出発し、貸切バスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会。安倍首相には長く政権を続けて貰い、今後もずっと「桜を見る会」に下関の皆さんを招いて頂きたい』とあるんですね。『ホテルから貸切バスで移動する』と。総理ね、そういうご自身も、地元後援会の皆様さんを多数招待されてるんじゃないですか」 安倍晋三「今申し上げましたように『桜を見る会』についてはですね、これは昭和27年以来、内閣総理大臣が各界に於いて功績・功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦を慰労するため、などのため開催しているものと承知をしておりますが、萩生田大臣からも答弁させて頂いたとおりですね、えー、様々な、例えば地元に於いて自治会等々ですね、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから、当然、そういう方々とですね、これはあの後援会に入ってる方々が、これは重複することも、当然、あるわけでございます。 そういう中で招待されてるものと承知をしておりますよ」 田村智子「これね、ちゃんと調べてくださいよ。例えば友田県議員。後援会の女性部。『どういう功労・功績が認められたのか』と(調べてほしい)。で、『どの府省が』というのは内閣府とその他色々省ってことですよね。 どの府省の推薦で招待されたのか、ちゃんと調べてくださいよ、総理」 大塚幸寛(内閣府大臣官房長)「あの、具体的な、その招待者の、その推薦、例えば推薦名簿ですが、推薦にかかる書類はこれは毎回の『桜の会』の終了を以って使用目的を終えるということもございますし、それからその個人情報を含んだ膨大な量の文書を期日(?)に管理すると、支障が生じることもございまして、これは従前からその一連の書類につきましては保存期間1年未満の文書として終了後、遅滞なく廃棄する取扱いとするところでございます」 田村智子「ほんとにね、検証ができない状態なんですよね。私もね、友田県議とか、下関の後援会ですが、何で招待されるんだろうかと。内閣府が発送しているので、我が党の『しんぶん赤旗』、現地取材をしました。 下関市の後援会員の男性は今年の『桜を見る会』についてこう話ししてるんです。『2月頃、下関市の安倍事務所から「桜を見る会」に行きませんかと案内が来た。名前や住所などの必要事項を紙に書いて、安倍事務所に送り返すと、内閣府から「桜を見る会」の招待状が届いた。安倍政権になってから毎年参加している。下関からは毎年数百人が上京する』 案内状というのは発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人ひとりに宛てて送付をする。これ以外の発送ルートはありません。総理、安倍事務所が取り纏めをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所がどうして分かるんでしょうか。 これもしね、内閣府が独自に知っていたってことになると、これさらに大問題だと思うんですけれども、総理、如何ですか」 大塚幸寛「あの、お尋ねの招待状につきましては各府省等を通じて元々互推(?)されておりますし、各府省等を通じて発送を頂くなど、最も効率的と考える方法で招待者のお手元に届くように毎回してるところでございます」 田村智子「そんなこと聞いてるんじゃないんです。その下関市の後援会の人たちの名前を。内閣府、それじゃあ、もうお答え頂くってことですね。どうやって確認したんですか。どうして分かったんですか。各府省の取り纏めなんでしょ。どの府省が下関の安倍さん関係の後援会の人の名前と住所を押さえることができるってことなんですか」 大塚幸寛「あのー、その具体的な各推薦者の最終的取り纏めの検討過程にかかる情報につきましては、これを明らかにすることは内閣官房、内閣府に於きます円滑な取り纏めに支障を及ぼす恐れがあると書いてございまして、只今の答弁につきましてはお答えを差し控えさせて頂きたいと考えております」 田村智子「これね、私達は、総理お答えくださいよ。安倍事務所に申し込んだら、内閣府から招待状が来たという証言を複数の方から得ているんですよ。得ているんですよ。それ以外に発送する術はないんですよ。そうじゃないって言うんだったら、ちゃんと安倍事務所に確認してくださいよ。地元事務所に。総理」 安倍晋三「あのー、先程、赤旗の取材に私の後援者が答えたっていうことは私も寡聞にして存じないんですが、そこでですね、今も既に申し上げておりますように個別の方については招待されたかを含め、個人に関する情報であるため回答を差し控えさせているというのが従来からの政府の立場でございます」 田村智子「これね、『開催要領」の逸脱が疑われているんですよ。各界を代表する功労・功績のあった方を府省が取り纏めて、招待するんですよ。これ以外ないんですよ。じゃあ、萩生田さんの後援会の常任幹事、これなんの功労・功績があったと思います?」 大塚幸寛「先程総理からもご説明しましたが、その個々の方についてその功労・功績は何か。その以前にその招待されたかどうかということは、これは個人に関する情報でございまして、お答えを従来から差し控えさせて頂いているところでございます」 田村智子「これね、今、後ろからもありました。税金を使った公的行事なんですよ。誰でも参加できるわけじゃないんですよ。だから、招待範囲も人数も、『開催要領』を閣議に配って、それで府省の推薦で功労・功績が認められ方を招待するんですよ。そしたらね、当然、それぞれの方にどのような功労・功績があるのか、これ説明できなきゃおかしいですよ。それが桜を見る会なんじゃないんですか。総理。総理、お答えくださいよ。 そういうことでしょ。公的行事。(大塚幸寛が委員用に名前を言われて答弁のために立ち上がりかけると、手で払いながら)あなたはもういい、あなたはいい、もう要らないから。総理」 安倍晋三「先程来、答弁させていただいているようようにですね、『桜を見る会』については昭和27年以来、内閣総理大臣が各界に於いて功績・功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦を慰労するため開催をしているものでございます。 先程来、申し上げておりますようにですね、個々の方々につきましてはですね、個人情報であるため、回答を控えさせて頂いてるということでございます」 答弁に不服、中断。 田村智子「それではね、委員長、私、全然お答え頂いていないので、先程の萩生田幹事長の常任幹事会、後援会常任幹事会、どの府省からなのか。下関の安倍事務所。これね、安倍事務所にどっかの府省が連絡取ったのか。こういうことを是非ね、お調べになって委員会にご報告頂きたいというふうに思いますね。お願いします」 委員長「後刻理事会に於いて協議致します」 田村智子「もうちょっとブログ見てみたいんですよ。藤井律子山口県周南市長のブログ、2018年5月4日、当時山口の県議なんですけどね。『「桜を見る会」に行ってきました。片山さつき先生と久しぶりの再会を果たしました。今日は山口県からたくさんの人が来て下さっているわねえ。10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよといつものように元気よくお声をかけて頂きました』 こういうのはね、もう、いっぱーいあるんです。インターネットで検索すると。結局ね、私はね、税金を使った公的行事っていう自覚もなく、安倍総理が地元からの招待者をどんどん増やしたんじゃないかと。 さらにはね、地元後援会の恒例行事にしてきたんじゃないかっていうことも指摘したいんです。先程の友田県議のブログです。『桜を見る会』の記述は前日の行動から始まります。『前日の早朝に飛行機で上京。夜にはANAのインターコンチネンタルホテルの大広間に於いて下関市、長門市そして、山口県内外からの招待客約400人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティ。次の早朝7時30分にホテルを出発し、貸切バスで新宿御苑へ』と続いていくんですね。 もう一つ吉田真次下関市市議会議員。今年の桜を見る会についてブログで発信しています。やはり、『前日12日に飛行機で東京へ。夜は『桜を見る会』の前夜祭。安倍総理夫妻と写真を撮って頂きました』。で、前夜祭の宴会会場の写真・続けて翌日の新宿御苑の写真なんですね。 総理ね、これね、総理しか答えられないんです。『桜を見る会』安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭とセットで総理が後援会や支援者、山口県の関係者のご苦労を慰労し、親睦を深める、そういう行事になっているんじゃないですか」 安倍晋三「『桜を見る会』については政府委員から答弁しているとおりでございまして、個々の個人名等々についてはお答えを差し控えさせて頂きたいということでございます」 田村智子「前夜祭と一体でしょ。もう少し示しますよ。首相動静。この3年間、『桜を見る会』の前日、『ホテルニューオータニの宴会場で安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭に出席」と。3年間、ずっとあるんですよ、総理。それ以前も、ホテルや名称は異なりますが、必ず前日夜は後援会の方々と懇親会、宴会にご夫婦でご出席されてるんですよ、総理。 よくご存知でしょう、ご自身が。今年の前夜祭の参加者は約850人。翌朝、貸切バス17台で新宿御苑に移動。これはね、あの甲府市ライオンズクラブの会報に載せられた寄稿、載せられた文章から分かりました。 また私たちの取材でも、複数の参加者からですね、貸切バス17台だと。自分は何台目、何番目に乗るんだということが全部確認できたわけなんですよ。まさに安倍総理の演会の一大行事になってるんじゃないかと。 違いますか。セットでしょ、総理も。総理にとっても『桜を見る会』前夜祭と翌日の『桜を見る会』がセットになって、山口県の皆さんと親しく懇親をする。そういうふうになっているんじゃないですか』 安倍晋三「その懇親会にですね、私が出席をして、写真等を撮っているのは事実でございます。勿論、それは各個人がですね、それぞれの費用によってこの上京をし、そしてこのホテルとの関係に於いてもそれはホテルに調節、まあ、払込をしているというふうに承知をしているところでございます。 なお、この招待客については先程来から答弁をしているとおりでございます」 田村智子「セットなんですよ。じゃねえ、『桜を見る会』当日の首相動静、これも指摘します。今年は『午前7時48分、総理は夫妻で新宿御苑に到着、そして7時49分、昭恵夫人と共に地元の後援会関係者らと写真撮影』とあります。遡れば、毎年午前8時前に地元後援会関係者らと写真撮影されてるんですね。『桜を見る会』の開門及び受付時間は午前8時30分です。開門もしていないのに会場で地元後援会の皆さんと記念撮影を毎年されておられます。 まさに後援会活動そのものじゃないですか」 安倍晋三、委員長に顔を向けて、大塚幸寛を指差す。中断。 大塚幸寛「『桜を見る会』の開園時間につきましては開催要領で定められていますとおりに午前8時半から午前10時30分の間の随時入園参観となっておりま す。これが『桜を見る会』でございます」 安倍晋三「あの、これは招待者のですね、えー、それぞれの受付時間の対応に関するこの情報につきましてはこれはセキュリティに関するため回答を差し替えさせて頂きたいと、このように思います」 安倍晋三、質問者に対して後ろ向きで首相席に座る際、薄く笑う。 田村智子「だから、何で開門前に山口の後援会の皆さんとあなた、写真撮ってるんですかってことなんですよ。答えてくださいよ」 安倍晋三「これについてはですね、どういう形で私が動くかということにもかかってまいりますので、そのセキュリティに関わることでございますので、回答を控えさせて頂きたいと思います」 田村智子「しんぶん赤旗の取材でね、下関市の後援会の男性、『到着すると安倍事務所の秘書らがバスの席を回って、入場のための受付表を回収する。その秘書が受付を済ませ、参加者用のリボンを配る。纏めての受付(?時間が来ていて、早口になっていて、聞き取れない)で、荷物検査はなかった』 何がテロ対策のためだ、ですか。これ調べてください。調べてください、総理」 委員長が大塚幸寛の名前を読んだために中断。 大塚幸寛「受付に関する質問(?)だというふうに受け止めました。受付時の対応に関する情報はこれはまさしくセキュリティに関することであるためおこ答は差し控えさせて頂きたいと考えております」 安倍晋三「あの、今、政府参考人からお答えをさせて頂きましたように受付の仕方等々につきましてもですね、これはまさにこれは、例えばその後の私との関係に於いてもですね、これセキュリティにかかることがございますから、これはお答えを差し控えさせて頂きたいとこのように思います」 田村智子「開演前に手荷物検査もしないで会場に入ったら、それこそセキュリティ上の問題じゃないですか。『桜を見る会』は参加費無料なんですよ。会場内で無料で食べ酒、その他のアルコール、オードブルやお土産は無料なんですよ。これは政治家が自分のおカネでやったら、明らかに公職選挙法違反。そういうことはあなたは公的行事で税金を利用して行なっているんですよ。これは重大問題だと、まさにモラルハザードは安倍総理が起こしていると、こういうことを指摘して、質問を終えます」 |