救急ヘリコプターは1人吊りではなく、複数吊りできないものなのなのか、教えてもらいたい

2011-03-14 09:17:41 | Weblog


 今回の地震でもテレビで見る限りそうだったが、救助ヘリコプターが着地できない場所での建物の屋上等で救助を待つ人間を救助する場合、上空にホバーリング状態でヘリを停止させて救助隊員をロープで吊り降ろして、目的場所に到達すると救助対象者に安全ベルト様の装具なのだろう、装着し、それを自身の安全ベルトに固着して上昇途中で落下させないように準備してから、画像にあるように対象者を抱きかかえて吊り上げていく手順を取っていた。

 ヘリコプターは上空で停止しているとはいえ、停車した車のように同じ場所に微動だにしない状態で停止しているわけではない。地上よりも上空の方が強い風に煽られて微妙に動き、その動きがロープに伝わって救助隊員にその救助作業を邪魔するように纏わりつく様子を今回の地震の建物の屋上からの救助の様子を伝えるテレビが映し出していた。

体重もかなりあると見える大の大人の男性に装具を装着するのに手間取り、その装具を自身の身体に固定させるのにさらに手間取った上、ヘリコプターに合図を送って静かに吊り上げていく。

 ヘリコプターまで吊り上げると、ドアを開け放した乗降口に別の隊員が待ち構えていて、身を乗り出しながらその合計体重が100キロは優に超えているだろう二人をヘリコプター内に引っ張り寄せる。 

 屋上には10人近くか、それ以上の数の救助を待つ者が順番を並んで待ち構えていた。

 1人ずつ吊り上げる上に途中で落としてしまうわけにはいかない責任の重大さから、安全対策に時間をかける。非効率この上ない救助方法に思えるが、この方法しかないから、非効率と分かっていて止むを得ず続けているのだろうか。

 ヘリコプター胴体底部にコンビニ出入口の二枚ドアの左右に開く自動扉のように電動で左右に開閉する開口部を設けて、その開口部から真上のヘリコプター内部の天井に取り付けた電動ウインチでロープではなく、ヘリコプター自体が風に煽られて動いたとしてもロープよりも影響の少ないワイヤーを取り付けて、その先端に折りたたみ式の金属製コンテナを取り付けて、箱型に組み立てた上、隊員1人が乗って目的場所まで降ろせば、安全ベルト等を装着する必要もなく、そのままの状態で3人から5人までの被災者を一度に救助でき、効率性は上がる。

 普段は折り畳んで収納しておけば、4~5個あったとしても、場所を取らない。

 コンテナはワイヤー先端から4本に分かれていて吊り上げることになるから、安定していて、少しぐらい風に煽られたとしても、人間を落とすことはない。万が一の用心にコンテナの壁部分の高さを人間の胸ぐらいの高さの物を用意すれば、自分から飛び降りるのでなければ、落ちることはない。他に注意することあるとすれば、折りたたみ式で四方の壁部分がそれぞれ独立しているから、開いた状態で外れないようにロックをしっかりと固定しておくことぐらいだろうか。

 コンテナが開口部近くに到達したとき、中で待ち構えていた隊員がワイヤーを掴んで開口部とコンテナのそれぞれの辺が合い、開口部に当たらずに室内に引き上げることができるように誘導すればいい。4本に斜めに分かれたワイヤーが開口部の何れかの辺に当たることによって逆に誘導してくれて、隊員はそれ程苦労しなくても誘導できるはずだ。

 2008年の岩手・宮城内陸地震では倒壊した建物に閉じ込められた被災者救助に福田政府は遅くなってやっと自衛隊大型ヘリコプターで中型重機を宙吊りして運搬、捜索に投入することができたが、重機を吊り上げたり、輸送トラックを吊り上げたりできるのだから、5人やそこらの人間は簡単に吊り上げることはできる。

 問題はヘリコプター胴体底部に開口部を設けることが揚力の関係で不可能かどうかである。ヘリコプターは胴体側面の乗降口のドアを開け放しで飛ぶことはできる。戦闘時、開け放したヘリコプター乗降口に腰掛けて機関銃を撃ち放している米軍兵士の映像はよく見かける。

 胴体側面の乗降口を開け放しにしておくことと胴体底部に設けた開口部を開け放しておくことと違いがあるのだろうか。誰か知っている知識者がいたら、教えてもらいたい。

 底部開口部が可能なら、予めコンテナを連凧のように3~4個フックでつなげて降ろし、降ろしておくことができるだけの場所があればの話だが、最初のコンテナを吊り上げて救助する間に降ろした分のコンテナに被災者を乗せて待てば、時間短縮ができ、なお効率は上がる。

 参考までに――
 
 《「大型ヘリによる重機運搬」に関する首相官邸・内閣官房・内閣府との不毛なやりとり(1)- 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》

 大型災害の迅速な人命救助はたった一人の国民の命であっても疎かにしない危機管理に於ける象徴作業 - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》

 《岩手・宮城内陸地震-福田首相の「人命救助が一番」の危機管理は口先だけではないか - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》



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2 コメント

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みいさんへ (手代木恕之)
2012-10-20 03:27:11
貴重なご指摘ありがとうございました。10月19日の記事の冒頭部分で感想を述べておきました。

 お礼が1日遅れました。悪しからず。(10月20日記)
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Unknown (みいさん)
2012-10-18 13:08:45
初めまして。

語りだすと長くなりますので、事例のご紹介だけとさせてください。

アメリカなどではホイストつり上げの際にも、人間が乗り込める籠に要救助者を乗り込ませ吊り上げています。
「<ハリケーン>史上最大の救助活動@航空の現代:http://www2g.biglobe.ne.jp/aviation/kouzui.html

また、開口部など設けずともヘリコプターは底面に荷吊用のフックを装備することができますから、それを利用して複数人を一気に吊り上げることは海外では普通に行われています。

スイス航空救助隊REGAによる、アイガー北壁からの救助活動です。
「Rega-Tour 2010: Longline-Einsatz am Eiger - Teil 2@youtube:http://www.youtube.com/watch?v=6QX0wElewpc

日本でもかつては行われていました。

「レスキュー 『篠原 秋彦の軌跡』4/6@youtube:http://www.youtube.com/watch?v=cj3WSg5kKSo&feature=relmfu
の5:00以降をご覧ください。

日本でこの技術の第一人者であった、篠原秋彦氏の事故をきっかけとして、事実上の全面禁止となりました。

pdfです。「航空機事故調査報告書JA9826:http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/pdf/02-9-JA9826.pdf

日本の航空局の見解では、「フックはあくまで「物資輸送用」であり、そこに人間を吊って飛ぶのは「用途外使用」である。」から認められないということです。

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