東国原宮崎県知事のハコモノ思想に陥った道路建設執着(2)

2008-03-07 08:05:30 | Weblog

 黒岩「一般財源化についてちょっと世論調査してみました」

 フリップ

 「道路特定財源を一般財源化すべきか」
  YES     NO
  68.0%    211.2%

 女性アナ「東国原さん、これいかがですか?」
 東国原「これ、どういうことですかね。これ、完全一般財源化ってことですかねえ。意味が分からない。耳障りのいい言葉だから」

 (納得できない口調。「耳障りのいい言葉だから」誤魔化されているのではないかと言わんばかりである。)

 黒岩「今のですね、道路造るとか病院造るか、医師の確保のためにおカネを使うか。これは知事の裁定に任されるから、そっちの方がいいと――」

 東国原「小児科医と産科が少ないのは宮崎県だけじゃありません。全国です。これは医師の診療科間の偏在、地域間の偏在があります。その医師の絶対数もOECDの中で27位くらいだったかな、非常に低いんですよ。医師を増やすことがどうのこうのって。菅さんが少なくしたんですよね、2回程。厚生大臣のとき」

 菅直人「そういう根拠のないことは言わないでください。どういうことですか、根拠を示してください。ちゃんとした根拠をですよ」

 東国原「ま、まあ、いいですよ」
 菅直人「だから、根拠のないことは言わないでください」

 東国原「じゃあ、国の政策で医師の絶対数を減らされたじゃないですか、80年代から2回――。医師の数は問題じゃないです。医師は少ないですよ、それは。それと道路をリンクしてすることじゃないと、いうことですよ。だったら我々は救急医療体制っていうのは三次救急が70分以上かかるんですよ。二次救急よりも30分以上かかるんですよ」

 (「医師の診療科間の偏在、地域間の偏在」は道路ができても変わらない。道路が必要だと言うなら、道路を患者移送の時間短縮を機能の一つとすることにとどめるだけで政策を完結させるのではなく、地域社会全体の生活機能を高めるために最小限の医師・病院の確保も並行させた政策遂行が必要となる。当然カネ(=予算)を必要とするようになる。いわば財源手当ては道路だけで済ますわけにはいかない。)

 黒岩「そうするためには道路以外のおカネを使えばいいんじゃないですか?」
 東国原「ちょっと待って。鹿児島、熊本、宮崎、一般財源化されて100億、100億、100億貰ったとする。で、鹿児島と熊本はもう道路、大体整備されていますから、殆ど医療とか福祉に使える。いや宮崎はまだ道路は足りないですから、道路に殆ど使う。じゃあ、医療とか福祉の分はどうなるんですか?その格差はどうする?だから、僕は配分の基準を示して欲しいと。つまり、道路は遅れていたところには道路を多く造れるような公金、あるいはそういったものを自由裁量権、おカネをたくさんくれるんだったら、いいんですよ、ということで――」

 (九州全体を各県の上位社会、一地域と考えた場合、上位社会に於いても各生活機能のバランスのよい発展とより高度な有機的統一性は不可欠で、それを実現させるために国からの財源移譲以外に各地方自治体が自由に使える国の補助を設けて、そこに格差を設けたらどうだろうか。地域間格差という現実を前にして「100億、100億、100億」と一律に考えるのは単純すぎる。)

 菅直人「あの、東国原知事はですね、なかなか発信力が強いですから、色んなことを言われてますが、実は知事はご存知でしょうけども、今東九州自動車道と言われているところの前後、何百キロありますが、計画で大体7割か8割は西日本株式会社が造るんです。これは道路特定財源じゃないんですよ。通行料なんですよ。その前後の新直轄というのは道路特定財源です。ですから今、東国原知事はですね、何か100億ずつ貰ってもですね、早く終わった所は有利だけど、遅い所は不利だって言われますが、その地方と国の問題は私たちは地方に重点的に財源を移そうという、国は少なくて、もっと(カイコチュウイ?、「関与・集中」か。聞き取れず当てずっぽう)することあると言ってます。地方はその中でどう選択するかというのは基本的には地方の自由に任せるわけですから、もし宮崎県は特に道路は必要だってことであれば――」

 東国原「それは難しいです。おかしいです」

 (何もおかしくない。これまで政治家の政治力を引力として、その地盤により多くの国家のカネが投じられてきた。その結果の九州地域に於ける鹿児島・熊本と比較した宮崎の後進性・地域間格差であり、東京や大阪、名古屋といった大都市と比較した地方都市の停滞・疲弊・地域間格差であろう。地元代議士の政治力を基準とするのではなく、それを排して日本全体を眺めて遅れている地域を重点にバランスのよい発展を図ることを基準にすれば、可能。)

 菅直人「それは一般財源になっても県で、県議会で通せば十分できるんですよ」
 東国原「ネックスコさんは半分ぐらい造ってらっしゃいますよ。有料道路ですね、ネックスコさんは。それ以外は新直轄なんですよ。もっと言うと、ネックスコさんが造ってるインターまでのアクセス道路は、国県道路は、道路特定財源は半分ぐらい使っているわけです。それはどうしてくれるんですか」

 (【NEXCO】 (ネクスコ、Nippon EXpressway COmpany Limited) は、2005年10月に日本道路公団 (JH) の民営化により発足した高速道路会社3社の愛称。2006年4月より命名された・「Wikipedia」より)
 
 黒岩「まあ、この話、国の形、どうするかって言うこと――」
 菅直人「どうしてくれるんですかではなくて、自治体が自分たちがやってやれるように財源を移譲しようと言ってるんですから、それをどうしてくれるんですかというんですかから――」

 東国原「だから、私は国交省に物申していいるんです」
 菅直人「こんな天下り(と新聞を取り上げて、紙面を叩きながら)、信用できるんですか?」
 東国原「ですからチェック体制を」
 菅直人「こんなね、天下りを――」
 東国原「だったら、民主党さんを信用できるんですかという話ですよ」
 菅直人「同じですよ、同じですよ」
 東国原「同じくらいですよ。だから・・・・」
 菅直人「国交省信用できるんですか?」
 東国バラ「どっちかったら(と両手を上げ下げしながら)、国交省ですよ」
 菅直人「私は国交省は全く信用できない」
 東国原「でも、これから私は期待してますよ」
 
 (それはそうだろう。マスコミに露出している東国原を満足させさえすれば、道路特定財源維持に正当性を与えることができる。道路特定財源維持正当化こそ、自分たちの既得権益を守る唯一絶対の砦なのだから。東国原は道路建設をエサに国交省に抱き込まれたのではないか。胡散臭さが身体中から滲み出ているが如き雰囲気の冬柴国交相とにこやかに握手しているシーンが目に浮かぶ。)

 黒岩「また、続きをやりましょう。今度また――」
 菅直人「期待できるなんて言葉を聞いて、私はびっくりしましたね」
 東国原「今まで遅れてきましたけど、これだけですね、国民が見たら、国交省さんだって、それは襟を正すしかないんですよ」

 (甘い、甘い。立場上、国民が見ていなくても襟を正した行動を取ることを基本的姿勢としなければならない。そういった自発性が期待できなかったのだから、国民が見ていない場所では何も変らないだろう。国交省と手打ちがあったのではないかとますます疑いたくなる。)

 菅直人「それは宮崎県に関しては優先的にいく可能性は十分にあるでしょう。こういう問題を(新聞を叩きながら)残したまま、信用できるなんて、私はちょっと信用できませんね」

 (菅直人も気づいている国交省の陰謀と言うわけである。多分、国交省から、「特定財源維持されることによって宮崎の道路は県の予算を今までどおりに抑えながら建設可能となります。維持を条件に宮崎の道路を優先的に建設します」といった密約紛いの合意を成り立たせているのではないのか。そうとでも疑わなければ国交省への肩入れを信じることができない。清潔・清新が売り物の米民主党大統領候補オバマにしても、有権者には失業者の増加は低賃金労働者の流入をつくり出しているカナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)が原因だと不評に対して再交渉すると公約しながら、カナダ政府に対しては「NAFTAに厳しい姿勢はあくまで政治的理由で、(大統領になっても)カナダとの合意は変えないだろう」と伝えたとする密約(二枚舌疑惑)が疑われているのである。日本の一地方県知事が国交省と密約を交わしたとしても不思議はない。オバマは汚職で起訴された有力資金提供者の不動産業者との癒着まで疑われいるらしい。)

 東国原「どっちかと言ったら、民主党さんの案と国交省の、今の政府案のどっちかと言うと、地方としては――」
 菅直人「宮崎県にとって、どっちがいいかというのはいいんです」

 (地方全体の問題として取り上げて欲しいと言うことなのだろう。)

 黒岩「ハイ、コマーシャルのあとに竹村さんのコーナーです」

 (武村健一のコーナーを待たずにチャンネルを変える。つまるところ、東国原知事や宮崎県が満足する形で道路建設ができたとしても、医療や教育の問題は置き去りにされることになるのではないか。東国原知事の言動に医療や教育、その他の生活機能に向けた視線を感じないだけではなく、それらの生活機能は道路みたいにカネをかけて建設すれば片付くといった問題ではないからだ。地域社会全般に亘る生活機能の底上げがあって、医療も教育も形を整えていき、社会は有機的な統一性を備えていく。)

 参考までに
* * * * * * * *
 ≪天下り法人に1888億円 06年度 道路財源から支出≫ (東京新聞/2008年3月2日 朝刊)

 <道路特定財源を原資とする国の道路整備特別会計から国土交通省所管の独立行政法人と公益法人に、二〇〇六年度は補助金など計千八百八十八億円が支出され、同省からは千二百人余りが役員や職員として天下りしていたことが明らかになった。このうち年収が千数百万-二千万円余りと高額の常勤役員は、同省OBを中心に約二百二十人に上り、道路特定財源が官僚の広範な天下り権益を支えている実態が浮かび上がった。

 道路整備特別会計から補助金や事業発注などの支出を受けたのは五十六法人あり、〇六年四月時点の国交省OBの役員と職員は千二百八十五人。

 支出額の最多は、日本道路公団の民営化で発足した「日本高速道路保有・債務返済機構」(東京)で出資金など計約千四十四億円。主に首都高速と阪神高速道路の建設費を民営化会社に無利子で貸し付けている。

 次に多かったのは都市基盤整備公団から業務を引き継いだ「都市再生機構」(横浜市)で、市街地整備補助金など計約百三十六億円。七人の常勤役員は全員国交省OBで、元事務次官の小野邦久理事長は二カ所目の天下り。国交省の試算によると、同機構の理事長は年収二千百四十二万円となっている。

 三番目は全国の道路データの管理などを行う「道路保全技術センター」(東京)で約八十二億円。常勤役員三人は全員同省OBで、理事長の年収は上限が千九百五十六万円となっている。

 次いで「中部建設協会」(名古屋市)や関東建設弘済会(東京)など、全国八カ所の地方整備局ごとにある建設弘済会・協会が続く。道路・河川の巡回や事業予定価格の積算などを行う弘済会・協会は、各地方整備局の有力な天下り先となっていて、八法人で計三十八人の常勤役員のうち二十九人が国交省OB。年収は千数百万円から二千万円近くとみられる。国交省OBの一般職員も八法人に計約五百八十人在籍している。

 こうした実態は民主党が国交省に要求した資料で明らかになった。同党の長妻昭衆院議員は「道路特別会計は国交省の天下り団体を食わせるため、いくらでもカネを引き出せる財布代わりになっている」としている。>・・・・・
* * * * * * * *
≪天下り法人、内部留保527億円 独占的受注で潤う≫ (中日新聞/2008年3月2日 朝刊)

 <年間5兆円をゆうに超す巨額の道路特定財源。その中から1900億円もの金が、国土交通省所管の50余りの天下り法人に流れ込んでいた。国交省から独占的な事業受注で利益を上げ、多額の資産を持つ法人も目立ち、内部留保(余剰資金)は総額527億円に達した。天下りの常勤役員の年収はいずれも千数百万-2000万円余り。道路財源が多数の官僚OBらの懐にも流れている構図だ。

 東京・西新橋のビルの8階に入る財団法人「道路保全技術センター」。道路整備特別会計から2006年度は約82億円の支出を受けた。具体的には全国に8つある国交省地方整備局から、データベース事業や調査業務などを受注している。

 道路台帳などの紙データを電子化する「MICHIシステム」は、1990年のセンター発足から毎年、随意契約で独占受注。国交省によると、同センターの内部留保は2006年度が約41億円と多額に上った。

 総資産額から公益事業を実施するために必要な基金や財産を除いた内部留保は、いわば公益法人の“利益”の蓄積。総務省は、事業費や管理費などの合計額の30%以下にとどめるよう指導しているが、同センターは42%と大きく上回っていた。

 同センター幹部は「03年度は30%を切っていた。基準を超えたのは望ましくなく、反省している」と話す。職員235人のうち2割近くが国交省OB。国交省出身の3人の常勤役員の平均年収は約1800万円という厚遇ぶりだ。

 かつては道路関連事業を随意契約で独占受注していた各地方の建設弘済会や建設協会。いずれも内部留保の多さが目立つ。約40億円と2番目に多かった「関東建設弘済会」(東京都)の理事長は、旧建設省で道路局長や事務次官を歴任した鈴木道雄氏。鈴木氏はほかにも8つの公益法人で、非常勤の理事長や理事を務める道路ファミリーのトップだ。

 内部留保が約23億円だった「中部建設協会」(名古屋市)の幹部は「国道のパトロールや道路工事の検査など行政の補助的な業務をしている。内部留保は20%強で、かなり気を使っているつもりだ」と話している。>・・・・
* * * * * * * *
 ≪河川危機管理訓練、国交省天下り財団が独占受注 年3億円…高額随契≫ (MSN産経/2008.3.2 01:03

 <国土交通省の河川事務所が洪水などを想定して行う危機管理訓練を、同省OBの天下り先の財団「河川情報センター」(東京都千代田区)が随意契約で独占的に受注していることが分かった。契約額は年間25件で総額約3億円、1回の訓練で平均1000万円以上にのぼる。センターに訓練を委託していた東京都が民間企業に委託先を変えた結果、委託費は6割以下に抑えられた。高コストが裏付けられた形だが、国交省は「(センターは)ノウハウが確立されており随意契約に問題はない」としている。

 センター理事長は国交省の国土技術政策総合研究所長を最後に退官した同省キャリアの河川技官。平成19年4月現在で、センターの職員96人のうち36人が同省OB。

 センターが請け負う危機管理訓練は、台風や地震で堤防が壊れ、浸水したなどの事態を想定して行う。センター職員がマスコミや自治体、町内会関係者などにふんし、市町村からの支援要請など次々に状況を変えながら対応させるロールプレーイング方式が特徴だ。訓練後にセンターが改善すべき点をリポートにまとめ指摘する。
 1回の訓練費用は平均1000万円以上で、利根川上流河川事務所(埼玉県栗橋町)は16年度、4回の訓練で6300万円をセンターに支払った。

 センターによると、国交省河川事務所などからの受注は12年度から始まり、18年度の河川事務所などの分だけで25件、総額約3億円。いずれも随意契約で落札率(予定価格に対する落札額の割合)は99%台という。

 一方、河川沿いの自治体も同種の訓練を行っているが、12年度以降の7年間にセンターに委託した自治体は、東京都、横浜市など4件だけだった。

 13年度からロールプレーイング方式の図上訓練を外注している都は、13、14、16年度に単独や他県市と合同の訓練をセンターに委託。契約額は2952万~5600万円だった。
 都は18年度以降、随意契約をやめ、競争入札により民間企業に委託している。民間委託の契約額は都単独の訓練で798万~2800万円、8都県市合同訓練でも3150万円で、センターに委託するより6割以下の費用に抑えられたという。>・・・・


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