福田辞任後の次期自民党総裁選では所属派閥の実質的親分森喜朗シーラカンスが麻生を担ぎ出したのに反して派閥代表世話人3人体制の一人中川秀直は同じ派閥の小泉構造改革を支持する小池百合子を担ぎ出して反麻生の旗を掲げ、麻生が総理・総裁となってからも麻生の11年消費増税明記に反対、新党をつくって政界再編も辞さない動きを見せていたが、これに対して森シーラカンスから<「完全に反乱だ。(同派の)代表世話人を辞めて、やるべきだ」と批判、同派の集団指導体制を見直す考えも示し、中川氏が政権批判を続けるのなら派閥を離脱すべきだ>(「asahi.com」)と不快感を示されたからなのか、反麻生言動、政界再編・新党結成言動をたちまちトーンダウンさせた。
まさか無責任にも総理大臣の椅子を投げ出したのだから、既に出る幕はないのに鉄面皮にも再びしゃしゃり出ようとしている安倍元首相からも批判を受けたことが影響したというわけではあるまい。口程にもない元首相のその口から出た批判でしかないのだから、蚊に刺された程のこともないはずだ。
安倍<日本記者クラブで講演し、所属する町村派で町村信孝、中川秀直、谷川秀善の3氏が代表世話人を務める体制について「通常の組織なら代表は1人で組織論的に不自然さがある。3人の考え方が大きく違うなら見直すことになるのではないか」(「日経ネット」)
「通常の組織」云々に関係なしに「不自然」だとは考えなかったから、3人体制としたはず。「不自然」だと考えたなら、3人体制としなかったはず。体制が問題ではなく、親麻生の自分たちに逆らう反麻生が抑えがたい動きとなってきたから、外そうということになった路線対立の問題であろう。相変わらずノー天気な安倍だ。こんなのが日本の総理大臣を務めていた。こんなのと言う点では麻生も同じだが。
「3人の考え方が大きく違うなら見直す」とは普段自民党の“ウリ”としている「開かれた党」なる宣伝文句に反する一種の思想統制を図ろうとする動きに他ならない。
「開かれた党」が事実なら、言っていることに整合性を持たせるためにも「3人の考え方が大きく違う」ことよりも、仲間の考え方を統制しようとする自らの動きそのものを問題とすべきだろう。相変わらず理解音痴な安倍だ。理解音痴と言うことでは麻生も同じだが。
森シーラカンスは塩崎恭久元官房長官等の自民党内若手の反麻生の動きにも不快感を隠さない。
「どうして自分たちで選んでわずか2カ月の総裁を守っていく気持ちを持てないのか。自民党ではない。自分党だ。自分のことしか考えない。・・・・テレビが来ると我先にと麻生さんの悪口を言う。それなら(自民党を)辞めればよい。安倍内閣で官房長官をやっていた人が、まくし立てている。マスコミに受けたいならお笑いタレントでもやればよい」(「asahi.com」)
「それなら(自民党を)辞めればよい。」――ファッショ、言論統制そのものではないか。党紀、もしくは法律に反する不正を働いた、国会議員にふさわしくないから「辞めればよい」と言うわけではない。自由なる思想・言論の、その規範的自由を認めず、排除を以って代えようとしている。
組織・集団からの排除を以ってして言論の統制を図ろうとする発想・意識はそこに排除対象者の心理を脅かそうとする多少なりの恫喝が存在せずには成り立たない。排除を可能とする影響力を持った人間だから言えるのであり、そのような影響力を自由なる思想・言論の統制に向けて作動させるのだから、否応もなしに恫喝の意識を忍び込ませることになる。下劣な性格の人間でなければよりよくなすことのできない恫喝であろう。
当たり前のことだが、反麻生とは麻生の政策に向けられた反対姿勢を指す。
安倍晋三が無責任にも総理大臣の椅子を投げ出した後を受けた07年年9月の自民党総裁選で福田康夫と麻生の両候補は19日に日本外国特派員協会の記者会見に臨んでそれぞれの主張・政策を述べ合った。
麻生「参議院が与党少数であったことは、戦後の日本でこれまでに何度もあった。そう危機ではない。私たち自民党はこれまで、何度も危機を乗り越えた。そのためには開かれた政党、開かれた選挙しかない。それが民主主義を保ち発展させる」(JanJan)
消費税発言でぶれていないか問われて、麻生「いろいろな方々がいろいろなことおっしゃるのは、そら、開かれた政党ですから、いろんな方が言われるのは結構だと思います。大いに議論すべきだと最初から申し上げている。ただ、決まった以上は従って頂きます。それが党の方針ですから」(「asahi.com」
麻生首相自身が自由民主党が開かれた政党であることを自任している。断るまでもなく「開かれた政党」とは言論・主張、あるいは政策に関して閉鎖的ではなく、自由に述べることができる党だと言うことを示している。
麻生首相自身が自民党は「開かれた政党」だと真に自任しているなら、いや何よりも自由民主党総裁なのだから、いくら森親分が「福田康夫首相の無味乾燥な話より、麻生さんのような面白い話が受けるに決まっている。・・・我が党も麻生人気を大いに活用しないといけない。『次は麻生さんに』の気持ちは多いと思う。私も、勿論そう思っている」(毎日jp)と陰に陽に麻生総理誕生のキングメーカーを務めてくれた恩人だとしても、人を見る目を持っていたからだろう、「麻生さんの話」は全然面白くもなく、全然受けてもいないが、そのことは大目に見て、例え自身に向けられた反麻生の言動であろうとも、森シーラカンスの“恫喝”をやんわりとたしなめてもいいはずだ。総裁として自民党が常に「開かれた政党」であることを監視、誘導する役目を担ってもいるからだ。
ところが、「森親分、子分が差し出がましいこと言ってすみませんが、我が自民党は「開かれた政党」なんですから、色々な意見があってもいいではないですか。例えかわいい子分を、このあっしのことでやんすが、貶す言動があったとしても、「開かれた政党」であることの方を選ぶべきだと思いまがね」と言ってたしなめたという報道にはお目にかかっていない。
たしなめ、もしくは制止のプロセスを見ないままに中川秀直、トーンダウンの文字がいくつかの記事の中に見受けることとなった。
「asahi.com」が森シーラカンスの中川批判を主内容としたインタビュー記事を載せている。
≪森元首相、政権批判の中川秀氏に「派閥世話人やめよ」≫ (asahi.com/2009年1月21日21時46分)
――麻生内閣の閣僚への不満がくすぶっています。
「『派閥に造反したら、閣僚に選ばれる』という雰囲気がある。変な話だけど、麻生内閣は『裏切りの内閣』だ。麻生さんは党内が盛り上がるような選び方をしなかった」
――町村派代表世話人の中川秀直元幹事長が、政権批判を強めています。
「その辺の若い小僧っ子ならよいけど、党の政調会長や幹事長までやった人が旗を振るのは、完全に反乱だ。政策の問題ではない。清和政策研究会(町村派)の代表世話人だということを忘れてもらっては困る。それなら、代表世話人を辞めてもらいたい」
――派閥を出て構わない。
「構わないと思う。僕は麻生さんを守る立場だ。代表世話人体制の見直しも、考えなければいけない。以前、中川君は、次の総選挙では自民、民主のどちらも過半数にならない可能性があると話していた。民主党の一部と組み、第3局で自民党と連立して助けるしかないと」
――第3局志向なら、自民党を離党すべきですか。
「今の時点では思わないが、党分裂の引き金ということになるといけないから、これまで注意してきた。うちの派閥を離れていった人をみると、皆いつの間にか収まりがつかなくなって、元に戻れなくなる」
――説得しないのですか。
「そんなつもりは全くない。なだめてあやしてなんてことはしたくない」
――次の衆院解散・総選挙は、いつごろでしょうか。
「予算成立までは乗り切れると思う。節目は予算だ。僕は任期いっぱい(9月まで)やれれば良いと思っているが、待ちきれない状況だと皆が思うなら、イチかバチか。麻生さんも自民党最後の総裁になるかもしれないが、それはそれでいいじゃない。野に下り、今度は攻めに入ると」
――麻生首相で総選挙を戦うべきだと思いますか。
「麻生さんで、責任政党として戦うべきだ。地方県連も皆で一緒に推したんだから」
――総選挙の前に、総裁選をやるべきでしょうか。
「そうしたら、『麻生、降りろ』ということになっちゃう。求心力を高めるなら、思い切って内閣改造をすべきだ。なるほどという力強いパワー。皆が納得し党員も喜ぶ内閣を造ったら良い」(以上引用)
「その辺の若い小僧っ子ならよいけど」という発想は森シーラカンスが言論統制者であることを自ら物語る言葉であろう。思想・言論の自由とは年齢(=経験)・性別・地位・職業、あるいは立場等を言論容認・統制の基準としてはならないということをも含んでいるはずだが、「若い小僧っ子」(年齢=経験)を自身の中で言論容認・統制の基準としているからだ。
ここでは「その辺の若い小僧っ子ならよいけど」と言論容認の基準としているが、実際は1、2年生議員が森シーラカンスの考えに迎合する言動なら心地よく受け止めるが、考えに反する気に入らない言葉なら、「その辺の若い小僧っ子が何を言うか、何を言ってやがる」というふうに逆に抑える基準とするのは目に見えている。基準とすること自体が間違いであることに気づかない人間は基準を自分の都合次第で操ることになるからだ。
言論の抑圧・統制の問題は主体側だけではなく、客体側の問題でもある。多少なりの恫喝を受けた側が屈するのか、あくまで抵抗し、自身の思想・言論を確保し、自らの主張を貫こうとするのか。中川秀直はトーンダウンした。反麻生言論を自ら封じ込めた。
中川秀直がどういう態度を取ったか、その辺のイキサツを2月1日の「msn産経」記事≪自民党「政界再編」「新党」の動き急減退 中川秀氏もトーンダウン≫が詳細に伝えている。
<自民党内で一時盛り上がった「新党結成」「政界再編」の動きが減退気味だ。政界再編を声高に唱えていた中川秀直元幹事長も「党内改革路線」に大きくカジを切った。麻生太郎首相を看板にしたままでは衆院選を戦えないという声は根強い。しかし、総選挙に向けた国会での民主党の攻勢や、地元での対立候補の活発な動きを前にして、「党内でゴタゴタを演じている余裕もない」という危機感が広がり、首相に批判的な勢力も旗を掲げきれないのが実情だ。(加納宏幸)
中川氏は1日、地元・広島県東広島市内で「小選挙区制では第3極はあり得ず、数合わせのための政界再編や選挙のための新党では危機は乗り越えられない。国民に期待される新しい自民党にする努力を、グループ(町村派)の同志たちとしていく」と語った。
自民、民主両党の改革派結集による政界再編を主張してきた中川氏は1月、平成21年度税制改正法案の付則に消費税の増税時期を書き込むかをめぐる党内論争で、強硬な反対論を唱え、時期が明記された場合の造反を示唆するまでに発言をエスカレートさせていた。
中堅・若手とともに麻生首相を突き上げたが反発を呼び、足元の町村派内では、森喜朗、安倍晋三両元首相が中川氏、町村信孝前官房長官ら3人の代表世話人による集団指導体制を見直し、中川氏を排除する動きが活発になった。
「政策を語るのはいいが首相批判と思われる。代表世話人ならTPOをわきまえろ」
森氏は1月29日、派内の亀裂を心配して仲介に入った議員に不満をぶちまけた。森氏は政界再編を主張した中川氏に強い不満があるが、「私は代表世話人制を変えろなんて、一言も言っていない」と付け加えるのも忘れなかった。中川氏もこれに呼応した。
「森先生には若いころからご指導いただき、心から感謝している。私も、微力だが森派、森政権を一生懸命、支えてきた。無心の境地で国家国民のため働くのが森先生へのご恩返しだ」
中川氏は1日、地元から中継出演したテレビ朝日番組でこう語った。森氏は週明けの町村派総会で派の指導体制についての考えを示すとみられるが、中川氏は「3人代表体制でいいというのがメンバーの大勢の意見だ。私はその大勢に従う」と語り、代表世話人にとどまる考えを強調した。
中川氏が「政局の焦点」としてきた消費税増税問題は、実施時期を別の法律で定める「2段階方式」で玉虫決着し、国家公務員が再就職を繰り返す「渡り」斡旋(あつせん)問題も首相が「認めない」と答弁したことで中堅・若手は矛を収めた。一連の騒動は収束した感がある。
若手の一人は「選挙を考えると渡辺喜美元行政改革担当相のように離党はできない。われわれの主張が取り入れられたのであれば、声を上げ続ける理由はない」と語り、政策を通じた権力闘争の限界を認める。
こんな自民党をあざ笑うかのように、渡辺氏は1日、都内での街頭演説で「まさに安政の大獄だ。政策提言した中川さんを森さんが弾圧したのは自民党の末期症状。見限ってよかった」と皮肉った。>――
森シーラカンスの「政策を語るのはいいが首相批判と思われる。代表世話人ならTPOをわきまえろ」はシーラカンス(生きた化石)だけのことはあって、矛盾した言葉となっている。シーラカンスだから、矛盾に気づかない。「政策を語る」の中に批判も許されなければ思想・言論の自由とはならないからだ。賛成ばかり許されたのでは「語る」にならない。与党議員の全編、これヨイショの国会質問みたいになる。
尤も自民党の尾辻秀久参院議員会長が1月30日の参院本会議の代表質問で、小泉構造改革路線の全否定を求め、「首相!野に下ることは恥ずかしいことではない」と下野の勧めを説き、野党から喝采を浴びたと「msn産経」が伝えていたが、「100年に一度」ぐらいは賛成のヨイショ質問でないこともあるらしい。
森シーラカンスの上記矛盾は逆に「批判と思われる」政策は語ってはいけないと言っているのである。いわば統制を加えている。これは自由民主党が「開かれた政党」であるとしている旗印に反する言論抑圧政党であることを物語っている。
このことは自由民主党議員の間に権威主義の上下関係が成り立っていて、上が下を抑える構造になっていることを示す。
だが最近では従来からの派閥の力学(=権威主義の力学)が緩み、派閥の親分が右を向けと言えば一斉に向く時代ではなくなったと言われている。とは言え、党自体は造反した場合はその議員には選挙となったら刺客を立てるという威しを有効とさせている程には権威主義の力学が生きている。その発信者が有力な派閥の親分ということなら、その派閥と党は親分を介して権威主義の力学を相互反映させていると言える。
まだまだ健在なり派閥の力と言ったところなのだろうが、中川秀直の森シーラカンスの“恫喝”を受けた降参の弁である「森先生には若いころからご指導いただき、心から感謝している。私も、微力だが森派、森政権を一生懸命、支えてきた。無心の境地で国家国民のため働くのが森先生へのご恩返しだ」の時代錯誤には驚いた。
大体が人間が利害の動物、利害の生きものである以上「無心」などあり得ない。「無心の境地」もあり得ない。欲得、功名心、支配欲、金銭欲――すべては自己保身、あるいは生存本能から発する利害感情なのだが、そういったことからなかなか離れ難いのが人間という生きものである。
あり得ない境地を披露までして森シーラカンスに追従(ついじゅう)した。闘わずして完璧な無条件降伏を掲げたのである。「国家国民」への奉仕が主目的ではなく、「森先生へのご恩返し」を主目的として「国家国民のため働く」を中間目的としている。森親分のみに向けた無条件降伏でなければ言えない「森先生へのご恩返し」なる言葉だろう。無条件の従属宣言でもある。
この時代錯誤には驚くが、単に反麻生を言うな、言うなら「代表世話人を辞めてもらいたい」という“恫喝”を受けただけでかくかような時代錯誤の無条件降伏、無条件の従属宣言に至ったにしては、大芝居が過ぎるようにも思える。他にもより強力な“恫喝”が存在したのではないのかと勘繰らなければ素直に受け止めることができない不自然なまでの大芝居な時代錯誤に疑えた。疑うとなったなら、原因は一つしかない。
2000年10月18日の『朝日』朝刊を参考にすると、中川秀直は森内閣の官房長官をしていた2000年当時、右翼団体「日本青年社」との交際を週刊誌が報じたのに対して9月28日の衆議院予算委員会で「直接的には存じません」と否定したが、10月18日発売の写真週刊誌「フォーカス」に右翼団体「日本青年社」の幹部と会食している写真が掲載されることが分かると、民主党議員の両者の関係を質す質問主意書に政府は17日に「中川官房長官は日本青年社とは何ら関わりはない」、「日本青年社については、一般に知られていること以上の知識は有していない」といった答弁書を閣議決定したが、当たり前のことだが、そんな答弁書で野党の追及が収まるはずはない。悪いことをした場合、その殆どが最初は否定するのは大方の常識となっているからだ。
追及がやまず、辞任するまでに至ったプロセスを「Wikipedia」を参考に記すと、「2000年11月1日号の(発売は1週間前か)「フォーカス」が自宅寝室で愛人と一緒に撮った写真を掲載、その上東京放送、フジテレビジョン、テレビ東京など主要テレビ局が中川が覚醒剤常習者の愛人(とされる女性)に捜査情報を漏らす会話の録音テープを公開した。
中川とされる人物が「ともかく、なにか、覚醒剤の関係で警察も動いているよ、多少」「警視庁の保安課が動いているから。覚醒剤の動きが確かにあるよ。本当に……」「いや、君の関係を内偵しとるちゅうんだよ」
情報の出所については中川とされる人物が「それは警察情報だよ」「そう、私の方の情報だ」と捜査情報漏洩を犯している。
民主党長妻議員の国会追及「どう考えてもあなたの声なんですよ、言い回しも含めて」
中川秀直「そういう会話をした覚えはございません。記憶もございません。そしてまた、そのような情報を得てそういうことを伝えるなどという、そんなルートもなければ、そういうこともございません」
中川の寝室内で撮影した愛人とされる女性の写真については、中川の運転手に対し見知らぬ女性が中川邸を見たいとねだったため、運転手が女性の要求に従い寝室に案内したことがあり、雑誌に公開された写真はそのときに撮影したものではないか、と答弁したと言う。
中川の説明に対し、長妻は「常識で考えておかしい」「不可解な話」であると指摘。
だが、10月27日になると中川の主張は一転し、中川は録音テープの会話は「自分の声であったかもしれない」と表明し、一連の愛人騒動の責任をとる形で内閣官房長官辞任。・・・・・
運転手が中川邸を見たいからとねだられて、若い女を国会議員の寝室に案内したとはなかなか苦しい、だが見事な言い逃れだ。
派閥親分森喜朗は自身の政権の官房長官にまで重用している可愛い子分のスキャンダルの火消しに手を尽くしたに違いない。とにかく時代錯誤の親分肌の人間であり、それしか取り得がないのだから。その手の取り得はハッタリによってよりよく為し得る。森シーラカンスの声の質そのものがハッタリ向きにできている。麻生の声についても同じように言える。
直接的にか、鳩山邦夫の「私の友人の友人がアルカイダ」ではないが、間接的にか、あるいは友人をもう一人加えて間接的の間接的にか分からないが、その筋に対するにその筋――毒を以って毒を制すると言うわけで、その筋にも手を回した可能性を疑えないこともない。
さらに安倍内閣発足当時、安倍晋三党幹事長に麻生太郎を望んだが、森シーラカンスが反対、中川秀直を強く推し、2006年9月に安倍内閣時の自民党幹事長に就任。それらを持ち出して、恩を忘れたのかと言われたとしたら?――
恩を用いて自由なる言論を抑えることも言論の抑圧・統制に入る。森が言論抑圧者、あるいは言論統制者であることに変りはない。中川秀直にしても、最初に触れたが、福田辞任後の総裁選挙に森シーラカンスが麻生支持に回る中、同じ派閥の小池百合子を候補に擁立する“造反”を演じたばかりか、総理・総裁となった麻生に反旗を翻していながら、森シーラカンスの不興を買ったと言うだけで、あるいは昔の話を持ち出されて言いなりになったとしたなら、自ら手を貸して森の言論抑圧、あるいは言論統制を成功させたことになる。
中川秀直自身が福田元首相が記者会見を開いて突然辞任表明したとき、「とにかく驚いている。首相がそういう決断をした以上、開かれた党、党総裁選を行い、新布陣を作ることに全力を挙げたい」(「毎日jp」と述べている。
そう述べていながら、「開かれた党」であることを自ら閉じた。
いや、元々“開かれていない党”だったということなのだろう。各派閥に分かれてそれぞれの親分が統制していた自由民主党なのだから。その時代錯誤を今以て引きずっている。
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