〈5原則〉
▽原則1 官僚丸投げの政治から政治家主導の政治へ
▽原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ
▽原則3 各省の縦割りの省益から官邸主導の国益へ
▽原則4 タテ型の利権社会からヨコ型のきずなの社会へ
▽原則5 中央集権から地域主権へ。
【五つの約束】
〈約束1〉無駄遣い
国の総予算207兆円を全面組み替え。税金の無駄遣いと天下りを根絶。議員の世襲と企
業・団体献金は禁止し、衆院定数を80削減。
【各論】
▽特別会計は必要不可欠なもの以外廃止
▽独立行政法人は全廃も含めて抜本的見直し
▽霞が関の天下り団体となっている公益法人は原則廃止
▽随意契約、指名競争入札を実施する場合は徹底的な情報公開を義務付け
▽国家公務員の総人件費を2割削減
▽参院定数は衆院に準じて削減
▽役割を終えた租税特別措置は廃止し、必要なものは恒久措置に切り替え。
〈約束2〉子育て・教育
中学卒業まで1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給。高校は実質無償化し、大学
は奨学金を大幅に拡充。
【各論】
▽出産時に55万円まで助成
▽公立高校生のいる世帯に授業料相当額を助成
▽私立高校生のいる世帯に年額12万円(低所得世帯は24万円)を助成
▽大学生などに希望者全員が受けられる奨学金制度を創設
▽生活保護の母子加算を復活
▽教員養成課程を6年制とする。
〈約束3〉年金・医療
「年金通帳」で消えない年金。年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現。後
期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にする。
【各論】
▽「消えた年金」問題への対応を国家プロジェクトと位置付け、2年間集中的に取り組む
▽年金制度を一元化し、所得比例年金最低保障年金を創設する法律を2013年までに成立
▽社会保険庁は国税庁と統合して「歳入庁」とする
▽社会保障費2200億円の削減方針は撤回
▽医療従事者の増員に努める医療機関の診療報酬を増額
▽介護労働者の賃金を月額4万円引き上げ。
〈約束4〉地域主権
「地域主権」を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やす。農業の戸別所得補
償制度を創設。高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にする。
【各論】
▽国から地方への「ひもつき補助金」廃止。地方が自由に使える一括交付金化
▽国の出先機関を原則廃止
▽国直轄事業の負担金制度廃止
▽自動車関連諸税の暫定税率廃止
▽将来的にガソリン税、軽油引取税は「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化、自動車重
量税は自動車税と一本化、自動車取得税は廃止
▽畜産・酪農業、漁業にも所得補償制度導入
▽森林管理・環境保全直接支払制度導入
▽郵政株式売却凍結法を成立させ、郵政事業の4分社化を見直す。
〈約束5〉雇用・経済
中小企業の法人税率を11%に引き下げ。月額10万円の手当付き職業訓練制度により、求職者
を支援。地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てる。
【各論】
▽「中小企業いじめ防止法」を制定
▽原則、製造現場への派遣を禁止
▽最低賃金の全国平均1000円を目指す
▽温室効果ガス排出量は2020年までに1990年比25%減、2050年までに60%超減を目標とする。
(以上)――
対して自民党閣僚から、前々からの繰返しに過ぎないのだが、バラマキだとが財源が不明だとか、成長戦略を欠いているだとかの批判が飛び出た。政権喪失の現実味が相当に濃厚となって、心中穏やかでないのだろう。麻生首相を筆頭に各閣僚が言葉でケチをつけて国民に理解させようと躍起になっているが、どれもこれも何を喋ろうと、自民党は既に言葉の信用を失っている。自民党政治の結果としてある今ある社会の惨憺たる現状が自民党政治が発するすべての言葉を既に胡散臭いものとしていることの証明としてある言葉の信用喪失なのだが、いくら信用を失っていても、残されている武器は言葉しかないから、犬の遠吠えとしかならない批判を続けることになる。お目出度いことに信用を失っている言葉を発して信用させようとする自分たちの滑稽な倒錯に気づかない。
自民党政治が言葉の信用を失っていることの最も象徴的出来事が麻生首相の各種失言であろう。決して麻生首相の失言が自民党政治の言葉の信用喪失をつくり出しているわけではない。麻生首相が自民党政治の言葉の信用喪失と響き合わせて失言を繰返すことで、全体としての言葉の信用喪失になお一層の拍車をかけているに過ぎない。
当然麻生首相の責任は重いが、麻生一人だけの責任ではない。安倍・福田共政権は1年と維持できずに投げ出して自民党政治の言葉の信用喪失に磨きをかけている。
安倍・福田両内閣の閣僚や自民党議員も十分に手を貸した。それぞれに「選挙の顔」として支持に向けた雪崩現象まで演じて総理・総裁に選んでおきながら、支持率が低迷すると、これでは選挙が戦えないと手のひらを返したように今度は支持離れの雪崩現象を見事に演じた無節操も自民党政治の言葉の信用喪失に力を与えたはずだ。
最たる言葉の信用喪失は年金問題解決の政治舞台で見せた、元々果たされないことの代名詞と称される公約のタバコの吸殻を捨てるように捨てた無責任なポイ捨てに見ることができる。
07年5月30日の小沢・安倍党首討論で安倍首相は該当者不明の年金記録5000万件の調査を1年以内に目途を付ける方針を表明した。具体的には――
(1)標準的な受給開始年齢の60歳に達している記録2880万件と受給者3000万人を1年間で照合。
受給年齢に達していない被保険者も1年以内にすべて調査する。
(2)領収書や記録がないケースは第3者委員会で検討する。
5月30日の党首討論で「1年以内」を公約とした。07年5月31日を起点とすると、期限は08年5月30日となるのは国会議員なら誰でも計算できたはずた。ましてや総理大臣たる安倍晋三には「晋三」が「心臓」という名前でなくても終点がどこにあるかを理解していたはずである。
「わたしは政府の責任者だから大きな責任を感じている」と党首討論で責任を果たす強い決意まで述べていたのである。
「わたしは政府の責任者だから・・・・」――、何という勇ましい言葉か。
そして自らの政治力によって与野党逆転を演出せしめた07年7月29日の参議院選挙前の7月5日に当時の安倍首相は記者会見で次のように公約している。
「来年の3月までに、に於いて、いわば照合を行います」
「最後のお一人に至るまで、みなさまの年金の記録をチェックして・・・・、責任政党はできないことは言いません。しかし言ったことは必ず実行してまいります」(以上TBS)
「1年以内に名寄せを行い、突き合せを行う。そんな1年以内にできるわけないだろう、そんな批判が野党からもありました。私はさらに専門家にこの突き合せ、前倒しできないか、精査させました。そして結果、前倒しでそれが可能なことが明らかになったわけでございます」(日テレNEWS24)
07年5月30日の小沢民主党代表代表に約束した公約――「年金記録の1年以内の照合」が「08年の3月まで」と明確にリミットを切ったわけである。
ところが約4カ月後の07年8月27日に政権を投げ出して、あっさりと「1年以内」の公約をポイ捨てて、自民党政治の言葉の信用喪失に総理・総裁として足跡の残る大きな貢献を果たした。
さらに07年12月に入って、「1年以内の照合」が不可能だと分かると、安部に代る福田首相及び各閣僚共、元々見るべき実質を備えていなかった言葉の信用性をさらに裏切り、壊す方向に恥も外聞も捨てて舵を切った。
桝添(記者会見)「ここまでひどいというのは想定しておりませんでした。・・・・最初うまくいくかなあっと思って5合目ぐらいまでかなり順調でありました。そっから先、こうなったときに、こんなひどい岩山と言い、その、アイスバーンがあったのかっていう・・・・」
桝添「無いものは無いってことを分かる作業を3月までやるってことですから、それを着実にやってます」
桝添「3月末までにすべての問題を片付けると言った覚えはないんです」
――女性記者「じゃあ、それはいつまでですか?」
桝添「エンドレスです。それでできないこともありますよ。恐らく他の方が大臣になってやられたって、あの、結果は同じだと思います。無いものは無い」(以上日テレNEWS24)
「無いものは無い」と開き直った桝添。この男の正体がここにあることを忘れてはならない。
07年8月27日の安倍改造内閣で厚生労働大臣に任命された翌日の記者会見では次のように述べていたにも関わらずである。
桝添「公約の最後の1人、最後の1円まで確実にやるぞ、ということで取り組んでいきたい」(TBS)
町村官房長官(12月11日の記者会見)「最後の1人まで、最後の1円まで、これを全部3月にやると言ったわけではないわけでありまして、えー、選挙ですから、年度内にすべてと、まあ、縮めて言ってしまったわけですけれども」(同日テレNEWS24)
参議院選挙用に国民に大盤振舞いした言葉のご馳走に過ぎない、約束として発信した言葉ではないと言うのだから、言葉が備えるべき信用性など最初から縁なき邪魔者だったのだろう。
福田(07年12月11日夜の官邸)「まあ、『解決する』というように言ったかなあ――。名寄せすると、まあ、それをですね、来年の3月までにやると、ようなことを言ったかもしれませんけどね。そのあともずっと引き続き努力していくと、ま、いうことになりますよ」
10月3日の国会答弁では次のように言っていながらである。
福田首相「平成20年3までを目途に5000万件の年金記録について名寄せを実施すると共に・・・・」(TBS)
「Wikipedia」によると、安倍晋三はこう言っている。
安倍「今になって(参院選の)選挙演説の『最後の一人までチェックして支払います』が公約違反と言われるけど、俺は一言も三月までに支払うとは言ってない」
それぞれが『狼と少年』の「少年」を演じて言葉の信用喪失を積み上げてきた結果、癌で摘出手術を受けたために身体の器官を喪失した人間のように自民党政治は言葉の信用性を喪失した身体となったのである。当時小沢民主党代表が記者会で言っている。
小沢「まさに国民に対して、を冒涜する、責任を回避するいい加減な、無責任な言い草ではないかと思います」
自民党の誰が何を喋ろうとも、もはや誰からも信用されなくなった『狼と少年』の「少年」と化したのである。どう足掻いて批判しようが、誰が耳を傾けるだろうか。だが、政権の座からずり落ちそうになっている今、すっかり余裕を失って、何か言わなければ不安なのだろう、民主党がマニフェストを発表すると、誰にも信用されない言葉でここぞとばかりに一斉にこき下ろしにかかった。
与謝野財務・金融相「これだけ色々約束したわけですから、財政は破たん状態になる。タダにするものいっぱい、差し上げるものもいっぱい。税金の話は一切触りません。成長戦略も見えてこない。財政の状況はさらに悪くなるだろうと思う」
(「子ども手当」について)「うれしい側面だけを表に出している。誰が本当に負担するのかということについて触れられていない」
河村官房長官「マクロ経済に対する視点がない。成長戦略を持ってない。外交、安保政策が明確でない」
林経済財政相「ばらまき色が強いという印象。財源をどこから持ってくるのか不明瞭だ。・・・政権担当能力に疑問符をつけざるを得ない」
麻生首相「財源がきわめてあいまいだと思います。・・・(「子ども手当」「高校の無料化」等)何兆円かかります?5兆数億円かかると記憶しています。前は、(予算を)組み替えたら何となく財源が出てくる話を言っておられたが、無責任。聞こえのよいばらまきの話はきわめて危ない」(以上日テレNEWS24記事)
一番言葉の信用性とは縁をなくしている麻生太郎がそのことを棚上げにして批判する。
甘利行革担当相「一言で言いますと、ポピュリズムの極みですね。サービスの大安売りですけれども、こんなことを続けていけばですね、いずれ日本も閉店になりますね。・・・閉店セールをやっているみたいで」
野田聖子消費者行政担当相「甘い言葉には裏があると」(以上FNN記事)
そのくせ自民党は05年の郵政民営化選挙で掲げたマニフェスト(政権公約)の実現度を自己評価している。「毎日jp」記事によると、郵政民営化や公務員制度改革など計120項目のうち「達成」のA評価が55項目、「取り組み中」のB評価が65項目で、「未着手」のC評価はゼロ。
細田幹事長「民主党内には、郵政改革以外は何もやっていないという人もいるようだが、公約の背骨の部分はしっかりとやっている」(同毎日jp)
骨組み(=骨格)が出来上がっただけでは家は完成したとは言えない。骨組み(=骨格)は家を家として支える大事な要素だが、壁や床、屋根、そして生活備品が備わって、初めて家としての形が完成する。
確かに自民党政治は三位一体改革、地方分権改革、公務員改革、公益法人改革、医療や介護等の社会保障関係の改革、子育て関連の改革等、自民党政治が行うべき骨組み(=骨格)の部分は掲げ、先ずは細田が言う「背骨」の構築にかかった。
だが、家の骨組み(=骨格)は人間の骨組み(=骨格)と同様に「背骨」のみで出来上がっているわけではない。「背骨」の構築から出発して全体の骨組み(=骨格)の構築へと進み、壁や床、屋根の取り付け、そしてバスタブや流し台、その他の生活備品を備えて家を家として完成させなければ、建築の約束を果たしたとは言えない。
それぞれに改革に取り掛かったものの、地方は財政面でも経済面でも疲弊し、過疎化地域も増加し、地方の首長からの地方分権推進の声は喧騒を極め、公務員改革も公益法人改革も見るべき成果を上げずに先送りされて天下りは野放し、ムダ遣いは改まらないまま、医療、介護、出産・育児等の福祉問題も国民の満足を満たしていない。
要するに05年総選挙以降の自民党のどの内閣も改革だとして公約を掲げたものの、どの改革も扱いかねたのである。扱いかねた結果の改革の先送りであり、不備・未完成であろう。マニフェスト自己評価を「『達成』のA評価が55項目」としているが、住民が安心し、尚且つ満足して住める家として完成した政策がどこにあるというのだろうか。
多くの国民が生活の不安を言い、将来の不安を訴えていることから判断しても、細田の「公約の背骨の部分はしっかりとやっている」は体裁のいいゴマカシに過ぎないことが分かる。細田自体が言葉の信用を失っている自民党政治家の主たる一人なのである。何を言っても信用されないというのに「背骨」だけで公約を果たしたとする狡猾なすり替えをやらかしている。
麻生内閣は自らの景気対策を成果としているが、他人から借金して得たカネをさも自分のカネのように見せかけた親父から「いくらでも小遣いをやるから好きなものを買ってこい、銀行からカネを借りる担保がなくてもいくらでも借りれるようにしてやるから、好きなだけ借りてきて、好きなだけ使えばいい」と言われた子供たちが言われたとおりにすれば、少しぐらいはカネとモノが動いて経済は活性化する。これと似たような方法で赤字国債の借金をして予算をバラ撒き、低金利で融資を受けることができるように仕向けたのだから、僅かばかりのハッピーエンドは約束されようというもので、誇る程でもない、その程度の成果でしかないだろう。
政治や社会の改革という面から見た場合、自民党は政治の責任を果たしてこなかったのである。そのこと自体が言葉の信用を自ら損なうことだが、責任を果たさないまま、責任逃れに終始するから、尚一層のこと言葉の信用を失っていき、今では誰からも信用されなくなっている。
言葉の信用を自ら失墜させた自民党が民主党のマニフェストにケチをつけるべく、何を言っても始まらない。政策の財源を予算の組替やムダ遣いの根絶等で賄うとする民主党の言葉が信用できるかどうか、実際にやらせみて見守るしかないだろう。
「子ども手当」や「高校の無料化」、そして「高速道路無料化」に関して特に財源が不透明だと見ているようだが、「子ども手当」と「高校の無料化」については利益を受けた者が30歳以上程度から収入比率で受けた利益の一部を何らかの税の形で国庫に収める還元を行うことにすれば、ある程度の財源は将来的には循環することになるのではないだろうか。
社会から支援を受けて、応分に社会に返すことで、財源の一部を循環させる。
1人当たり月2万6千円の「子ども手当」の財源は現在の配偶者控除と扶養控除を見直して充てるということだが、この方式だと子どものいない家庭では負担増となるということだが、国からの手当による受益者が子ども、あるいは高校生から大人に成長したあと利益の将来的還元を行うことで、子どものいない家庭が受けることができなかった利益と配偶者控除と扶養控除見直によって受ける負担をある程度相殺するバランスをつくり出すことにつながらないだろうか。
民主党が〈配布した資料では、給与収入500万円の世帯で増収額は子ども1人で年間13.4万円、2人で同42.7万円。子どもがいない65歳未満の専業主婦世帯のうち納税世帯では税額が若干増えるとしたが、その割合は全世帯の4%未満と明記。給与収入500万円の世帯の減収額は同3.8万円と試算〉(asahi.com)してあるという。
「子ども手当」や「高校の無料化」、「高速道路無料化」、あるいは「最低賃金全国平均1000円」政策等によって手に入れることになるに違いない各家庭の親たちの生活上の経費負担の軽減=生活の余裕が何らかの消費に向かった場合、当然GDPに占める個人消費の割合を押し上げるだろうし、個人消費の増加は外需を補う内需拡大につながりもするはずである。
07年3月4日の『朝日』朝刊記事――《最低賃金時給1000円に引き上げた場合GDPが1.3兆円増加 労働総研試算》はその経済効果を次のように伝えている。
〈最低賃金を全国一律で時給1000円に引き上げたら、消費の活性化などで国内総生産(GDP)が0・27%、約1・3兆円増加するとの試算を民間シンクタンクの労働運動総合研究所(労働総研)がまとめた。
試算によると、時給1000円未満で働く労働者683万人の賃金を一律で1000円に引き上げた場合、企業が負担する賃金の支払額は2兆1857億円増える。だが、所得が増える分、家計の消費支出も1兆3234億円増えるため、企業の生産拡大などでGDPを1兆3517億円押し上げる経済波及効果があるとした。
一方、年収1500万~2千万の高所得者の賃金を同じ支払い総額分上げた場合、消費支出は7545億円増にとどまる。労働総研代表理事牧野富夫・日本大学経済学部長は「低所得者の賃上げの方が景気刺激策としては有効」と話す。
消費の内訳を見ると、低所得者層では食料品や繊維製品など中小・零細企業が多い産業分野にまわる傾向が強く、最低賃金上げの恩恵は中小企業の方が大きいと分析している。〉――
最低賃金一律1000円がもたらすと見ている「低所得者の賃上げの方が景気刺激策としては有効」、あるいは「最低賃金上げの恩恵は中小企業の方が大きい」とする影響を「子ども手当」や「高校の無料化」、「高速道路無料化」が親に与える生活上の余裕からの個人消費にも適用可能のはずで、最低賃金一律1000円と同様にGDPを押し上げもするだろう。
民主党がマニフェストに掲げた生活重視の政策が個人消費という形の内需拡大を形成し、それぞれにGDPを押し上げることになったら、政府歳入も増えることになる。歳入が増えると言うことは断るまでもなく、各種政策の財源へとつながっていく。
いわば民主党の生活重視政策そのものが成長戦略を描いていると言える。自民党の成長戦略がないという批判は、そもそもからして言葉の信用を失っているのだから、その批判の言葉自体が信用がないばかりか、まるきり当らない批判ということになる。
もしこの生活重視→個人消費の拡大→GDPの押し上げ→歳入増→内需型経済構造への転換という循環がうまくいったなら、例え高齢化による医療費の負担が消費税増税を迫っても、食品に限っては現状維持の税率で済ますことができるのではないだろうか。
もし済ますことができれば、その分、よりおいしい食品の消費に向かった場合、消費税としての歳入は期待できなくても、スーパー等の売り上げ増につながって、別の形での歳入増につながると思うのだが、どんなものだろうか。
今月7月27日に民主党が8月18日公示、8月30日投票の衆議院選挙に向けたマニフェスト(政権公約)を発表した。その要旨の主なところを7月27日付「時事ドットコム」記事――《民主マニフェストの要旨》から拾ってみる。
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