アキバ御用達総理大臣麻生太郎/マンガ文化を自らの知性とし、子供たちが「ふしゅう」(踏襲)していく

2008-11-14 08:45:11 | Weblog

 先月の10月26日、我が麻生太郎は首相就任後初となる街頭演説を東京は秋葉原駅前で行った。

 「こんばんは。麻生太郎です。今から2年前になりますが、2年前まったく同じこの秋葉原で、自由民主党の総裁選挙、あの当時は安倍晋三候補、谷垣禎一候補、そして麻生の3人の候補で、この秋葉原で総裁選挙の街頭遊説をさせていただきました。あのとき、なんだかしりませんが、麻生太郎、アキバではえらく受けた。おかげさまで、あれがブレークして、多くの方々にご支援をいただきましたが、残念ながらとどきませんでした。

 そして、今回、私にとりましては再びより、3回目、4回目の挑戦をさせていただいて、結果としてこのたび、自由民主党総裁にならさせていただき、今回はそのお礼もかねてここには、自由民主党総裁として、そして皆さん方から応援してもらったおかげさまをもって内閣総理大臣にもしていただきましたので、御礼かたがた秋葉原にこようと思って、今日はやってきました。自由民主党が、いろんなところで、街頭演説会というのをさせていただいていますが、少なくとも自由民主党が、麻生自由民主党総裁になってから、初めての街頭遊説はまず秋葉原からはじめねばいかん、そう思ってきょうはこの秋葉原にやってきました」(≪【麻生アキバ演説詳報】(1)「お礼かたがた秋葉原に来た」≫msn産経 /2008.10.26 22:48 )

 アキバ御用達総理大臣の面目躍如といった内容と名調子である。そして世界から市民権を獲得した日本のアニメ、漫画について次のように熱く、熱く語った。

 「知っているか、前にもここで話したけれど、国際マンガ賞は2回目、マンガはついにフランス語になった。みんなコミックなんていわない、マンガという。こういうことは完全に国際語になっていた。それはひとえに、日本のマンガ、アニメーション、そういったもののサブカルチャーといわれるものに世界で圧倒的に夢がある。日本の持っている文化というものは、なにも歌舞伎とか能とか狂言とかそういったものはもちろん、しかしそれよりぜんぜん違ったジャンル、違った分野で、日本のもつサブカルチャーの力というのが、広くアジアに限らずヨーロッパでもアメリカでも中南米でも広く読まれるようになり、いろんなマンガが右開きで、左じゃないよ、右開きで吹き出しだけが横文字になって、あとは全部日本語。

 雨が降ってあるところはしとしと、ざーざーってローマ字で書いてあるからね。おれは最初何語かな、と思って、ああ日本語だと、そう思うくらい。これは間違いなく日本語が普及しているんですよ。いま日本語を習っている人は中国でものすごい数にふえてきた。ひとえにマンガを原語で読みたいから。アニメーションを日本語で見てわかりたいから。こういったものが結果として日本というものを、強くわれわれに与えた影響としてわれわれ日本人が思っている以上に。つい日本語の話が聞いて頂ければと思ってさしていただきました。

 ぜひ今日、ここに足を運んでいただいた方々、なにもアキバにしょっちゅう、しょっちゅうおられる方ばかりではなさそう。いろんな世界の方がいらっしゃる。しかし、ぜひ皆さん方に分かっていただきたいと思っているのは、この日本という国はわれわれが思っている以上に、日本のマスコミが書く以上に、意外と世界の評価が高い。ぜひ、世界においてこれから最も期待をされている国は何たって日本人だと、そういう絶対の自信をもってわれわれは進んでいきたいと思っております」・・・・・・・・

 聞く者から見たら、アニメを乗り移らせ、マンガを乗り移らせてアニメの化身、マンガの化身と化した如き熱弁ではなかったろうか。アニメ、マンガを語らせたら、日本の政界で右に出る者はいない。左に出る者は何人かいるだろうが――確かこれ古い漫才のギャグだったと思う。

 マンガ、アニメが麻生太郎の知性と化し、脳ミソと化して、知性・脳ミソがマンガ化を遂げ、アニメ化を遂げることとなった。

 なぜなのか、「知っているか」。首相就任時から福田政権発足時よりも支持率は低く、いざ政権担当となったら、政策はコロコロ変る、リーダーシップはない、そのくせ高級ホテル通いは一人前だと支持率は下がる一方、人気は低迷、唯一人気を実感できる場所がアキバしかなくなった。

 その結果、時間の経過と共にアニメ・マンガに傾倒していかざるを得なかった、どっぷりとアニメ・マンガ漬けとならざるを得なかったから、麻生の知性・脳ミソ自体がマンガ化・アニメ化してしまったと言ったところだろう。

 その恐るべき成果に違いない。≪麻生首相:漢字は苦手? 頻繁に読み間違い≫「毎日jp」 2008年11月13日)

 ◇頻繁(ひんぱん)→はんざつ/踏襲(とうしゅう)→ふしゅう

 <国会答弁やあいさつで、麻生太郎首相の漢字の読み間違いが目立っている。12日に母校の学習院大学で行われた日中交流行事のあいさつで、用意された原稿では日中首脳会談に関し「1年のうちにこれだけ頻繁に首脳が往来したのは過去に例がない」とあったが、「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」と読み誤った。

 7日の参院本会議では、政府が過去のアジア諸国への侵略行為を謝罪した「村山談話」を「踏襲(とうしゅう)」と言うべきところを「ふしゅう」と答弁した。
 首相は12日夜、記者団から「読み間違いが多いという印象がある」と指摘され、「そうですか。単なる読み間違い」と答えた。【塙和也】>・・・・・・・

テレビでは四川省大地震を「未だかつて経験したことがない」という意味で「みぞう」(「未曾有」)と言うところを「みぞゆう」と形容したとも伝えている。

 マンガ、アニメに難しい漢字は似合わない。何てたってサブカルチャー、若者文化なのだから。マンガ好き、アニメ好きが高じて、知性・脳ミソがマンガ化を遂げ、アニメ化を遂げることとなって若者の漢字理解能力に近づいてしまった結果の「読み間違え」なのだ、ゼッタイ。

 誰でも読めるような簡単明快な漢字を読み間違えるスザンヌとか木下優樹菜とかの女性タレント、おバカキャラが愛嬌があって憎めなくて大好きで彼女たちが出演しているテレビをよく見るが、となると麻生太郎も好きにならなければならないおバカキャラと言うことになるが、おバカキャラが許される範囲はやはりテレビタレントどまりだろうから、麻生太郎までを好きになるわけにいかない。

 だが、麻生太郎としたら、折角アニメ化・マンガ化を遂げた知性・脳ミソを財産としたのである、縋る最後の砦はサブカルチャーの聖地アキバ。アキバ御用達の総理大臣として支持率回復・人気回復の手立てにマンガ、アニメを利用しない手はない。アニメ・マンガを学校教育にも持ち込み、教科書はすべてアニメ・マンガの類とし、授業が誰にでも理解でき、誰もが簡単に飛びつくことができるように麻生の存在自体みたいに内容を軽くする。

 テスト問題も漢字を読めなくても絵を見れば誰もが簡単に解けるように教科書のマンガ・アニメから出す。我が子のテストの成績が格段に上がったと父兄・母親は飛び上がって喜んで、アキバの若者男女に限らず、麻生様、麻生様々で人気回復、支持率アップは間違いなし。

 だが、その代償にやがては子供たちの知性も脳ミソもアニメ化・マンガ化して、アキバを知らずとも、行ったことがなくても、アキバ文化の精神的住人と化していく。

 やがて子供たちはアニメ・マンガから獲得したアニメそのものの才能、マンガそのものの想像性を世界に「はんざつ」(頻繁)に発信するようになる。後に続く子供たちが「ふしゅう」(踏襲)していく。そして日本の子供たちのアニメ知性・マンガ脳ミソが「最も期待をされている国は何たって日本人だと」世界的に市民権を獲得していく。メデタシ、メデタシ。麻生も優秀・「みぞゆう」(「未曾有」)な総理大臣として日本の政治史に名を残す。


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