現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

地獄極楽その2

2008-03-07 22:59:31 | 虚無僧日記
津の本願寺での「ひなまつり」によばれた。
檀家のよし子さんが、いつものように、お赤飯
に炊込ご飯。漬物に切干大根の煮物はじめ、
いろいろ調理した惣菜を持ってきてくれた。
何品もある。野菜だけの精進料理だが旨い、
実においしい。
こんなにおいしいものがふだんから食べれる
なんてうらやましい、ここは“極楽”と思ったが、
よし子さんは、「農家に嫁いできて、昼も夜もなく
働き、舅、姑に、飲んだくれの亭主に仕え、ちっと
もいいこと無かった。今旦那が脳梗塞で倒れ、その
介護と、“この世は辛いことばかり“地獄だ”」と、
つらつらこぼす。

ウーん、何ひとつ苦労のない私では、いたわる
言葉一つもかけられなかった。

よし子さんは、働き者だ。料理だけでなく、ひな
祭りの来てくれた人にと、さまざまな形のひな人形を
100セットも作って持ってきてくれた。何日か夜を徹して
作ったのだろう。いつも頭が下がる。

地獄極楽 その3

2008-03-07 22:59:16 | 虚無僧日記
津の本願寺で、よし子さんの手料理と、
安寿さんの天ぷらに舌鼓を打つ。惣菜は
自家菜園の新鮮な野菜。庭でいくらでも
採れるという蕗の薹の天ぷら。あの苦味が
なんともいえない美味。人参の天ぷらも
お芋のように甘くホコホコしておいしい。
「こんな人参スーパーでは売っていない」と
人参嫌いだった私がタラフク食べた。

子供の頃は野菜嫌いだった。父の生家に
行くと野菜ばかり、食事時が地獄だった。
今、精進料理が最高のぜいたく。極楽、
極楽。味覚も歳とともに変わるのか。

ふきのとう

2008-03-07 22:56:30 | 虚無僧日記
古川太郎の作品に『蕗の薹』というのがあった。
「ひとつ食べ、また一つ食べ」と、筝の爪弾きに
乗せて、私の師、堀井小二朗が歌う。実に旨そう
に歌った。一度“蕗の薹”とやらを食べてみたい
ものだと思っていた。

それが、津の本願寺で「庭にいくらでも生えて
いるから」と檀家さんが持ってきてくれた蕗の
薹を、安寿さんが天ぷらにして出してくれた。
大きなお皿二つに山盛り。10個以上は食べたか。
旨い、あの香りと苦味がなんともいえない。

翌日、名古屋の都会娘の林さんが「“ふきみそ”
もらったけど、誰も食べないから」と、ひと瓶
くれた。ひと瓶一日で食べてしまった。やみつき
になった。満足。