現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

文覚上人と袈裟御前

2008-03-17 10:33:29 | 虚無僧日記
『袈裟』といえば、袈裟御前の故事を思い浮かべる。

北面の武士遠藤盛遠は、同族の渡辺亘の妻“袈裟御前”
に横恋慕。一二度の火遊びから、執着を絶ち難くなり、
「渡辺と別れて俺の妻になれ」と迫る。
思案の末、袈裟は「今夜、夫が寝入っている隙に、夫を
殺してくれ」と頼む。盛遠がその夜、寝所に忍び込んで、
殺した相手は、なんと袈裟御前だった。
渡辺亘は、事の次第を知ると、盛遠の罪を「神仏に委ねる」
と、出家してしまった。自らの罪に畏れおののく盛遠は、
出家して文覚となった。

妻を殺されながらも復讐を思いとどまって出家する渡辺亘。
己の罪を悔いて出家する盛遠。二人を仏門に導いたのが
“袈裟”という名の女人だ。

同じように、『平家物語』で清盛の寵愛を受けながら、
ライバルにその座を追われた祇王。そのライバルの名が
“仏御前”。恨み心を捨てる悟りに導いたのがそのもの
ズバリ“仏”。
そういえば、一休の相手をする遊女は“地獄太夫”。
ネーミングがみな大胆だ。


すみません

2008-03-17 07:57:46 | 心の問題
日本人は感謝の言葉としても「すみません」を使う。
外人に「サンキュー」というべきところを「I am sorry」
と言って怪訝な顔をされたとか。日本人のニュアンスは
外国人には伝わらないようだ。

食事の前に言う「いただきます」も外国には無い。
「おかげさま」「もったいない」も訳せないそうだ。
折から地球環境問題で「もったいない」は世界の共通語
になりつつあるらしい。

実践倫理宏正会の会誌『倫風』に、筑波大学名誉教授
むらかみ・かずお氏の寄稿。
「日本人の優れた精神文化が、今世界で求められている。
21世紀は『日本の世紀』になる」と。心強い。

そういえば、尺八も海外ではブームだ。座禅などは
ニューヨークでは、座禅道場の会員になるのに、2,000名
が空き待ちの状況とか。わが吸江流一路会も会員1,000名
を目指す希望が見えてきた。

ありがとう つづき

2008-03-17 07:17:24 | 心の問題
関西吟詩45周年の統一テーマは『ありがとう』。
松原市長も、挨拶でそのことに言及して、
「私もS37年3月27日に結婚したので、今年で結婚
45周年ということを気づかせてもらった、ありがとう。
結婚記念日には、妻に“ありがとう”と言おうかな」
とスピーチして、拍手が起きた。そして『本丸御殿
復元』への寄付に、また“ありがとう”を連発。

松原市長はいつも原稿無し。挨拶が終わるとすぐ
退席される。席は設けてあるのだが、飲食物には
一切手を付けない。料理が無駄になるのだが、後で
問題にならないように細心の気遣い、大変なことだ。

いつぞや、個人主催のお茶会に来られた時は、身内の
運転するマイカーで。帰りはこれから公務に行くので
公用車と、えらい気の使いよう。

名古屋市も“裏金問題”が表面下し、市長も減給とか。
お気の毒。

関西吟詩45周年

2008-03-17 01:05:59 | 虚無僧日記
3/16(日)名古屋城前のキャッスルホテルで
(社)関西吟詩文化協会の創立45周年記念
式典があった。会員700、来賓300、総勢1000名
という盛大なパーティだった。

「関西吟詩」とは関西学院のOBが始めたから
「関西」と云うのであって、全国に3万人。
名古屋は、伊東鷺伸によって、1時1,800名の
会員を擁するまで栄えた。一人の人が、これまで
に1万人以上の会員を育てたことになる。

尺八都山流の流祖、中尾都山も北は樺太から
南は台湾、さらに朝鮮まで旅をして、一代で
会員3万人にまでした。時流に乗ったか。時流
を起こすにはどうすればいいのだ。
いつか自分も「一路会」を1000人にしたい。



君が代

2008-03-17 01:05:39 | 社会問題
関西吟詩創立45周年パーティで、松原市長の挨拶。

「“君が代”をこんなに、力強く、正々堂々と聞いた
のは久しぶり。皆さんが、日本文化を愛し、心から
歌い上げていることが、伝わってきた」と。

私もそう感じた。ある小学校の卒業式に参加した時、
「君が代」を誰も歌わない。生徒も先生も父兄も、
声が小さく聞こえてこない。私ひとり声を張り上げて
歌ったが、ピアノのキィが高くて、高い所では声が
出ず、大恥かいた。なんてこった。歌わないのではなく、
歌えないのだ。

東京都知事は「君が代」を歌わない教員を処分したり
して躍起となっているが、東京が最低。一方、沖縄が
100%というのは不思議な気がする。

名古屋学検定試験

2008-03-17 01:05:24 | 虚無僧日記
関西吟詩のパーティで、松原市長の挨拶、つづき。

本丸御殿の復元に話が及び、最後に
「5/10ゴテン(御殿)の日、名古屋についての知識
を問う検定試験が行われます。どんな問題が出るか、
一つだけ教えましょう。尾張徳川家の祖はどこで生ま
れたか」

私は、すかさず「大坂」と答えた。1600年関が原の後、
家康は大坂城に入って、江戸からお亀の方を呼び寄せ、
9男義直が生まれたのだ。義直が尾張に入国したのは
元和2(1616)年のことである。

名古屋の知識を問う検定試験とやら受けてみるか。
2010年は名古屋城創建から400年。名古屋は「歴史」
を観光の目玉にしようと今画策している。虚無僧も
名古屋の観光に一役かって出よう。

藤田六郎兵衛

2008-03-17 00:57:08 | 虚無僧日記
(社)関西吟詩文化協会45周年記念式典。
オープニングは、能の笛方、藤田流11代目藤田
六郎兵衛の能管で始まった。名古屋では有名人だ。
肥満の身体をゆさぶって、顔をふくらませて吹く。
鷺伸会会長の伊東鷺伸は、謝辞の中で
「身体を張って、目一杯吹く。すばらしいですね。
詩吟もあのように」と述べていたが、はて?。

正直私は、藤田氏の笛は好きではない。
黒澤明監督の『乱』で使われた鯉沼廣行の笛の方が
好きだ。詩吟でも、上手い人は、押すだけではない、
引くところがあって、強さも生きる。藤田氏のは
押すだけで引きがない。せわしない。息苦しい。
うるさい。

何人かの人が「(牧原)先生の尺八の方が良かった」
と言ってくれた。お世辞半分でもうれしい。
しかし、今日のところは私の負けだ。恰幅の良さ、
存在感で負けている。1000人の人を圧倒する力は
私の尺八にはない。勝ち負けにこだわる私である。

終わって、名古屋駅前で虚無僧をすることに。私の
尺八は、何人の人の心を打つことができるだろう。

9日連続

2008-03-17 00:33:00 | 虚無僧日記
キャッスルホテルでの『関西吟詩45周年』
記念式典とパーティは、午後2時から夜7時
まで延々5時間に及んだ。
私は、パーティが終わる前に飛び出し、車の
中で虚無僧に着替えて、名古屋駅に立った。
今日で9日連続達成。

黒の礼服を着た紳士が、近づいてきて喜捨して
くださった。「私たちは詩吟をやっております」
見ると関西吟詩のバッジ。「私も先ほどまで
キャッスルホテルにいました」「えっ」である。
私の知らないグループの方々だった。

続いて、女性二人「あら、やっぱり先生!」
そしてまた数名の一団。石井磊伸とそのグループ。
名鉄駅前に歓声が響き渡った。

いつもこうだといい。つまり、私を知っている人が
絶えず集まってくれる状況。それにはまず100日
連続を達成するのだ。一日1万人として、100日で
100万人の人の目に触れたことになる。そして、
目指せ、公演100回だ。