現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

鹿の遠音

2008-03-20 23:50:56 | 虚無僧日記
尺八本曲の『鹿の遠音』
以前は中学校の音楽の鑑賞曲になっていたので
記憶にある方もいよう。我々の世代は、この
『鹿の遠音』を吹きたくて、尺八を始めたものだ。
最近は、あまり聞かなくなった。

この曲のどの部分が鹿の鳴き声なのか、ずっと
疑問に思っていた。鹿はめったに啼かない。
学生の頃、奈良の東大寺近辺で野宿したことが
あった。夜中、あちこちで鹿の目が金色に光る。
とても不気味だ。気がつくと、一頭が私の側まで
寄ってきて、ググ、ググと鼻を鳴らす。警戒の
声らしい。それ以外には聞いたことがなかった。

インターネットで「鹿の鳴き声」で検索すると
あった。鹿は9月から11月が発情期で、この間、
オスは縄張りを作ってメスを囲う。それを誇示
するかの如く、他のオスへの威嚇で、フィーヨー、
フィーヨーと甲高い声を発する。
メスはめったに鳴かないが、子供を呼ぶ時など
キュイーンと鳴く。とのこと。表現し難い、一種
独特の鳴き声だ。


「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の
          声聞く時ぞ秋は悲しき」

この歌は、みごとに鹿の鳴き声を表わしている。