現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

20日経って総括

2008-03-29 07:55:14 | 虚無僧日記
「期待すると裏切られる。決め付けてはいけない」
そんなことが、20日間で得た教訓だ。
虚無僧に一番理解があるのは、中高年者かと思い
きや、意外にもお布施される方は少ない。
夫婦づれで、男性の方が布施されようとすると、
奥様の方がさえぎる、という場面が三度ほどあった。

若い女性を連れた紳士は別。“いい格好しい”なのか、
「虚無僧というのはだな」と彼女に薀蓄を述べながら、
財布を出す。「昔は、この天蓋に触ろうものなら、
切り捨てられたんだ。幕府の隠密だったからな」
「尺八は難しいんだ。1尺8寸だから尺八と言ってな」

「ふうーん」わかったような解からぬような顔の彼女。
「そんなことどうでもいいから、行きましょ」と、
紳士の袖を引く。さようなら~、お幸せに。


暗がりでこわそう

2008-03-29 06:32:09 | 虚無僧日記
虚無僧の原型は、鎌倉時代に始まる『ボロ』だ。
ボロボロの着物をきているから「ぼろ、暮露」。
やがて薦筵(こもむしろ)を持って歩き、薦に
くるまって野宿するから『こも=薦』「薦僧」。
そして「虚無僧」の漢字を当てた。
30年くらい前、虚無僧で歩いていると「おこも
さん」と呼ばれた。「こむそう」の丁寧な
呼び方かと思っていたが、「お薦さん」は乞食
のことだった。

その「お薦さん」スタイルで、暗がりで尺八を
吹いていたら、突然「きゃあー!」という悲鳴。
黒い着物だから、よけい目立たなかったのだろう。
私を見て、若い女性が仲間の男性の袖にすがり
つき、騒ぎまくっていた。そんなに「こわそう?」
私は「善なるこむそう」なんですが。罪作り。

3/28連続20日目

2008-03-29 06:18:03 | 虚無僧日記
3/30の「滝みそぎ」に参加するための訓練と、
水風呂などにはいるものだから、風邪ひいたか。
今日は、朝から、頭がガンガン、身体の節々が
痛い。
こんな気分の時は、ボロボロの天蓋にヨレヨレの
黒い衣、足は素足に下駄、という出で立ちで、
ヨロヨロ名古屋駅をうろつく。どうみても乞食だ。
後ろで「カッコいい」の声。若い女性が私の前に
回りこみ、「写真撮ってもいいですかぁ」と。
私は立ち止まり、軽く会釈。彼女は写真を撮り
ながらも「かっこいい」を連発。数人の仲間に
同意を求めていたが、仲間は「はて?」の顔。
きちんと手を合わせ、おじぎをして、100円玉を
入れてくれ、仲間と去っていった。
ボロボロの乞食スタイルでも“かっこいい”?
元気付けられて、結局11時まで頑張って吹いた。