現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

古鏡の尺八

2008-04-14 23:35:31 | 尺八・一節切
Yahooオークションで出された「古鏡」の尺八。
3万円台で動かなかったが、締め切り直前に
デットヒート。競り合いで11万で落とされた。
歴史的骨董的価値は1,000万はする代物だ。
こんな値段で落とせたら、超掘り出し物。私は
欲しくても無一文。誰の手に渡るか、手に汗
握り、ハラハラドキドキしながら見守った。
価値の判らぬ人に渡ったら、改造されたりして
大変なことになる。

落札したのは、以前「鈴虫の蒔絵入り一節切」
や「鈴木孝道(樋口対山)」の尺八を落とされた
方。このブログも見ていただいている方だ。
本当に良かった。ありがとう“竹ちゃん”さん。

ようやく認知されつつ

2008-04-14 10:58:38 | 虚無僧日記
名古屋ドームで「上手いなぁ」と声かけて
くださった方。「この前、名古屋駅でも見かけ
ましたよ。着物が違いますよね。尺八も」と。
二度会うと、声をかけてみようという気になる
ようだ。

二度目にお会いした“笛吹き”さんも、「この
前の時より音色が違いますね。音に伸びが
ある」と。

結構、見られている。聞かれている。
TVCMでも、4回見て、ようやく「しょっ
ちゅうやってるね」と認知されるとか。
同じ人に4回会うまで、毎日虚無僧だ!

ひきこもり

2008-04-14 10:33:29 | 社会問題
若い人の“ひきこもり”は、今や160万人。
“準”もいれると300万人にもなるとか。

虚無僧って、実は“引き籠り”の元祖だ。
戦国時代が終わり、江戸の太平の世となる
と、たくさんの浪人が出た。彼等の一部が、
世を儚み、世を厭い、環境不適応で虚無僧
となった。天蓋で顔を隠すのも“引き籠り”。
「引きこもりの僧」だから「こも僧」だ。
(??これってスゴイ、新・珍説だ)

実は私も、若い時「厭世家」だった。根暗で
対人恐怖性、いつも死ぬことばかり考えていた。
だから虚無僧に憧れて、尺八など始めたのだ。
それが18歳の時、野垂れ死にするつもりで
虚無僧の旅に出て、性格が変わった。
中学や大学のクラス会でも、みな「牧原が
こんなおしゃべりだったとは」と驚く。

“ひきこもり”の人には尺八は最適だ。上手
下手もない。自分のペースで自分の世界を楽し
めるのだ。音が出るようになれば達成感もある。
シンセの平野さんも、そうした方々を対象に
したボランティア活動をしているとか。

今どきのシニア世代

2008-04-14 10:09:04 | 虚無僧日記
12,13の土日、名古屋ドームで「アクティブ・
シニア」と銘打ったイベントがあると聞いて、
虚無僧姿で行ってみた。シニア世代が次々と
通る。そこで夫婦三態。

(その1)「仲良く手をつないで」という夫婦は
さすが少ない。一組だけ。夫の影に寄り添う
ように、奥様も近づいてこられ、ニコニコ笑顔。
ご主人に続いて奥様も喜捨された。「ご夫婦
円満で、お幸せですね」と声をかけさせて
いただいた。夫唱婦随。

(その2)ほとんどの夫婦が、離れて歩いている。
夫の方が私をみて財布を出すと、妻が駆け寄って
制止する。奥様は財布の紐が固い。堅実家。
夫はロマンチスト。虚無僧に「束縛されない自由」
を感じて、うらやましい視線を送ってる。そんな
恐妻夫婦が3組。

(その3)夫が妻に「あの虚無僧に」と顔で合図
すると、奥様が財布から小銭を取り出して私の
方に来られ喜捨。今どきめずらしい亭主関白。
かっこいい!。

さて、通行人の中で夫婦そろってというのは
実はごくわずか、1割もいない。ほとんどが、
女性ばかりのグループ。男性同士連れ立って
というのが2割。残り2割は母と娘、それに
孫を連れてという取り合わせだった。

やはり、熟年離婚の危機か。




名古屋駅地下街の貼紙

2008-04-14 07:56:33 | 虚無僧日記
地下街で、虚無僧が立つには丁度よいような
所には、デーンと貼紙がされている。
「ビラ、チラシ配り、物品販売、勧誘、托鉢等
をする人は、入れません」と。
「してはいけません」ではなく、「(地下街には)
入れません」だ。これを厳密に解釈すると、
物品販売する人、托鉢する職業の人は「通行も
禁止」となる。これって職業差別ではないか?

最近、いかがわしい托鉢僧はすっかり姿を消
した。虚無僧は、もっといかがわしいか?

今どきの若い人 3

2008-04-14 07:42:39 | 虚無僧日記
名古屋駅構内を歩いていると、若いカップルが
近寄ってきた。「一曲お願いします」と500円
入れてくれた。ここではまずいと思いながら、
求めに応じて、ほんの2分。「下がり葉」の一節
を吹く。その間二人で手を合わせて神妙に聞いて
くれている。終わると「ありがとうございました」
と丁寧に頭を下げられ、男性が彼女に「これで
いいことある。絶対ある!」と。
私もそれを心から願って“気”を込めて吹いた。
彼等にいいことが起きれば、「あの虚無僧さんは
念力がある」と評判を立ててくれるかな?

今どきの若い人  2

2008-04-14 07:36:13 | 虚無僧日記
名古屋駅構内を歩いていると、「カッコいい!、
なにこれ?(天蓋を指して)見えてるの?、何が
目的でやってんの?」と、派手な柄のシャツを
着た若者が声かけてきた。彼女と腕を組んでる。
「虚無僧、知らない?」「知らない、(尺八を
指して)これは何?」「尺八、知らない?」
「知らない」
そこで、駅構内だが「ピヒャー」と一吹き。
すると、周りで注目していた人たちからも
「オーッ」とどよめきの声があがった。

ブーブー吹きまくっているより、一発で歓声
が出た。“一発芸”だ。「一音成仏」を悟る。