現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

ものすごい記憶力

2008-04-16 09:14:41 | 虚無僧日記
4/15
身長180cm近い大柄な若い男性が私の前に
立ちはだかった。「藤本です」と、「はて?」
「以前名鉄の方で吹いていましたよね」と。
かすかに思い出した。もう2、3年も前に声を
かけてくれた人だ。彼の記憶力はすごい。
「確か、慶応卒でしたよね」。「忘れました」。
「娘さんが二人いて」、(そんなことまで話したか?!)

そして「一休」の話に及ぶと「一休は後小松天皇
の子で、足利義満の野望のために安国寺にいれ
られた。母は楠木氏で、楠木正成は〇〇年に生
まれて1336年湊川で死んだ。その子孫の楠正明と
いう人が今門真市に住んでいて・・・」と、さらに、
足利義満、義教、義政、義昭、信長、秀吉、明智
光秀まで、滔々と話す。2,30分とめどなく続く。
(あのあの“営業妨害”いや、“修行の妨げ”なん
ですが・・・)。まだ話したりないらしく、明日も来る
という。さてはて、これも受け入れる修行か。
それにしても、年号まで記憶しているとは、一体
何者??。

嘘をついたら

2008-04-16 07:36:14 | 虚無僧日記
JR名古屋駅に向かう途中、近鉄前で路上に
色紙を並べて売っている若い男性がいた。
「あなたの顔を見てインスピレーションで(何か
ことばを)書きます」とある。しばらく見ていると、
男性が立ち上がって「入れさせていただきます」
と。思わず「いえ、いいです」と断ってしまった。
「あなたの書が欲しいが、今はお金がないので、
後で」と、辞去した。
実は、偈箱の中に、封筒に入れた2,000円が
入っていたのだから、嘘をついたことになる。

仏徒として守るべき『五戒文』というのがある。
「不殺生戒、不偸盗戒、不邪淫戒」。そして
第四が「不妄語戒」(嘘を言いません)。それを
破ってしまった。そしたらテキメン。後でその
2,000円の入った封筒を失うことになった。
「お金を持ってない」と言ったので、仏意で
その通りになったのだ。
                 つづく

書心者 間琴(まこと)さん

2008-04-16 07:35:58 | 虚無僧日記
4/15のつづき
JR名古屋駅前で尺八を吹いていると、若い男性が
近づいて来、二千円も入れてくれた。顔を見ると
先ほどの、路上で、色紙に“ことば”を書いていた
男性。連れの男性が「これって何?」と聞く。彼が
「喜捨することによって、徳を積ませていただく、
“隠徳”だね」と、友人に説明している。さすがで
ある。
何か一緒にできることがあればと、ひとしきり話を
し、名刺をいただいた。
先ほど、出された布施を断ったのに、彼は律儀に
入れに来てくれたのだ。“徳積み”を断るという
ことは大変失礼なことだったと反省。
                    つづく

すべては仏意

2008-04-16 07:35:31 | 虚無僧日記
4/15 つづき
さて、その後も、帰ろうとすると、若い夫婦が駆け
寄ってこられ、「これって何ですか?、初めて見た、
すごく興味があります。お話しを聞かせてください」
と。もう11時を回っているので、日曜日4/20の午後
3時半に再度この場所でお会いすることにした。

そして、念のため、連絡先を書いてもらうのに、
紙が無く、2,000円のはいった封筒を出して、
そこに書いてもらった。のだが、私も舞い上が
ってしまっていて、その封筒を受け取らずに
別れてしまった。いや、受け取ったのに落とし
たのか、家に帰ったら無い。これもすべて仏意。

先ほどの男性に「お金が無い」と嘘をついたこと。
せっかく2,000円差し出されたのに、最初断った
こと。
「あなたは、この2,000円は要らないのですね」
という仏の声が聞こえてくるようで、“ハハッ”
と反省。


4/15の出来事

2008-04-16 00:29:12 | 虚無僧日記
4/15(火)夜8時~。
昨夜は暖かかった。目の前の階段に数名の方が
座って、じっと私の尺八に耳を傾けてくれた。
最初に作家風の中年男性。腰をおろすと、まず私
に向かって丁寧に合掌された。作業服姿の男性も
一人、二人と。白人の若い男性は、ずっとビデオ
を回している。もう一人白人男性が来て、真剣な
顔で聞いてくれている。いい身なりのご婦人が、
私の真正面に腰をおろして、じっと私を見つめて
何か物思いにふけるように聞いてくださった。

張り切って「アメージング・グレース」に「ア
ランフェス」まで吹いてしまった。独演会だ。
気がつくと10時を周っている。2、30分も座って
聞いてくださったご婦人は、立ち上がると私の
前までこられ「ありがとうございました」と、
1,000円札を入れてくださった。白人も寄ってきて、
チャリンと。
このあとステキな出会いが次々とあった。
                    つづく