目つきの悪い40前後の作業服の男が近づいてきた。
天蓋に手をかけて「にせ坊主!」と怒鳴ってきた。
昔ならお手打ちものだ。天蓋はカンタンには取れない。
以前取られたことがあるので、厳重にしばっている。
後ろで束ねた髪を見せて「坊主に見えますか?」と
「勤行できるのか?」「すべては尺八で」
「托鉢なら鉢を持ってなきゃいかんだろ?」
「はい、鉄鉢(テッパツ)の代わりが、この偈箱です。」
と、いちいち反論したいところだが、じっとこらえて
「顔、見たいですか?」と云ったら
「見たくねぇ」と手を離した。
「勤行できるのか?」 尺八を見せただけ。
「托鉢なら、鉢はもってなきゃ」 偈箱を手で示す。
これで、彼は首をかしげて行ってしまった。
『無言の行』成功!
天蓋に手をかけて「にせ坊主!」と怒鳴ってきた。
昔ならお手打ちものだ。天蓋はカンタンには取れない。
以前取られたことがあるので、厳重にしばっている。
後ろで束ねた髪を見せて「坊主に見えますか?」と
「勤行できるのか?」「すべては尺八で」
「托鉢なら鉢を持ってなきゃいかんだろ?」
「はい、鉄鉢(テッパツ)の代わりが、この偈箱です。」
と、いちいち反論したいところだが、じっとこらえて
「顔、見たいですか?」と云ったら
「見たくねぇ」と手を離した。
「勤行できるのか?」 尺八を見せただけ。
「托鉢なら、鉢はもってなきゃ」 偈箱を手で示す。
これで、彼は首をかしげて行ってしまった。
『無言の行』成功!