ケイの読書日記

個人が書く書評

二階堂黎人「誘拐犯の不思議」

2011-02-22 09:55:35 | Weblog
 1987年、水乃サトル23才。留年して大学5年生だった時の事件。
 当時サトルがつきあっていた女子学生が、10ヶ月ほど前に誘拐された事を告白。警察には連絡せず身代金を払ったため、彼女は無事救出された。犯人は捕まらず、事件は未解決のまま。
 恋人が再び襲われないよう、サトルは捜査に乗り出す。

 サトルだけでもチャラいのに、その上、シオンというメイクアップアーチストを目指している専門学校生がワトソン役で登場するので、チャラ男が満載でげっそり!
 (サトルも就職して旅行代理店勤務になると、少しチャラ度が薄れるけど)


 しかし、さすが二階堂黎人の作品らしく、見事なアリバイトリックの本格モノ。でも肝心な所がどうも腑に落ちないな。
 「音大生誘拐事件」と「ホームレス殺人事件」をなぜリンクする必要があるのかな。それぞれに独立したしっかりしたトリックがあるのに。
 リンクさせる事によりそれぞれの事件の印象が薄まった気がする。

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