日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

郵政民営化と小倉昌男さん

2005-07-02 12:17:54 | アラカルト
昨日のエントリー「やめる勇気」にトラックバックを下さった「思考の迷路」のonodas21thさん、ありがとうございました。
ご自身が建設業界に身をおかれていると言うことで、とても説得力がありますね。
一番変わらなくてはいけないのは、私たち自身が「自己利益を優先させた政治家選択」と言う発想なのかも知れませんね。

さて、今週ある訃報が新聞に掲載されていた。
小倉昌男さんという方が亡くなった、という報である。
この小倉さんと言うのは「ヤマト運輸」の元社長さんのことである。
そう「宅配便」という事業の生みの親である。

「ヤマト運輸」という企業は、とにかく「直球勝負」の企業として有名だった。
だいぶ前、ヤマト運輸が唯一営業できなかった県がある。
山梨県である。
「何故、山梨県で営業できなかったか?」といえば、ヤマト運輸が現在の国土交通省と喧嘩をしていたのだ。
当時は、山梨県出身で「道路族のドン」といわれた、故金丸信元副総理がお元気だった頃。
「政治家にイイ顔をして、事業を広げるのは信条ではない。お客様へのサービス向上が企業を育てるのだ」というポリシーを持っていたからとも言われている。
それが「佐川急便事件」へと繋がり、金丸氏本人が失脚すると言うのは、皮肉なことかも知れない。

時が流れ・・・いまや「宅配」のライバル事業体「郵政」の民営化の嵐が吹いている。
民営化をしたい小泉首相の考えは「郵便貯金や簡易保険などのお金が、道路公団などの特殊法人へと無尽蔵に融資されている」ということがある。
確かに、そういう理由であるのなら「郵政民営化」は、仕方ないと思う。
反対をする国会議員さんたちの意見が、どうも見えてこない。
盛んに「合理化で田舎の郵便局は、なくなってしまうのですよ」と、声高に叫んでいるのだが・・・。
冷静に考えると、田舎の郵便局は大きなビジネスチャンスと捉えることができる。
と言うのも、田舎に行けば行くほど、都市銀行は言うに及ばず地方銀行の支店すらないところが、多いのだ。
むしろ、都市部の商業地区内に数え切れないほどある「兼業型の小さな郵便局」のほうが、合理化の対象となるはずだからだ。
そして、反対派のよりどころ「ユニバーサルサービス」についても、「全国均一のサービスの提供」と言っているようだが、本当の「ユニバーサルサービス」の意味は、博報堂の「博報堂生活総合研究所」にある「ユニバーサルサービス」の考えのほうがフィットするように感じる。
言葉だけの「上っ面ユニバーサルサービス」になっているのでは?
とすれば、反対の理由はなんだろう?
「やはり選挙なのではないか?」と、勘ぐられても仕方ないような気がする。
元々、この論議の争点が最初からズレているのでは?

そう言えば・・・ヤマト運輸は「郵政民営化反対」を全面に意見広告として、新聞に出していた。
やはり「直球勝負」の企業のようだ。

今日の毎日新聞の「余禄」に小倉昌男さんについての記事があった。
小倉さんについての人となりは、こちらをご覧あれ。