日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

この素晴らしき世界-世界遺産-

2005-07-14 19:12:58 | アラカルト
「やめる勇気」にコメントを下さったsamさん、ありがとうございました。
「談合」の問題は、日本の抱える様々な一面を表しているような気がします。
一つは、「建設業界」そのものが、良い意味での競争に晒されてこなかったために事業体規模に比べ、その企業力が無いのではないか?という疑問。
これは「護送船団」といわれた、銀行などの金融業界も同じかも知れません。
もう一つは、「天下りシステム」。
一昨日逮捕された公団OBは「天下りシステム維持のため、談合の維持が必要だった」と話しているようですね。
多くの民間サラリーマンだけではなく、多くの公務員も退職後はその職を離れ慎ましい生活を送っているはずなのですが、一部の権力を手にした人たちだけが20年近くもその影響力を行使し、仕事らしき仕事をしていなくても、法外な給与を貰っている・・・おかしな世界です。
そして、それらを利用している「政治家の存在」。
政治家のパーティーのパーティー券は、1枚10万円ともいわれています。
脆弱な業界はそこに群がり、利潤を得ようと「政治献金」をするのですから。
どう考えても、そこには「国民という生活者」はいませんね。
そのシステムを変えるためには、「選挙の行使」が必要なのですが・・・多くの人たちの興味は「政治よりも金儲け=成功者」という感じが、年々強くなってきているような気がします。
「夢のある」お話ではありませんが、それも今の日本の姿だと考える必要がありますね。

さて、ここ2、3日話題になっている「知床地域の世界遺産登録」。
どうやら、やっと?決まったようだ。
これで、自然を対象とした「自然遺産登録地域」は、「屋久島」「白神山地」に続いて3つ目になった。
観光地としては、期待となる「世界遺産登録」なのかも知れないが、そう簡単にはいかない。
「熊野古道」の登録によって、地元で林業に携わる人たちと自治体の間で揉め事が起こっているのだ。
世界遺産に登録されることによって、その維持・管理は地元の負担となる。
単純に「観光資源としてのお墨付き=世界遺産」というのは、甘い見方なのかも知れない。

京都や法隆寺などの「歴史的遺産」の場合は、それらの施設そのものが観光資源として十分なのだが、「自然遺産」となると、現状維持をしながら観光資源としてバランスを取る必要がある。
「環境と観光」という視点も必要となる。

「この素晴らしき世界」のために、本当は何が必要なのか?
それを、改めて考え行動する必要があるのではないだろうか?