日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

オマケ付き雑誌ばかりでは・・・

2010-04-26 22:59:06 | トレンド
以前、「オマケ付き雑誌」について、エントリをした。
4月に入り、「オマケ付き雑誌」の中心的出版社・宝島社だけではなく、大手出版社も次々と出している。
その理由は、季節の変わり目や新生活のスタート時期というコトがある。
と言っても、付いてくるオマケはポーチだったり、シュシュなどで、余り変わりばえしないようだが、そこはキャラクターモノにするなど、あの手この手の工夫がある。
実際、夕方の書店の女性ファッション誌売り場の近くでは、「へ~、こっちの付録は○○なんだ・・・。可愛いね」と言いながら、友人たちと話す女子高校生たちの姿が目立つ。
さすがにOLさんたちは、そのような会話をしているような感じは無いが、それでも興味深そうに店頭に飾ってある雑誌のオマケを手にとって見ている姿が目立つ。

この「オマケ付き雑誌」の中心となっているのは、上述を下通り宝島社だ。
その宝島社から発売されている「オマケ付き雑誌」にも、最近チョッとした変化が現れてきている。
それは、昨年のような「イヴ・サンローラン」や「キッドソン」と言った、ファッション関係のモノだけではなく、「マリメッコ」や「リバティー(プリント)」と言った海外のテキスタイルメーカーのモノを出し始めているのだ。
テキスタイルブランドとしては有名な「マリメッコ」や「リバティー(プリント)」だが、果たしてどれだけ若い女性に馴染みがあるのだろうか?と、考えてしまったのだ。

宝島社の「オマケ付き雑誌」は、確かに面白い発想と編集だと思う。
その反面、「ムック」本としてどれだけの読者が、雑誌を読みブランドに対して共感したりしているのだろう?と、考えてしまうのだ。
特に「マリメッコ」や「リバティー(プリント)」などは、その企業のあり方や歴史が、その企業の価値を創り出している。
そのようなコトよりも「カワイイ」という理由だけならば、協力をしている企業にとってどれだけ魅力がある企画なのだろうか?

そんなコトを考えながら、雑誌のコーナーを歩いていると「ファッション誌ってなんだけ?」という気がしてきた。
「VOUGE」などは、「i-Pad」などに対応できるように、「ネットファッション誌」というあり方を模索し始めているようだ。
その特徴は、パリやミラノ、NYといったコレクションやデザイナーのインタビューなどの動画を配信し、雑誌の上でファッションショーが見られるようにするコトだという。
それはそれで魅力的なのだが、それは「VOUGE」という雑誌の編集の中心が、コレクション中心だから出来るのだろう。

であれば、他の一般女性ファッション誌は何を提案すれば良いのだろうか?
やはり「普通の女性たちの、等身大のお手本ファッション」なのではないだろうか?
それも「How to」ではない、「素敵な大人」が登場するような内容だ。
「生き方のお手本」というような、そんな素敵な大人が見せる「生活美の中のファッション」という提案がもっとあっても良いのではないだろうか?



人目を引いた広告

2010-04-26 11:24:37 | アラカルト
今朝、朝日新聞の中面総て(13版・全面)を使った広告が掲載されている。
雑誌で言うなら、センターフォールド。
寝ぼけ眼で新聞をパラパラとめくっていても、「これは何の広告?!!」とビックリしながらも興味を引く広告だ。
今朝の私が、そうだった。

広告は、写真ではなくイラスト。
イラストというよりも、マンガのワンシーンのような感じ。
もっと言うなら、「バガボンド」を連載している、井上雄彦さんの絵のような感じだな~、と思って見ていた。
そんな大きな広告の左下に、小さく(といっても、一般的な3段程度の新聞広告なら普通の大きさ)URLがあり、広告の絵の中には不釣合いなQRコードがある。
「何の広告なのか、QRコードでアクセスしてくれ」というコトだろう。

そして、実際にアクセスしてみた。
やはり「バガボンド」や「スラムダンク」の作者・井上雄彦さんの「最後のマンガ展・仙台」の広告だった。
名古屋では開催されなかった(というか、このような作品展などは「名古屋飛ばし」と言われるくらい、飛ばされることが多い)ので、どのような作品展なのかは不明だが、過去の会場ではなかなかの好評だったようだ。
会期中には、ワークショップを開くなど「マンガ家」を知ってもらうような内容も含まれているようだ。
しかし、残念ながらこのGWに開催される仙台会場が最後となり、その告知広告だったようだ。

そこで考えてしまったことは、「何故全国版として広告を打ったのだろう?」という点だ。
もちろん、GWという行楽時期と重なるため、これまでの作品展に来たくても来られなかった人に対して、「最後の開催」という告知の意味もあるだろう。
もう一つは「最後の開催だから、全国にいる見逃した人は仙台に来てください」という、意図もあるだろう。

私のような「バガボンド」ファンではない人にとっては、「ハァ~・・・?」だろうが、井上雄彦さんのファンや「バガボンド」ファンにとって、「これが最後か!」と思えば、仙台まで駆けつけるだろう。
おそらく、その様なコトを期待した広告なのではないだろうか?

ただ、このような作品展を全国紙でこれほど大きな広告を打つこと自体、これまでに無かったのではないだろうか?
そのことに驚くと共に、全国にいる「バガボンドファン・井上雄彦ファン」が仙台に集まった場合の、地域経済効果というモノを考えると、新しいアプローチなのでは?と、考えてしまった。

追記
間違いのご指摘があり、訂正をさせていただきました。
ありがとうございました。