日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

世界を変える?日本の中小企業

2010-04-15 13:43:52 | ビジネス
以前、「靴屋さんが石鹸を売る」という内容のエントリをした。
個人的にこの石鹸会社さんが、とても気になりHPにリンクしてあるブログを、時折拝見させて頂いていた。
その中に「アフリカ」とある。
気になって、拝読してみると・・・西アフリカのブルキナファソで石鹸作りの技術指導に行くという内容。

もっと気になって調べてみると(←が、マーケター体質たる所以か?)、そのキッカケは株式会社ア・ダンセというブルキナファソの女性たちの経済的支援をしている企業からだったということが分った。
と言うコトは・・・これまで拙ブログで幾度か取り上げてきた「フェアトレード」の様のコトなのか?と思ったりしたのだが、もしかしたら、それよりももう一歩進んだ関係なのでは?という気がしてきた。
というのも、「ア・ダンセ」のHPをよくよく見ると単に、ブルキナファソの人たちの作っているものを、日本を含めた海外に「フェアトレード」するのではなく、日本の技術を輸出して(といっては大袈裟だが)、より高い品質の商品を作り、販売をするという「トータル的なモノ作り・技術指導+フェアトレード」というカタチになっているからだ。

この石鹸作りで使われる「シアバター」は、最近ではフランスの「ロクシタン」などのコスメでも注目をされ、若い女性にとても人気があるスキンケア素材だ。
そしてその原産国は、ブルキナファソのようなアフリカの豊かではない国が中心。
そのようなコトもあり、最近では「シアバター」そのものを「フェアトレード」として扱うトコロが多いようだ。
しかし、それだけではその国の人たちの経済的支えとしては、まだまだ弱い。
そこに「自然派高級石鹸」という付加価値が加わることで、その価値はグンッと上がる。

そんな考えに応えられた企業が、創業55年という昔ながらの石鹸作りをしている中小企業だったというコトなのだ。
普通に考えると、大規模な石鹸工場プを作り、大量生産ができた方が効率もよく、就業人口も増えるのでは?と考えるのだが、それでは日本企業の資本の下でブルキナファソの人たちが働くだけ担ってしまう。
日本企業など海外資本の下で作られるモノは、最終的にはその企業の利益となり現地の人たちに還元されるモノは、少ない。
このプロジェクトのポイントは、将来的にはブルキナファソの人たちの企業が「シア栽培⇒シアバター採取⇒石鹸作り⇒輸出・販売」というトータル的なブルキナファソの人たちの経済的自立を考えているという点だ。

このような難題で、労力が必要な事業に日本の中小企業が携わるという、身軽さは「世界を変える」ような出来事のように思うのだ。
と言っても、その種は蒔かれたばかりだが・・・。