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女性マーケターから見た日々の出来事

「重陽の節句」に思う

2010-09-09 20:51:34 | 徒然
昨日の台風が、少し秋を呼んだようだ。
と言っても、まだまだ真夏のような暑さが当分続きそうだが・・・。
それでも、日が落ちる時間は日に日に早くなり、吹く風にも涼しさを感じるようになった。
雨が降る度に、ゆっくりと季節が進んでいくのだろう。

ところで、今日は何の日かご存知だろうか?
岐阜県・中津川市では「栗きんとんの日」らしいのだが、五節句の一つ「重陽の節句」でもある。
「長寿を願う節句」と言うコトで、「大人の節句」とも言われるようだ。
「桃の節句」や「端午の節句」、「七夕の節句」に比べると、随分と地味な扱いとなっている感のある節句だ。
確か「源氏物語」などには、「重陽の節句」を話題にした巻もあったと記憶している。
高貴な人たちは、菊の花の上に綿を置き、菊についた夜露で体を拭くと言うコトもしたようだが、今年のような猛暑続きの残暑では、菊の花も咲いてはいないだろう。
と言っても、旧暦の9月9日だと言うことを考えれば、1ヶ月ほど後のコトになる。

ただ最近思うコトは、このような「節句行事を楽しむ余裕が、無くなってきている」ような気がする。
「イベント化」され、ウケそうなネーミングに変えてまで、ビジネスに直結させようとしているように感じることがある。

先日、Yahooのトピックスに興味深いニュースが2日続けて掲載されていた。
どちらも米国での調査だったのだが、一つは「しあわせ感と収入は比例しない」と言う内容。
もう一つは、「広い住宅から縮小傾向にある」と言う調査だ。
記事を読まれた方も、多かったのではないだろうか?
「お金があれば、幸せ」と言う価値観を否定する気はない。
生活をするためには、お金は必要だからだ。
狭い家に大家族が肩を寄せ合う家よりも、ゆとりがあるそれぞれのプライベートスペースのある家の方が、暮らしやすいだろう。
多分、「分相応」と言うコトなのではないだろうか?

と同時に「幸せ」と言う感覚は、「心や気持ち次第」と言うコトでもあるようにも思える。
「人それぞれの価値観」と言ってしまえば、そうなのだが、今の日本の社会に蔓延している「閉塞感」を打開するために「元気を出せ!」と言うだけではなく、「心の置き場所」となるような季節の過ごし方も大切なのではないだろうか?

「頑張れ!頑張れ!!」だけでは、息切れをしてしまう。
そこには「幸せ感」と言うモノは、ないのではないだろうか?
「幸せ感」を提案するような、生活スタイルがあっても良いのでは?

「重陽の節句」と言う「大人の節句」だからこそ、心豊かに季節を楽しむ時間を過ごしたい・・・と思うのだ。