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河村市長と言う劇薬?

2010-09-24 20:41:28 | 徒然
今、名古屋では「市長VS市議会」と言うバトルが繰り広げられている。
ご存知の方も多いと思うのだが、河村さんが市長に就任して以来、1年以上バトルが続いている。
この間、市議会が停滞していたという印象は余り無いのだが、その大きな理由は、河村さんのパワーというよりも、河村人気にある程度配慮した結果のような気がする。

しかし、市議会側としては、配慮できることばかりではない。
今回の「市議会リコール」の発端となったのは、「市民税10%減税」と「市議会議員報酬の半額」と言う議題が、河村市長から提出され、それを市議会がことごとく否決したからだ。

「市民税、10%減税」と言うのは、市議会が指摘している通り「財源」と言う問題がある。
それだけではなく、「高所得者厚遇」という指摘もされている。
金額と言う面で言えば、確かに「高所得者厚遇」と言うコトになるし、低所得者からすれば、10%減税と言われても、減税されている実感は余り無いと思う。
ただ、河村さんが言っているのは「高所得者に減税分だけお金をいっぱい使ってもらって、地域経済の活性化」という意味もある。
それに、高額所得者がどれだけ応えるのか?と言う点は、多いに疑問なトコロはある。
一つの経済活性化案としては、それもアリかもしれない。

もう一つの「議員報酬の半額」と言うのも、河村さんらしい理由がある。
理由の一つは、「市会議員のボランティア化」だ。
「ボランティアだから、市議会を蔑ろにする」と言う発想ではなく、「無報酬でも良いから、名古屋市をより良くしたい!」と言う強い志を持って活動すべき、と言うコトのようだ。
当然のコトながら、市議会議員さんたちは「議員報酬が今の半分になってしまっては、議員活動ができない!」と言う。
実際、この「市議会リコールバトル」が始まった直後、ある議員さんが、自分の活動費明細を公開した。
その費用明細の公開は、プラスになったとは思えなかったように思う。
と言うのも、共済会に月8万とか、党費2万(それも、複数あった)と言う数字が並んでいて、使われるお金が本当に議会活動に使われているのか、疑問な明細だったからだ。

そんなバトルを繰り広げる中で、大きく変化したことがある。
それは、市議会議員さんたちが積極的に市民に声をかけるようになったことだ。
選挙活動期間は「よろしくお願いします」と連呼しているのに、当選した後は、どんな議員活動をしているのかまったく分らないという議員さんたちが多かったのだ。
中には、後援会の支援者と一緒に旅行に行くことが、「市民の声を聞く大切な活動だ」と言う議員さんもいる。
それが、コレまで「議員立法」に消極的だった議員さんが、河村さんに対抗するために動きはじめたのだ。

このような議員さんたちの態度の大きな変化を見ると、河村たかしという「劇薬」が市議会を活性化させているような錯覚にとらわれる。
このような変化は、市民にとっては歓迎すべきコトだと思うのだが、「劇薬」であるが故にその「副作用」も大きい気がする。