日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

円高=日本ひとり負けなのか?

2010-09-16 12:12:00 | 徒然
民主党の代表選挙が終り、やっと円高対策に政府が動きはじめたようだ。
菅さんが、代表に選ばれた直後は円が続伸し、あわや!(?)70円台突入か?と言う状況にもなった。
昨日の日銀の為替介入で、何とか85円台まで戻りつつあるが、予断を許さない状況にある。

このような為替状況で、イロイロなメディアは「円高=日本(経済)ひとり負け」と言った論調を書き立てている。
余りにも書かれているので、フッと「本当に円高=日本ひとり負けなのか?」と疑問に思ったのだ。

確かに、日本経済を支えている輸出産業にとっては円高は、決してプラス要因ではない。
むしろ、マイナス要因ばかりだ。
だからこそ今回のような急激な円高は、日本経済に与える影響は大きい。
それは、十分に分るのだが「円高=悪いコト」と言い切ってしまうメディアの論調には、違和感がある。

何故なら、今回の円高の背景にはそんな単純な理由では言い切れないモノがあり、「グローバル経済」というのであれば、日本政府も為替介入だけではなく、米国やユーロ圏の国々に対してもっと積極的な発言があっても良いのでは?と、思ったからだ。

ご存知の通り、今回の円高の要因の一つは米国とギリシャをはじめとするユーロ圏での、景気の悪化や経済不安だ。
為替で儲けている人たちにとって、景気の回復が見えない米国、経済不安を引き起こしている国が参加しているユーロでは、儲けは期待できないだけではなく、資金が目減りしていくだけだ。
ならば、同じ様に不景気でも比較的安定をしている円を買って、資産を守りたいと考えるのは、当然だろう。
違う見方をすれば、米ドルやユーロよりも円が安定している、と市場が考えていると言うコトだともいえるのではないだろうか?

諸外国との為替協調が難しいのであれば、やはり政治的な発言を積極的にしていく必要があるのでは?
グローバル経済の中で、発言力・影響力を高めるチャンスだと考えれば、単に「円高=日本ひとり負け」と言ってしまっていいのだろうか?

と同時に輸出産業そのものも、今までとは違う視点で「クールジャパン」なモノづくりや、為替の動きに左右されないようなi-Phoneやi-Padのような「世界の人たちがワクワク・ドキドキするようなモノ」、日本オリジナル技術のブラックボックス化で世界に売り込むなどの戦略を考えるチャンスなのだと思うのだ。