日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

何を伝えたいのか?レディー・ガガ

2010-09-10 21:17:28 | マーケティング
VOGUE NIPPONを定期購読していたこともあり、現在でもメルマガだけは配信をしてもらっている。

以前は週2回程度の配信だったメルマガだが、最近では回数も増えてきて、件名を見て読んだり読まなかったりしていた。
そして今日配信されてきたメルマガのうち「VOGUE HOMMES」を見て、ビックリした。
レディー・ガガが表紙を飾っているのだが、その写真が・・・。
裸に生肉を巻きつけていたのだ。
Yahooのトピックスでも取り上げられているので、ご覧になられた方も多いかも知れない。

仕事上、写真表現の勉強も兼ねて「VOGUE」などの雑誌は、欠かさず見るようにしていた。
以前、何かと話題を振り撒いた「ベネトン」のような、社会的メッセージの強いモノもあったし、ただただ、美しい写真も数多くある。
それは、写真を眺めているだけでも「ウゥゥゥム~」と考えたり、「綺麗」と感動したりすることがある。

それが今回の、レディー・ガガの写真を見ても「何が伝えたいのか、皆目わからない」のだ。
私の感覚と言うか、感性が、加齢とともに鈍くなってしまっている部分があるにしても、「ハァ~???」と言う程度なのだ。
確かに「ビックリ!」と言う写真ではあるのだが、それだけで終わってしまう、写真と言う感じなのだ。
レディー・ガガの創りだす音楽が私の好みではないとか、ゴシップ優先タレントと言うイメージは別にしても、「何も表紙にする写真ではないのでは?」と言う気がするのだ。

このレディー・ガガの写真は極端な例だと思うのだが、「作り手の自己満足で、受け手に伝わらない」と言う場合は、案外多くある。
コピーや写真表現の問題と言うコトも数多くあるが、その実、企画段階の「自己満足」が原因と言う場合も少なくない。

何故「自己満足」の企画となってしまうのか?と言えば、一つは「強い思い入れ」と言うコトがある。
様々な企画をするには、「思い入れ」は大切なコトだ。
「思い入れ」がなければ、自信を持って社内プレゼンも社外プレゼンもできないからだ。
一方「客観性」もなくては、説得するコトはできない。
何故なら「相手に伝える」と言うコトが、何よりも大切なコトだからだ。

もう一つは「相手を思うコト・想像する力」と言うコトだ。
「客観性」に通じることだが、受け手となる生活者のコトをどれだけ知っているのか?
社会の中にある価値観は、自分とはまったく違うコトのほうが多い。
むしろ合致しているコトのほうが少ない。
そのことを理解した上で、考えなくてはいけないのだ。

最近、そんな「相手を想像し、思う」広告やコピーに余り出会わないような気がするのは、何故だろうか?