日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

訳あって、高いジーンズ

2010-09-18 21:17:39 | ビジネス
今日の新聞に、「オヤ!」と目を引く広告があった。
それが、カジュアルウェアなどを製造・販売している「Rigthi-on」の「Made in NIPPON」だ。

HPでは、広告に掲載されていたコピーが無いので紹介したい。

「“ともかく安いデニムがいい”
たしかにそれもありですが、せっかくデニム先進国(実は)の
国民なのですから、“本物のデニム”を穿いていただきたい。
“本物”つまり、日本ならではの職人魂のこもった、良質な
デニム生地、縫製技術、丁寧な仕上げにこだわった、日本人の、
日本人による、日本人のための、究極の純日本製デニム。
ぜひ穿いてみてください。」


このコピーの中でまず驚くのが、「デニム先進国(実は)」というトコロだ。
デニムやジーンズは、アメリカンカジュアルの代表的なファッションだ。
「リーバイス」に代表されるように、ジーンズのメーカーと言えばアメリカの企業と言うイメージがある。

以前、千趣会が女優の山口智子さんプロデュースで「山笑う」というブランドカタログで、児島のデニムや江戸黒デニムなどの「日本のデニム」が、取り上げられていた。
もちろん、縫製なども日本にこだわった商品ではあったのだが、通販商品としてはやや高価な印象があった。
ただ、人気の高いブランドやヴィンテージジーンズの中には1万円を越す商品も当たり前のようにあり、カジュアルウェア・デニム=安価と言う訳でもない。

ただ、昨今のユニクロなどに象徴されるように、アパレルの価格そのものは安価になりつつあると感じている。
昨年には、大手スーパーを中心に1,000円を切るジーンズが発売され、話題になった。
ユニクロは業績などが伸びているが、相次いで参入した大手スーパーに関しては・・・???。

実際、Right Onもプレスリリースなどを見る限り、業績は前年よりも落ちているようだ。
そのような状況の中で、あえて安価なデニム、ジーンズを発売するのではなく、訳あって高い商品を発売すると言うのは、何故なのだろうか?

一つは、そろそろ「安価な商品」から「訳あって高い商品」を購入する動きが出始める、と言う読みがあるからだろう。
一部の百貨店では、わずかながら売上がプラスに転じているという。
もう一つは、「デニム先進国」としてのプライドを取り戻したい!と言う、アパレルメーカーとしての意気込みがあるように感じるのだ。
むしろ意気込みの方が、強い様に感じる。

この「Made in NIPPON」がどれだけ売れるのかは、むしろ生活者の「心意気」に左右されるかも知れない。