日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

対照的な2つのCM

2010-09-28 20:20:17 | CMウォッチ
今月から対照的なテレビCMが、2つある。
企業としても、ライバル同士の企業だ。
お分かりだろう、JALとANAのCMだ。

企業再建中のJALのCMは、「感動を感謝に」だ。
一方ANAは、「きたえた翼は、強い」だ。
どちらも、今の企業の現状を現しているキャッチコピーとCMの内容になっている。
特に、ANAのCMは「純民間企業として・・・」と強調するコトで、「親方日の丸体質」と批判されたJALとの違いを鮮明にしている。
それだけではなく、10月1日から新たに国際線を羽田就航させる、と言うだけではなく、「世界へ飛び立つ」コトへの意気込みのようなモノを感じさせ、積極的なイメージを与えるCMだ。

一方、JALの方は「これまで利用してくださったお客様に感謝」を強く打ち出している。
そのため、映像を見ると様々な場面で「頭を下げる社員の姿」が使われている。
だからと言って「親方日の丸体質」から脱却できるのか?と言う、イメージは浮かばない。
むしろ今は「企業再建のために、社員一同頭を下げている」と言うトコロなのだろう。
それを、直接的に表現しているのがJALのCMなのだ。

と言っても、ここ3,4ヶ月の間にアジアの激安航空会社が、次々と日本の空へ参入してきている。
先日見ていたニュースでは、東京からアジアの同じ都市に飛ぶのに掛る費用差などの比較していたが、一番高いANAと激安アジア航空会社では、数万円の差があった。
ここまでの差が出てしまうと、本当の適正価格はいくらなのか?と、思ってしまう。
もちろん、激安航空会社とANAでは、提供されるサービスなどは雲泥の差がある。
そのANAも激安航空会社の設立を検討していると言う。
逆に言えば、積極策に出ているANAだからこそ、激安航空会社の設立が検討できるのでは?と、考える。

「ナショナルフラッグ・JAL」の経営再建は、まだまだ前途多難だ。
ただただ、頭を下げていれば良いわけではない。
これからどんな施策を立て、新しい積極策のテレビCMができるのか?
その時迎え撃つ(?)ANAは?

それにしても、余りにも対照的な同業種のCMだ。