日々是マーケティング

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コンビニも「大人」にシフト?

2010-09-14 20:22:28 | ビジネス
先日、スナック菓子のCMが「大人にシフト?」という内容のエントリをした。

「大人向けにチェンジ?-スナック菓子のテレビCM」 

テレビCMを何気なく見ていると、全体的に「子ども~10代」を意識したCMよりも、大人を意識したCMが増えているような印象がある。
しかし、この傾向はCMに限ったことではないようだ。

コンビニの「ファミリーマート」が「おとなコンビニ研究所」と言う、新しいプロジェクトを始めているのだ。

長い間、コンビニの主な利用者は若年層だと言われてきた。
実際夕方のコンビニは、学校帰りの高校生たちがいっぱいいる。
彼ら・彼女たちの目的は、チョッとしたスナック菓子や中華まんと紙パック入りの飲料水だ。
(ペットボトル飲料ではなく、50円ほど安い紙パック入り飲料水を購入する高校生が多い、と実感している)
ただ、最近人気になっているコンビニ商品は、「チョッとプレミアム」という付加価値がついた商品が多くなっている。
甘いモノ好きなサラリーマンやOLが購買の中心となっている、と言われている。

もう一つ最近見られる傾向は、高齢者がコンビニを利用する機会が増えつつあると言う点だ。
スーパーなどで販売されているお惣菜などでは食べきれないが、コンビニで販売しているお惣菜は「食べきりサイズ」というコトで、若干割りだけであっても、あえてコンビニを利用する、と言う高齢者が増えていると言う。

おそらくそのような社会変化を見据えて、ファミリーマートでは「おとなコンビニ」というコンセプトを打ち出したのではないだろうか?
特にこのプロジェクトの中心となっている残間さんなどは、いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる世代。
「世代論」を云々するつもりは無いが、やはり「団塊の世代」の前と後の世代とでは、価値観や社会行動などが大きく違う。

「団塊の世代」と呼ばれる人たちが20代の頃、初めて日本にコンビニが上陸し、この世代の人たちが中心となって、市場を拡大してきたと言う背景もある。
その意味で「団塊の世代はコンビニ1次世代」だと言えそうだ。
その「おとな」層に、再びクローズアップし、商品・サービスを見直す、と言うのは、「顧客の原点に帰る」というコトになるのかも知れない。
もちろん、それまでの時間などを踏まえた「今のコンビニ1次世代」というコトだ。

そのような動きは、小売り全体へと広がっていくのだろうか?