日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

コンビニで1万円のクリスマスケーキ

2010-09-30 12:51:43 | マーケティング
いよいよ明日からは、10月。
小売店の様相も、本格的な秋・冬モノに変わるはずだ。
今年は、猛暑(というより酷暑)だったこともアリ、秋物の売れ行きがよくない。
それでも20日を過ぎたあたりから、すっかり朝夕は涼しくなり、秋の気配を感じるようになってきた。
その意味で、秋・冬モノ商戦の出鼻を挫かれた感がある。
それでも、コンビニやスーパーには「ボジョレーヌーボー予約開始」とか、気の早いトコロでは「クリスマスケーキ早期予約割引」などのPOP広告を見かけたりする。

そんな中、ローソンが「10,500円のクリスマスケーキの予約販売を始める」と言う、ニュースがあった。
ローソンのHPを見てみると、「スペシャルクリスマスケーキ」として、全国限定500個を予約販売するようだ。

内容は厳選されたクリーム、同じく厳選されたいちごを36粒、シャンパンの香りをきかせ、金粉をふってある(ように見える)。
確かに、10,500円の価値はあるような気がする(見た目では味がわからないので、あくまでも味を想像した上での話だ)。
ただ、「コンビニで10,500円という、高額なケーキを買うのか?」と言う点で、疑問を感じないわけではない。
むしろ、10,500円出すのであれば、有名パテシエのケーキへ触手が動くのではないだろうか?
少なくとも、私の場合はそうだ。

おそらく、限定数500個は完売すると思う。
全国で500個と言う数字は、決して高い目標数字だと思わないからだ。
クリスマスイブの夜、いくら遅くなってもローソンであればケーキを受け取ることはできる。
その意味で24時間営業のコンビニは強い。
問題なのは、コンビニの価格に対してどのようなイメージを持ち、実際の購入行動をするのか?と言う点だ。

多くの人にとって、「コンビニはスーパーの代わり」として利用しているのではないだろうか?
もちろん、最近ではイロイロな企業と協力しあって、「スーパーの代わり」と言う役割だけではない。
公共料金の支払いから、ネットショッピングの商品の受け取りなど、単なる「24時間、モノを売る」だけではない。
便利さ(=コンビニエント)も売っている。

今年のヒット商品の一つは、「プチ贅沢商品」がある。
その一つが、コンビニ各社が売り出した「プレミアムスィーツ」だ。
価格設定も、コレまでのコンビニ価格よりもやや高めの設定になっており、その代わりに厳選した食材を使っている。
その流れを汲むのが、今回の「スペシャルクリスマスケーキ」なのだと思う。
だが、「プレミアムスィーツ」がヒットした理由は、「チョッと高めで美味しい」と言うコトだったのではないだろうか?
それがいきなり10,500円では、チョッと高すぎる気がするのだ。

果たして、どのような結果となるのだろう?