日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

家鍋にファミリーパックアイスと言う関係

2010-10-08 12:53:40 | マーケティング
近所のスーパーマーケットに買い物に行った時、「オヤ?」と思うパッケージを見かけた。
それが、ファミリーパックのアイスクリーム(正しくは「ラクトアイス」)だ。
パッケージには、「お鍋には、○○(「○○」は商品名)」と書いてある。
「お鍋とアイス?」と気になって手にとると、パッケージの裏にはお勧め鍋料理のレシピがある。
と言っても、アイスを使う鍋レシピではない。
「美味しい家鍋を食べた後は、冷たいアイスで楽しいひと時」と言うのが、キャッチコピーの目的であり、パッケージの裏のお勧め鍋レシピなのだ。

実は、ココ3、4年ほど何気なく増えている、お菓子の販促策がある。
それは、お菓子をそのまま食べるのではなく、他のお菓子の材料として使う「レシピ」を書いたチラシだ。
私などもこの「レシピチラシ」を基に、チョッとアレンジお菓子を作ったりしたりしている。

「お菓子」と言う市場は、基本的には子どもを対象にしていると、考えられる。
しかし人口構成図を見るまでも無く、「少子化」の傾向は止まる気配が感じられない。
と言うコトは、コレまでのように「子ども」を対象に「お菓子」と言う市場を考えていては、限度があると言うコトになる。
そこで考えたのが、「お菓子」を一つの素材として提案し、大人を市場に取り込むと言うコトだ。
ポテトチップスなどの「ディップソース」レシピなどは、その典型だろう。
おやつとしてのポテトチップスではなく、チョッと洒落たお酒のつまみとしての提案だ。

ところが今回は、家鍋レシピを掲載するコトで「家族でアイスクリームを食べよう」と言う、違う視点での提案なのだ。
どちらかと言うと、直接的な提案と言う感じだ。

確かに、冬場はアイスクリームを食べる機会は減る。
「湯上りのアイスは格別」と言う方もいらっしゃると思うが、やはりアイスクリームは夏場の食べ物だろう。
まして、ファミリーパックのアイスとなれば、食べる主役は親ではなく、子どもと言うコトになるのでは?
言い換えると、冬場はアイスクリーム市場のシーズンオフなのだ。
そのシーズンオフにも、何とか売上を伸ばす策として考えたのが、「家鍋にアイス」だったのではないだろうか?

「家鍋」と言う家族が揃う食事は、どこか和やかでほっこりしたイメージがある。
何よりも、最近流行りの「家鍋」には「汗をかきかき」と言うタイプの鍋料理が多い。
そんなコトも、「汗をかきかき、熱い鍋」を「和やかにほっこり」食べた後は、冷たいアイスでクールダウン、と言うイメージを描きやすいと、考えての提案だろう。

もしかしたら、この冬は「熱々家鍋の後はアイスクリーム」が流行するかも知れない。