日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

地域共存型の企業

2010-10-17 19:25:12 | ビジネス
以前、ネットで購入した靴屋さんから定期的にメールをもらう。
いわゆる「メルマガ」だ。
その靴屋さんは、ある意味とてもユニークな靴屋さん。
そして、阪神淡路大震災で大打撃を受けた、神戸市長田区にある靴屋さんだ。

ご存知の方も多いと思うのだが、長田区はいわゆる「ケミカルシューズ」と呼ばれる、合皮製の靴メーカーさんが沢山あったところだ。
中国をはじめとする安価な靴に押されていた時に、あの阪神淡路大震災があり、多くのケミカルシューズを製造していた会社が止めてしまった。

その長田が昨年話題になったのが、復興の証として誘致(?)した「鉄人28号」等身大鉄製模だ。
「鉄人28号」の効果もあって、最近長田に人が集まり出したというニュースがあった。

そんな長田で、靴工房を開きネット販売をしている小さな靴屋さんなのだが、「お友達の靴」として同じ長田で靴作りに励んでいる、同業者の靴もネットで販売をしていたりする。
それだけではなく、同じ神戸にある手作り石鹸の会社の石鹸も販売をし始めている。
時折頂く「メルマガ」には、「神戸セレクション倶楽部」という、神戸産業振興会の商品の案内があるときもある。
もちろん、振興会から認定されていなければショッピングサイトなどにバナーを貼り付けたり、「メルマガ」で紹介するコトはできないにせよ、「神戸」と言う地域全体で活性化するには?と言う、思いが伝わってくる。

私がこの靴屋さんが好きな(といっても、度々買うことは無いのだが)理由が、この「地域共存型発想」だからだ。
「自分たちだけ」と言うPRではなく、長田と言う震災で大打撃を受けた地域の一員として、長田地区全体を活性化したい!と言う、思いが伝わってくるのだ。
そして先日、「秋のイベント」の「メルマガ」を頂いた。
もちろん、名古屋から出かけるというわけにはいかないのだが、今回は長田駅近くのお寺で「ヨガ」体験があったり(もちろん、住職さんの法話もある)、神戸近郊でとれた野菜の即売会などが予定されているようだ。
案内を見るだけで、チョッとワクワクしてくる。

実は、名古屋の日泰寺の門前通りでも毎月このようなも催し「覚王山MAP」がされている。
こちらは、既に10年以上。
お寺の門前と言うお年寄りが集まると言う、イメージではない。
元々は、学生さんたちが主体となって始まったイベントだったと記憶しているのだが、今では「月縁日」のようになり、若い人たちで賑わうようになり地域の活性化に一役買っている。

大きく違うのは、企業参加という点だろう。
「企業のグローバル化」といわれはじめて、随分時間が経つ。
でも、「グローカル化」と言う、企業の生き方もまたあるのではないだろうか?