日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

田舎と自然=新しい産業資源となるか?

2010-10-05 14:22:24 | ビジネス
先日、一部新聞に「山陰海岸、世界ジオパークに認定」という記事が、掲載されていた。
「ジオパーク」というコトバも意味も知らなかったのだが、どうやら「地質遺産」と訳されるモノで、この「世界ジオパークネットワーク」に認定されると、別名「世界地質遺産登録」というコトになるようだ。

この記事を読んだ時、「このエリアは、クルマではなく電車でガタゴト揺れながら、車窓から景色を眺め、フラリと電車を降りて、周辺地域を歩くと楽しいトコロなのにな~」と、思ったのだった。
そしてできれば、もっと足を伸ばして、山陰本線全線をのんびり電車に揺られながら旅をして欲しいな~と。
と言うのも、この「ジオパーク」に認定された光景を楽しむためには、クルマよりも電車のほうが格段に便利で、快適だからだ。

と同時に、このような「グリーンツーリズム」は日本国内よりも、欧州の人たちにとって魅力的なのではないだろうか?と思うのだ。
関西空港から、電車に乗り換え、山陰本線を利用すると言うのは、とても時間がかかる。
コレまでの「観光旅行」と言う発想であれば、魅力的な部分は無い!といっても良いだろう。
むしろ、そのマイナスと思われる点を、発想を変えることで新しい地方の産業資源となるのではないだろうか?と言うコトなのだ。
大都市では感じられない、ゆったりとした時間の流れと自然景観、何よりも日本の原風景に出会える「グリーンツーリズム」となるのではないだろうか?
そのためには、バカンスが長い欧州の人たち向けなのでは?と、考えるのだ。

それだけではなく、このような「グリーンツーリズム」を考えるのであれば、関西空港がある大阪やJR、地域内の自治体や観光組合など、様々な人たちが関わらなくては難しい、と言う点もマイナスではなく、プラスになるのでは?と、考えられる。
様々な立場の人が多く関わるというコトは、言い換えればそれだけの地域・自治体に対して経済効果が相互的にあるのでは?と、思うからだ。

拙ブログでは何度も書いているのだが、地方は「ミニ東京」を目指す必要はない。
工場誘致や公共事業が、地方の経済を活性化するという時代でもない。
むしろ、地方に行くと工場誘致のために整地したが、誘致に失敗した更地(というよりも雑草が茂った土地)が至る所で見かけられる。
耕作放棄地も目立つ。
しかし、そのような地域が「ジオパーク」に含まれることによって、「観光地としての農村=日本の原風景」という発想も生まれるのではないだろうか?
もちろん、「観光地としての農村」では農業経営は難しいだろう。
だが人が集まることで、「農村」が第6次産業化するキッカケとなるのでは?
それがまた、豊かな日本の食文化の紹介となれば、その意味は大きいと思うのだ。

個人的には、この「ジオパーク」のエリアに、私の実家がある米子市や松江などが含まれていないことが、とても残念に思っている。
大山から見る弓ヶ浜はとても綺麗だし、歴史的史跡も多く出雲~山口にかけての海岸線も変化に富んでいて、面白いのに・・・と。