日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

補助金頼みって・・・

2010-10-13 17:04:05 | ビジネス
9月末までの予定だった、「エコカー補助金」は予算の関係で9月上旬で打ち切られた。
そして、今度は「家電エコポイント」の内容が大幅に見直され、地デジテレビなどはだいぶ外れる機種があると言う。
見直し理由は、「エコカー補助金」同様、予算の関係だ。

この「家電エコポイント」は、地デジ対応テレビの販促も兼ねていたような効果があり、「いずれ買い換えるなら、この機会に・・・」と言うコトで、テレビの買い替え需要を早めた。
今回の対象機種の見直しで、駆け込み需要があるかも知れない。

ただ、このような「補助金頼みの景気対策って、どうなのだろう?」と言う、疑問がある。
確かに「補助金」がある間は、モノが売れる。 
特に今回対象となったクルマや家電は、裾野の広い産業というコトもあり、一時期的需要の高まりであっても、関連企業にとっては大きな恩恵となる。

それは十分わかるのだが、そのお金の出所は?というと、税金か国債と言う国の借金になるのではないだろうか?
一時的に、税金や国債を発行して何とかヤリクリをしても、それ以上の税収が将来的に見込めれば問題は少ないと思うのだが、今の日本の経済状況を考えると疑問だ。
「国債という借金が借金を生む」と言う状況になりかねないのでは?と言う、不安が個人的にはある。

とすれば「補助金頼みの景気対策」では、根本的な景気対策にはならないのではないだろうか?
経済界に対策を押し付けるわけではないのだが、輸出依存体質からの脱却と言うコトは随分前から言われていながら、遅々として進まず・・・。
何となくだが、日本の社会全体が個人に対しては「自己責任」と言う厳しいコトバを投げつけるのに、産業界とか経済界と言った大きな団体となると甘いような気がするのだ。
もちろん、その理由の一つが政党支援団体という側面を持っているからなのだが、このような状況は産業界や経済界にとって決してプラスだとは思えないのだ。
むしろ、産業基盤や経済基盤の弱体化を促進する結果となってしまっているのでは?

書店のベストセラーリストの中には、「断捨離本」と呼ばれる本が上位にある。
「自分にとっていらないモノを断ち・必要の無いものは捨て・モノの執着から離れる」と言う提案だ。
極端なコトを言えば、生活者のライフスケールが小さくなりつつあるとも考えられる。
そんな中、高度成長期のような発想で産業や経済の在り方を考えていては、難しいのでは?

そろそろ「補助金頼み」ではない、生活者の意識変化を見た企業発想が必要な気がするのだ。

ちなみに、お恥ずかしい話だが、我が家には「なかなか捨てられないモノで溢れ返っている」ため、新しいモノを買う気が余り起きない・・・と言う、事実もある。