日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「流行コトバ」に弱い

2010-10-03 21:19:37 | ビジネス
先日、買い物に行ったドラッグストアで、年配の女性が店員さんにイロイロな質問をしている姿を見かけた。
質問をされている店員さんは薬剤師さんで、質問の内容は薬ではなく、いわゆる健康食品についてだった。

質問をしている女性は、どうやら「ナチュラル・天然・オーガニック・自然」というコトバに弱いらしく、手にとっている「オリゴ糖の原料は何か?」と、盛んに質問をし「人工的なモノは、買わないようにしている」というコトだった。
「ナチュラル・天然・オーガニック・自然」という謳い文句がある商品であれば、高くても購入するのだが、それではお財布にやさしくない。
できれば、安価で「ナチュラル・天然・オーガニック・自然」などの製品を買いたい、と言う相談をしているようだった。
しかし、現在商品化されている「オリゴ糖」の多くが、いわゆる合成されたモノと聞き、「体によくないのでは?」と心配をしているようだった。

このやり取りを近くで見ていた(実は、オリゴ糖を買うため売り場にいた)私は、余りにも「ナチュラル・天然・オーガニック・自然」というコトバにこだわる女性の姿に、チョッと違和感を感じたのだった。
と同時に、この女性は「有機野菜を買い、精製された調味料を使わないコト」が、健康的と思っていらっしゃるのだろうな・・・と、思ったのだった。

その価値観は、人それぞれなので有機野菜を買い、精製された調味料を使わない=健康的と考えるコトに否定も賛成もしない。
ただ、私たちは様々な情報を得る中で、話題や注目されているコトバに影響され過ぎているのではないだろうか?

確かに、化粧品などの表示で「無添加」とあったり「オーガニック原料使用」と表示してあると、「体や肌に良さそう」と思ってしまう。
タオルなど肌が直接触れるモノでも「オーガニック」と表示してあると、品質が良さそうなイメージを持ってしまう。
それは一種の「ブランド品」的なイメージと重なる部分がある。

先日見ていた漢方系風邪薬のテレビCMでも、「ナチュラル志向なので(抗生物質系風邪薬は使いたくない)」というコメントが登場していた。
このCMを見たとき、「漢方系風邪薬=ナチュラルではないのでは?」と思い、テレビCMにツッコミそうになったのだが、何となく今の風潮としては「ナチュラル・天然・オーガニック・自然」というコトバが付けば、安心と言う傾向があるような気がする。
それは、以前買い物中に見かけた「ブランドなんですよ」という店員さんの言葉で、「なら、買うわ!」と言って、エコバッグを購入した女性の姿と重なる。

「チョッと耳障りの良い、流行コトバに弱い生活者」を感じてしまうのは、私だけだろうか?
それが極端な場合、効果の分らない代替医療を頼るようになってしまう危険性もあるのでは?
そんな不安がよぎったのだった。