日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マーケティングの4P

2010-12-05 09:34:21 | マーケティング
先日、チッと足を伸ばして買い物に出かけた。
と言っても、歩いていける範囲。
その買い物途中で、新しいパン屋さんを見かけたので、とりあえず入ってみる。
新しいモノ・お店を見かけると、つい手に取ってしまったり、お店に入ったりしてしまうのは、哀しいかな(?)マーケティング体質と言うコトで・・・。

その新しいパン屋さんは、「小麦ふすまパン」だけを扱うと言う、ユニークなパン屋さんだった。
「小麦ふすまパン」と言っても、馴染みが無い。
そもそも「小麦ふすまって何?」と言う方も多いかも知れない。
オーガニック食材を扱うお店やレストランのみで、扱われていそうな気がすると思われがちだが、実はごく普通に目にしている商品がある。
それはシリアルの「オールブラン」という商品。
元々は、若い女性のダイエット向け商品として登場したシリアルだが、最近では低糖質と言う商品特性から生活習慣病予防のために、食べられる方もいらっしゃるようだ。
その「小麦ふすま」を使った専門パン屋(少しだが、クッキーなども販売)さんだったのだ。

試食でいただいた、「ふすま食パン」はふすま独特に風味があり、美味しかった。
ライ麦パンなどが好きな人には、抵抗感が無い味だと思う。
ただ・・・私が購入するまでに至らなかったのは、その価格だ。
小ぶりのあんぱん(「木村屋のあんぱん」くらいの大きさ)1個300円と言うのは、あんぱんとしては割高感がある。
いくら素材を厳選し、凝ったあんぱんだとしても、気軽に買える価格ではない。
同様に、食パン1斤1,000円を越すとなると・・・。
現在大手スーパーのPBブランドであれば、1斤100円未満。
街中の美味しいと評判の手作りパン屋さんでも、500円~700円。
それを考えると、「毎日食べるパン」と言う感じではない。
いくら健康に感心が高く、日常の食事にも相当気を使っていると言う人でも、毎日のように食べる食パンに、これだけの費用を掛けるのには、抵抗感があるのでは?と、考えたのだ。

「マーケティングの4P」と言うのは、ご存知の方も多いと思う。
マーケティングの基本「商品(プロダクト)・広告(プロモーション)・売り場(プレイス)に、価格(プライス)」の頭文字となるPが4つあることから「マーケティングの4P」といわれている。
今回の「小麦ふすまパン」屋さんは、特徴もあり美味しい、それなりの宣伝もしている、売り場となるお店の場所も比較的高級食材を扱うお店ややや高めの価格設定がされているレストランが多い地域にあることから、場所もまず問題はなさそうだ。
なにより、「美味しそうなパン屋さん」と言うお店作りは、通りからでも分るし、思わず入ってみたくなるようなつくりになっている。
だが、価格となると・・・いくら、こだわりのある厳選した素材で作っていても、毎日食べると言う価格ではない。
特別な日用であれば、問題ないが・・・。

もう一つ気になるのは、昨今の「ホームベーカリー」人気だ。
先月発売された、生米から作れる「ホームベーカリー」は予約殺到になり、話題になった。
とすれば、この「小麦ふすまパン」屋さんの、ライバルは「ホームベーカリー」というコトになるかも知れない。
となれば、尚更「価格」は重要なポイントだと考えるのだ。