日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

マーケットの難しさ

2010-12-02 13:04:33 | マーケティング
朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、ジェトロの「アジアの売れ筋商品」についての記事があった。

詳細はジェトロのサイトを見ていただきたいのだが、「ブラジャーやお菓子などは、日本製品が優位ではない」と言う内容の記事となっていた。
この記事を読んで「難しいところだな~」と、思ったのは私だけだろうか?
と言うのも、「食」については国民性が反映されやすい。
スナック菓子などのトレンド(と言うべきか?)となっている「ご当地味」などを、アジア各地で展開をすれば、ソコソコの売上は期待できると思う。
ただ、宗教が生活に溶け込んだと言うか、宗教が生活の基本にあるような地域では、注意すべき素材や味覚がある。
何より、相手国・相手地域の「食文化+宗教+生活観」を理解しなくては、まず売上を大きく伸ばすと言うことは、難しいだろう。

以前、イスラム圏向けの「カップヌードル」には、乾燥肉が使われていないと言うコトを、聞いたことがある。
そのような「配慮」が、食品については必要なのだ。
もちろん、辛味や酸味などを相手国・相手地域に簡単に合わせられるよう「チョコッと足しフレーバー(ソース)」のようなモノを、添付するコトで売上を伸ばすことも出来るだろうし、スナック菓子ではなく、相手国・相手地域へ「一つの食材」としての、お料理の提案と言う方法もあるかも知れない。
そのようなアイディアが、今の日本に少ないと言うコトのような気がしたのだ。

そしてもう一つ、具体的にあがった「ブラジャー」だが・・・。
拙ブログに来られる方の多くが、男性諸氏だと思うのでやや書き難いのだが、「色が柄よりも、着け心地」で商品を選ぶ場合が多いのでは?と、思っている。
実際、私の場合「色・柄」よりも着け心地優先だ。
その結果、残念なことに日本のワコールよりも、ドイツ系(日本人の胸のサイズや形に合わせて作られているので、個人的には日本製だと認識している)のトリンプのほうが、自分には合っているのだ。
ワコールさんの、大変な努力もコトは知っている。
ワコールの「人間科学研究所」の膨大な日本女性の体のデータなどは、おそらく世界でも類を見ないようなモノだと思っている。
だからこそ、海外での展開が難しいのでは?と、思うだ。
言い換えれば、国によって女性の体つきは微妙に違うと言うコトなのだ。
逆に、アジアの富裕層に対して「完全オーダーメイド下着」と言うのであれば、市場を広げるチャンスとなるかも知れない。
むしろ、それをキッカケにこれまでとは違う展開が生まれる可能性はあるだろう。

いずれにしても、「味覚」や「着心地」と言う「感覚」を重視する商品の展開と言うのは、海外では難しくも、イロイロなアプローチの余地があると言うコトだろう。