日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

この季節がやってきた・・・と、感じさせるCM

2010-12-12 21:01:13 | CMウォッチ
11月になると、登場するテレビCMがある。
ご存知の「年賀状関連」のテレビCMだ(名古屋エリアだけなのか?)。
そして12月になると、ご存知の「季節テレビCM」が登場する。
それが、フジフィルムの「年賀状プリント」のテレビCMだ。

今年のテレビCMでは、これまでレギラーだった長瀬君が登場しない。
代わりに登場するのは、今の夏3DカメラのテレビCMに登場した佐々木希さんと、フジフィルムの化粧品・アフタリスクに登場している中島みゆきさんだ。
どちらも、ピンクのうさぎの被りモノをしている。
そのピンクのうさぎが、可愛らしい。

そんな中でも、“綾小路さゆり”さんこと樹木希林の存在感は、変わらずだ。
むしろ、30年以上変わらない“綾小路さゆり”さんの存在が、「あぁぁ、この季節がきた」と、感じさせ、安心させる効果があるように感じる。

テレビCMの中には、季節折々の行事や風景を盛り込んだモノが多い。
例えば、JR東海の「そうだ 京都いこう」のテレビCMなどは、春には春の、秋には秋の京都の美しい風景が好感度も高く、息の長いテレビCMとなっている。

ただ残念なことに、バブル崩壊後「お正月CM」と呼ばれるテレビCMの多くが、姿を消した。
その理由は、通常のテレビCMよりも流れる期間が極端に短いためだ。
大体は三が日まで。
長くても1週間。
短い場合は、元旦のみと言うテレビCMもあったように思う。
多分、コピー機の三田工業(現「京セラミタ」)や時計のセイコーなどのお正月CMは、元旦だけだったような気がする。

現在では、テレビCMからネット上での広告へ比重を置く企業が増えてきた。
ネット広告と言う媒体が、生活者と言うか消費者とのダイレクトなコミュニケーションツールとして、捉えられているからだろう。
今では、ツイッターを利用し、生活者を巻き込んだ広告スタイルも生まれはじめた。

そのような時代の変化を考えれば、季節を限定するようなテレビCMは対費用効果を考えれば、あまり効果的だと判断されないと言うコトなのだろう。
それでも、やはり個人的には「季節テレビCM」は、季節感がなくなりつつある今、見たいと思うCMなのだ。

ところで・・・このフジフィルムの「年賀状プリント」だけではなく、盛んに流れるプリンターのCMを眺めながらフッと思ったのだが、年賀状の販売数が減るとこのような業界にも影響を及ぼすのだろうか?
とすれば、日本の伝統文化・年賀状も、様々な企業の利益を生むモノなんだ・・・と。