日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

チョコッと白物家電に注目?

2013-02-06 20:19:57 | ビジネス
今頃になると、春向けの新商品が次々と発表される。
その中で、気になる商品があった。
キングジムの「プチランドリー スウォッシュ」
もう一つはフィリップスの「ノンフライヤー」

キングジムの「プチランドリー」という商品を見たとき、「以前からある小型洗濯機と同じ」という印象を持った。
商品としては、さほど目新しい商品では無いと思う。

もう一つのフィリップスの「ノンフライヤー」なども、商品説明を読むと技術的には決して目新しい商品では無いことがわかる。
昔からある「コンベックオーブン」とほぼ同じ「熱風を対流させて焼く・揚げる」という機能だからだ。
その機能の中で「揚げる」というコトに特化している、と言うのが大きな特徴の商品。

どちらも、以前から似た様な製品は市場的にはある。
そして大ヒット商品とは言わないまでも、これまでもコンスタントに売れている商品だと思う。
にも関わらず、あえて「新商品」として売り出すのは何故だろうか?

キングジムは、ご存じの通りいわゆる「事務用品」を販売している会社だ。
何となくだが、「洗濯機を必要としているのは家庭だけ?」と言う疑問から生まれたのでは?と感じている。
実は会社員時代、いわゆる「お茶当番」と言うモノがあった。
「お茶当番」と言っても、ティーサーバー機の準備をするだけでは無い。
「ふきんや台ふきの洗濯」と言うのも、「お茶当番の仕事」なのだ。
この「ふきんや台ふきの洗濯」というのが、結構な労働。
日頃自宅で洗濯機を使って洗濯をしているので、10枚程のふきんと数枚の台ふき、2,3枚の手ふき用のタオルを漂白し、手で一枚一枚洗うと言う作業は、時間も労力も掛かった。
そのため女子社員一同の希望として、小さな洗濯機の購入を嘆願した程だった。
残念ながら、洗濯機の置き場がなく却下されたという経験がある。
そういう経験から考えると、事務用品を販売しているキングジムがこの様な商品を販売する、と言うのは一見場違いなようでいて、整合性のある商品だというコトがわかる。
ただ今でもその様な職場が、どれほどあるのだろうか?と言う疑問はややあるのだが・・・。
むしろ、違う使い方をする人が多いかも知れない。

もう一つのフィリップスの「揚げないフライヤー」だが、上述した通り「コンベックオーブン」という同等の性能を持ったオーブンが既にある。
「オーブン」と名が付く通り、オーブン料理などがメインで揚げ物を作るために、使っている家庭は余り多く無いかも知れない。
それだけでは無く、少量の揚げ物を作るために家庭で作る、と言うのは主婦として躊躇しやすい。
何故なら、揚げ物の後片付けというが面倒だからだ。
これは、現在発売されている電気式のフライヤーであっても同じだと思う。
と考えると、少量の揚げ物を揚げずに作りたい!と言う人にとっては、とても便利な商品だと言える。
問題なのは、少量の揚げ物を揚げたい!と思う人よりも、既に揚げた状態で販売されている日本の冷凍食品を使って、電子レンジで「チン!」するほうが、より油分がカットできる可能性がある、と考える人が案外多いかも知れない・・・と言う点だ。

いずれにしても、白物家電そのものは「ある程度行き着くところまで行き着いた」感があった。
そこにニッチではあるが、新しい発想の商品が出てきたコトは、市場が活性化する機会となると思う。