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タピオカドリンクとコーヒー

2019-06-21 18:58:16 | アラカルト

今年に入ってから、女子高校生から人気が出た(と思われる)タピオカドリンク。
ここ名古屋・栄の地下街にも専門店ができ、大行列ができている。
そしてこの「タピオカドリンク」が、今社会の迷惑となりつつある。

中京テレビニュース:タピオカドリンクの放置ゴミに困った 飲む人のマナー向上を 名古屋・大須商店街

「タピオカ」そのものが、流行したのは今回が初めてではない。
地下鉄の隣の駅近くには、随分前からタピオカのデザートを出すお店がある。
おそらく「タピオカ第一次ブーム」の頃にできたような記憶があるので、10数年前からあると思う。
もちろん、タピオカだけではなく「アジアンスィーツのお店」のような感じなので、第一次ブーム終了後も継続できたのは、その間に起きた様々な「アジアンスィーツ」を提供してきたからだろう。
このお店の前には、「タピオカドリンクの放置ゴミ」などは,散乱していることは無い。
おそらく「テイクアウト」ではなく、店内での飲食だからだろう。

ここで思い出したのは、最近人気のコンビニのコーヒーだ。
コンビニのコーヒーは「テイクアウト」が基本だ。
もちろん、店内で飲むこともできるが、多くのお客さんはテイクアウトをし、車や自宅、あるいはオフィスなどでコーヒーを飲む。
店外であっても、店外にあるチョッとしたベンチでコーヒーを飲み、すぐにゴミ箱に捨てる人は多いだろう。
実際、近所のコンビニの前にあるベンチでコーヒーを飲み、飲み終わるとそそくさとゴミ箱にコーヒーカップを捨てる人の姿を、当たり前のように見る。
同じ「テイクアウト」なのに、タピオカドリンクは飲み歩き、コーヒーはベンチで座って飲むのだろうか?

今年のお正月頃、東京の韓国料理店や韓国料理の食材店が数多くある新宿の新大久保で人気になった「韓国式ホッとドック(ハットグ)」も、同様のトラブルが起きた。
店内での飲食ではなく、いわゆる「テイクアウト」ができ、食べ歩きができると人気になったのだ。
「ハットグ」と「タピオカドリンク」を一緒にすることはできないにしても、「食べ歩きができる」という点では同じだろう。

そして「食べ歩く姿」が、若い人たちにとっては「カッコイイ」と思っているのかもしれない。
タピオカドリンクとコンビニなどで販売されているコーヒーとでは、量が違うためにベンチで飲み切ることができない、ということがあるとは思うが、やはり「食べ歩きができる」というのが、最近の「インスタ映え」と並んで大きな理由になっているように思うのだ。

大人になると「食べ歩き」をするにしても、そのシチュエーションにこだわる、ということもあるかもしれない。
少なくとも「食べ歩き」が似合う場所は、映画「ローマの休日」の一場面スペイン階段のような所だと思っている(ように感じている)。
まして「インスタ映え」ということを考えると、タピオカドリンクと自分だけでは面白味も何もなく、背景だけでも素敵な場所でなくては、本当のインスタ映えにはならない(と思い込んでいると思われる)。

Instagramに「タピオカドリンクと私」的な写真が数多くアップされるようになっているとすれば、タピオカドリンクブームもそろそろ終焉かもしれない。
何故ならInstagramに投稿される自撮りの多くは「私を見て!」という、気持ちの反映に思え、数多くの似たような写真に埋没してしまったら、投稿する意味がなくなってしまうからだ。

ただ、飲み物の飲み残しを放置したり、飲食物のゴミを放置するのは、世代に関係なく「恥ずかしいこと」であるという認識は持つ必要があるだろう(し、そのような教育が必要だと思われる)。