最近、「レジ袋有料化の義務化」という話題が、ニュースなどで取り上げられるようになった。
と同時に、飲食店などで使われるプラスチック製ストローも、代替品を求められるようになってきた。
一連のニュースの中で、一番ユニークだったのは洋菓子のヨックモックが自社の製品・シガールをストロー替わりに提供する、というものだろう。
HANAKOtokyo:<ヨックモック>公認の「シガール・ストロー」体験メニューが6月6日から期間限定スタート
ヨックモックほどではないが、居酒屋チェーン店やファミレスなどではこのような「脱プラスチックストロー」という動きが、顕著のような気がする。
確かに「脱プラスチックストロー」というのは、環境に配慮をしているという点では、企業イメージがアップする一つとなるだろう。
だが、その前に考えたいのは「本当にストロー必要ですか?」という点だ。
飲み物を飲む時、どうしてもストローが必要なのか?という、問いかけがされていないのが、とても気になっている。
何より、プラスチック製ストローやレジ袋が、今問題となっている「環境破壊」の中心的存在なのだろうか?
確かに、レジ袋にしてもプラスチック製ストローは、石油製品の一部だ。
そして、自然に還ることのない素材だともいえる(最近、プラスチックを分解する細菌が見つかったようだが)。
だからと言って、生活に身近な特定された商品を「環境破壊の象徴」のような扱いをするのは、いかがなものだろう?
例えば、レジ袋を有料化にしても、ゴミを出す時は自治体指定の同じく石油製品のゴミ袋で出すことになる。
レジ袋をゴミ袋として再利用するのと、自治体指定のゴミ袋を購入して使用するのとでは、同じ石油製品を使っている、という点では同じだ。
そう考えると、レジ袋を目の敵のように「政府主導で有料化」を推し進める、ということに違和感を感じてしまうのだ。
もちろん、プラスチックごみによる海洋汚染や、誤ってプラスチックごみを食べ死んでしまう海洋生物の増加という問題は、見過ごすわけにはいかない。
ただ、プラスチック製のストローの代替品の普及やレジ袋の有料化で、環境破壊を止めることができるのか?と考えると、甚だ疑問なのだ。
むしろ、海水浴場でのプラスチック製品の持ち込み禁止だとか、当然のことだが「ゴミの持ち帰りの徹底」ということのほうが、重要なのではないだろうか?
それは、海水浴場に限らず、川辺のBBQなども同じだろうし、花火などの遊びも後始末の厳重化など法的な縛りが効果的のような気がするのだ。
「何でもかんでも法律で縛る」というのは、消極的な対策のような気がするが、プラスチックごみを減らすのであれば、プラスチックごみによる環境破壊の原因となっているものは何か?という複数の視点を持つことが重要なのでは?
特定の商品を「環境破壊の象徴」のような印象付けることは、問題の本質から目をそらしているだけのような気がするのだ。