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「権力の座」という、魅惑と疑心

2024-12-25 20:31:08 | アラカルト

今年の9月頃から、いろいろ問題が取りざたされてきた、兵庫県庁内における「内部告発」の取り扱いの問題。
いわゆる、県知事である斎藤知事のパワハラに対して、当時の局長が「内部告発」を行い、それを確かめるという理由で、尋問などを行った上「内部告発者」である局長が自死を選んだ、という事件(というべきか?)だ。
このことで、兵庫県知事は県議会から辞任要求をされ、選挙の結果再び斎藤元彦氏が兵庫県知事に再選した、というのがこれまでの流れ、ということになると思う。

この事件に大きく関わっていると言われていたのが、当時の副知事であった片山さんだ。
辞任される時、「知事を守ることができなかった」と涙ながらに会見をされた方だ。
そして今日、百条委員会で片山さんの証人尋問が行われ、一般紙でも取り上げられている。
朝日新聞: 「クーデタと解釈して良い」前副知事、正当性を主張 兵庫県百条委 

「内部告発」を「クーデタ」と解釈していたことに、まず驚いた。
実際の内部告発文を読んでいる訳ではないので、わからないのだが「クーデター」と解釈する、というのは随分飛躍し過ぎた解釈なのでは?という、気がしたからだ。
一般的に「クーデター」というのは、武力行使などを伴うことが多く、決して穏やかな話し合いで起きるものではない。
まして「内部告発」で「クーデター」が起きるほど、自死された局長さんは密に徒党を組むために曲内外の職員たちを集めていたのだろうか?

おそらく自死された局長さんの立場から、局内の不満を「内部告発」をして出しただけであって、その目的は「改善要求」だったのでは?
それを「クーデター」と解釈をするほど、局長さんの存在は前副知事にとって脅威なものだったのだろうか?
言い換えれば、前副知事よりも局長さんの方が人望があり、県庁内で慕われていた、ということになるのでは?
逆に「クーデター」を感じた前副知事は、その人望などが脅威であり、自分の座(=県副知事という権力の座)から引きずり降ろされる、という危機感を抱いていたのではないだろうか?

と同時に、自分を副知事に任命してくれた斎藤知事に対しての恩義のようなモノがあり、「知事に対するネガティブな情報は、早く潰す必要がある」と考え、執拗に追及し、個人のPCなどまで調査対象とし、あら捜しをしながら相手を心理的に追い詰めていったのでは?と想像してしまうのだ。
そのことを放置し、注意をすることもしなかった知事の責任は大きいモノがあるし、「内部告発」を「自分を陥れる策」だととらえるコト自体、「自分の県知事としての権力を脅かす」という思考が働いていたような気がするのだ。

今年行われた、東京都知事選で話題になった石丸伸二さんは、元広島の安芸市長の職を辞しての立候補だったが、選挙後は「石丸構文」等とその発言内容を揶揄されるようなコトが起きた。
そして、今回の斎藤兵庫県知事にも同じような「構文」を感じるのだ。
それは、「絶対的自分の正しさの強調」という感じと言えば、わかっていただけるだろうか?
そのような考えだからこそ、その考えに心酔できる人からは崇められ、共感できない人達からは徹底的に嫌われるようなことになるのではないだろうか?

何となくだが、故安倍元首相に感じた「自分が正しい」押し売りをする人達が、社会的・政治的力を持った時、その犠牲になる市井の人達が増えるような気がするのだ。



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